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    平成20年度第6回羽村市社会教育委員の会議会議録

    • [2010年3月1日]
    • ID:275
    平成20年度第6回羽村市社会教育委員の会議会議録
    1 日時平成20年12月9日(火曜日) 午後7時~午後9時
    2 場所生涯学習センターゆとろぎ講座室1
    3 出席者議長:川津紘順、副議長:木村兼江、委員:宇都宮透、並木太一、堀茂子、古川光昭、浦野雅文、石黒奈保美、田村義明、西田小夜子
    4 欠席者なし
    5 議題1 12月~1月の社会教育関係事業について
    2 第50回全国社会教育研究大会報告について
    3 平成20年度社会教育委員の会議活動報告書の提出について
    4 今期の研究テーマについて
    5 その他
    6 傍聴者0人
    7 配布資料1 12月~1月の社会教育関係事業実施予定表(表下PDFファイル参照)
    2 平成20年度第50回全国社会教育研究大会長野大会・第39回関東甲信越静社会教育研究大会報告書
    3 平成20年度社会教育委員活動実践事例の募集について
    8 会議の内容■ あいさつ

    (事務局 生涯学習課長) 
    先日は、全国社会教育研究大会長野大会・第39回関東甲信越静社会教育研究大会にご出席いただきありがとうございました。今回はその報告があるそうなので、楽しみにしている。この大会で得られた成果を、羽村市の生涯学習に生かしていければいいと思う。

    (議長) 
    今日は、今年最後の会議である。10月の全国大会には大勢に出席していただいた上に、こんな立派な報告書を作っていただいて感謝している。11月には、都社教の交流大会にも参加いただいた。また、案内が来たと思うが、1月に入ってすぐ成人式がある。以前、社会教育委員の出席が少なかったことがあるので、今年はなるべく多くの方に出席いただき、新成人を励ましていただきたい。


    ■協議事項

    (1)12月~1月の社会教育関係事業について

    (事務局) 資料1「12月~1月 社会教育関係事業実施予定表」により説明。
    訂正がある。児童青少年課のどんど焼きの会場は、西地区が宮の下運動公園の子どもひろば、東地区が堰下に訂正をお願いする。また、洋上セミナーの「オリエンテーリング」を「オリエンテーション」に訂正してほしい。

    (議長) 洋上セミナーについては、24名募集のところ、11名応募があった。一応締め切ったが、まだ応募できるので、参加したい方がいたらぜひ児童青少年課まで連絡してほしい。事前研修は、初回のオリエンテーションと、1月24日の地域教育シンポジウムに参加する以外は、3月にまとめて実施する予定。今回の募集は中学生~大学生で、目玉は、ホエールウォッチングである。
    それから、前回も話題になったが、「生涯学習フォーラム」に社会教育委員が参加していないのはなぜか。生涯学習センターゆとろぎ建設のときに委員会があったが、それにも参加していなかった。「生涯学習センターゆとろぎに社会教育委員は関係ないのか」という話になったこともある。このフォーラムの参加者はどうやって決められたのか。

    (事務局) 社会教育委員も大いに関係ある。このフォーラムは、市内にある団体、「文化協会」「市民の会」「体育協会」「はむすぽ」「学校」「市民活動ボランティアセンター」が、相互に連携して新しいことができないか、というのがもともとの発想だったので、それらの団体に呼びかけた。現在も部分的な連携はあるが、全体的なものはまだない。一般市民の公募もしたがあまり参加はない。当日はもちろん、社会教育委員の皆さんにもご案内を差し上げるつもりでいる。

    (委員) 生涯学習センターゆとろぎ映画劇場のPRはしているのか。

    (事務局) チラシ配布やポスター掲示などしているはずである。映画のワンシーンなどをポスターに使えれば分かりやすいが、著作権の関係で難しい。前回は「硫黄島からの手紙」だったが、やはり映画の写真は使えなかった。

    (議長) 前回の映画会は満員になったか。

    (事務局) 満員になったのは昨年の「東京タワー」上映のときである。

    (議長) 今回も小ホールで上映か。

    (事務局) 小ホールである。

    (委員) これはDVDで上映するのか。

    (事務局) 16ミリフィルムだと思われる。(16ミリで上映することを後日確認。)

    (委員) そうすると、スクリーンは小さいものになるか。

    (委員) そのとおりである。

    (議長) 他にないようなら、これで協議事項(1)は終了する。


    (2)第50回全国社会教育研究大会報告について

    (事務局) 資料2「平成20年度第50回全国社会教育研究大会長野大会・第39回関東甲信越静社会教育研究大会報告書」により説明。
    資料を読んでいただければわかる部分もあるが、実際に参加された方の感想を聞き、質問などあればしていただき、それも含めて報告としたいと思う。報告書の構成は、始めの方は全体像を木村委員に記述していただいた。その次に、分科会ごとの報告書を掲載している。最後に、最終日のシンポジウムの模様を木村委員にまとめていただいた。全体の部分については事務局から説明し、分科会の部分は各委員から報告していただく。

    (議長) では、分科会について簡単に報告をお願いする。どういう様子だったということだけでも言っていただければいい。

    (委員) 第1分科会に参加した。「完全・安心まちづくり」ということで、地域で活躍している方々の発表だった。行政とは関係なく独自の活動を行っているそうだ。
    社会教育委員とは直接関係ないが、西堀区では、町内会の加入率が90パーセントという高い数字が出てきて驚いた。町内会に加入するとメリットがたくさんあるので、やめる人がいないからだそうだ。羽村の場合は、町内会に入ると役員が回ってくるから嫌だというような理由で、加入率は50パーセントを切るようだ。地域を活性化するには、1人1人が自然に参加できることが必要ではないか。そうすれば自ずと地域が活性化してくる。誰がそれをやるのか、などと聞いたが、「社会教育委員」というのはひとつも出てこなかった。
    感想としては、今の社会は失敗すると周りから責められ、成功するとほめられるが、失敗して初めて次のステップとして盛り上げていけるのではないか。地域間のコミュニケーションが一番大切、そこから地域が活性化するのではないか、と思った。

    (委員) 3つの事例が発表されたが、そのうちの2つは町内会や自治会を中心とした事例だった。安心して住みやすい町は、お互いに顔を知っていて助け合うところが基本、という考えから、赤ちゃんのグループと幼児のグループ、小学生・中学生のグループ、高齢者のグループ、それぞれのグループ内、またグループ同士の連携をとっている。高齢者と子どもの交流も積極的に図っている。そういうことは我々の自治会でも行っていると思うが、活動に対する理解がどれだけあるかが成功のカギになると思う。最近は核家族が多く、自分の家だけでも満足にできないのに隣の家まで面倒見られない、などと交流に関して無関心になってきているので、このような活動は一部の人にしか理解されていない、という辛さがあることを感じた。
    広島の例は、メンタル的な面で安心できる町にする試みで、特に子どもの虐待やひきこもりなどに対して、精神的なサポートをしていく事例を発表していた。発表の中で、プライバシーの問題がかなり絡んでくるためこちらから積極的に関わっていくことが難しい、問題のある家庭は実際には表に出てこない、という点でだいぶ苦労している様子が伺えた。それでも13,000人くらいの会員がいるそうで、メンバー全員が資格を持てるように頑張っていると言っていた。

    (委員) 他は資料の「Q&A」を見ていただければいいと思う。

    (議長) ありがとうございました。では次は第2分科会。

    (委員) 第2分科会では、「地域の人々の交流の拠点」ということで、地域活動の拠点としての社会教育施設(公民館)等の課題と展望がテーマだった。ここは報告者が3人とも行政の方だった。職員なので、全体を把握しており話はとても聞きやすく良かった。
    全体としては、継続的に事業を進めている成果が現れていると思った。長野の飯田市では、飯田にある良いところを探して、帰ってきたい場所、帰って来ようと思う人、帰って来ようと思う産業を作る試みがされていた。地域に生きる人たちや産業、学校など、全部をうまく循環させるシステムを構築しようと考えているところが素晴らしいと思った。ただ、関わっているのはまだトップの方たちばかりで、市民や社会教育課がコーディネーターを務めるまでにはなっていないようだった。
    2つ目の岩手の「青年とともに地域を作る」も、かなりの職員が青年と関わっていた。青年団体だけでの活動に行き詰まりを感じていたところに公民館主催事業がうまくマッチし、青年たちが自分たちの声を生かした企画を出していくことで自分たちの場を作ることができた。青年たちが成長していく過程で、公民館の運営審議会の委員や社会教育委員になったり、結果も見えてきているようだ。事業を実施した後に茶話会などを行い、青年たちと腹を割った話ができる関係作りを進めており、そこが大切なのではないか、ということだった。ただ、昔の公民館では、何かする場合には地域の住民や利用者と会議の場だけではない、その後の付き合いもあったが、今はなかなか関係作りが難しいそうだ。
    広島県府中市では、いろんな人の手を借りる仕掛けがうまいと感心した。発表者も「私は1つの種しか蒔いていない。そこからいくつもの芽が出て大きくなって成果が出た」と言っていた。たとえば、草刈をしなければならない場合にはボランティアをその都度募集するとか、マップを作るのに公民館のパソコン教室の生徒さんに編集委員を頼むとか、いろいろな場所でいろいろな人が自分にできることを少しずつ手伝う。そうすると1つのことをするにも多くの人が関わっていける。そのようにして達成できた、という話だった。何かするときには、仕掛けの方法によってうまく広がるものだということが分かった。

    (議長) 続いて第3分科会。

    (委員) 「地域ぐるみで子どもの育成」というテーマで、話題は3つあった。1つ目は公民館活動、2つ目は学校の先生が行っているもの、3つ目は教育委員会が主導で行っているものだった。3番目は、3年間の期限付きの補助金をベースに活動してきたもので、3年目が終わるところでの発表だった。これからどうするか、という質問が結構出ていた。
    第3分科会は、質疑等はあらかじめ提出して、最後にまとめて行った。質問者の生の声が聞けなかったので不満は残った。ファシリテーターの方が、質問が出ないケースを何度も経験しているため、そのような方法をとったようだ。

    (委員) 「地域ぐるみで子どもを育成」というテーマに非常に興味があった。自分もこれまで関わってきたが、なかなか地域との交流が図れない、地域と家庭と学校という地域ぐるみで学校を応援していく体制ができていないという現状で、他はどうしているのか興味があった。
    内容的には田植えの例が印象に残った。羽村市でも田植え事業を行い多くの参加をいただいているが、松本市では、最後におもちつきで一緒に食べる野菜も作っているということだった。最初から子どもたちが関わって、自分たちで作ったものを食べる、ポスターも作ったりしている。
    子どもたちの意見を聞きながら、その目線で活動を進めているところが印象的だった。私も、自分の子どもが小学生のときは役員をやっていたが、そこでは子どもの意見を聞くというよりは大人の都合で進めていた、と考えさせられた。
    町内会の加入についての話題は普段からも出ているし、地域ぐるみで子どもを守っていくということはすごく大事だと実感した。

    (議長) 第4分科会は「新しい『公共』と社会貢献」団塊世代などの活用についてだった。自分も、市民活動ボランティアセンターに関わっていることもあり、非常に興味があり勉強にもなった。
    1つ目は長野の佐久市の発表だった。定年前から、お年寄りと子どもが一緒に遊べる場を作りたいと思っていた方が、退職後すぐに、公民館でその活動に賛同できる人を募ってサークル「ともがき」というのを作った。これは、故郷を愛しており『ふるさと』という歌の中に「つつがなしやともがき」という部分があり、ここからとったそうだ。今はサークルには30人くらいメンバーがいて、長野のいろいろなところで活動している。児童館や学校、社会福祉施設や老人ホームに行って、昔の遊びなどを指導しながら一緒に遊び、輪を広げている。また活動していくためには自分たちも勉強しなくてはならないと、毎月学習の機会を作っているそうだ。そのサークルの課題は、年配の方が多く、会を続けていくにはもっと若い人がほしいことだ。
    2番目は福岡県飯塚市の「熟年マナビ塾」。これは、飯塚は炭鉱の町だが、人口が減って学校の建物が余ってきたのでそれを活用することを、行政からの呼びかけで始めたものらしい。60歳以上の退職者を集めて、最初は授業のようなことをやっていた。その「マナビ塾」というのは3時間目まであって、1時間目は自分たちを活性化するために漢字の書き取りや百マス計算やパズルなどをやる、2時間目はそれぞれが持っている趣味を教えたり教えられたりする、3時間目は学校の支援をする。例えば、学校の家庭科を手伝ったり、校庭の草むしりをしたり、交通安全指導の手伝いをしたりして過ごす。学校と子どもと一緒になって過ごす。それが学校の防犯にもつながっているそうだ。塾生が少ないので、もっと広めていくのが課題だそうだ。
    3番目は藤沢市で、市民大学のような形で、年間を通じていろいろな講座を実施している。テーマもいろいろだ。卒業生がNPO法人を立ち上げて、学校支援ボランティアとして活動している。
    発表者は、昔海外の仕事が多かったので英語の指導に学校へ行っているという。まだ人数が少ないので、そこももっと仲間を増やしたいとのこと。市民大学ではいろいろな分野の人が活動している。藤沢市は進んでいる、という感想を持った。社会教育委員でもそのうち視察に行きたい。昨年度に藤沢市教育委員会で提言した内容が、ちょうど今期、私たちが諮問を受けている「社会教育施設の有効活用」と同様で、「全てのものに開かれた社会教育施設」ということだった。社会教育委員が、7年間必死になってまとめて出したと言っていた。すごいと思ったのが、定例会が毎月1回あり、そのほかに毎月2回自分たちで勉強会をしていたことだ。さらにすごいのは、社会教育委員になったときに、どうして社会教育委員になったのかを、各自持ち時間30分で話すらしい。社会教育委員としての思いを語るそうだ。
    市民活動の参考にするところはたくさんあると思う。施設を見るとき、私たちはどうしても健常者の感覚で見ている。それをいろいろな角度から、例えば未就学児、青少年、障害者、外国人、女性、子育て中の親、高齢者…とさまざまな立場から見てみて提言しているそうだ。その提言書を見たい。私たちの諮問にも参考になると思う。

    (委員) 第5分科会のテーマは、「平和と共生」。
    1番目の発表は、戦争体験について語れる人が少なくなってきたこともあり、昭和60年頃から有線放送の「公民館の時間」を使って、戦争体験を放送し始めたこと。引き上げや戦争の経験談を話してもらうそうだ。いくつかの話を実際にテープで聞かせてもらった。今後は生の声が聞けなくなってくるので、音のデータは非常に有効で、今はMDに保管されているそうだ。今も放送は続けられている。今年も、卒業する中学生に対して、戦争を経験した人たちの話を聞かせたそうだ。
    次はひたちなか市「茨城ひと塾」の例で、面白かったのは、ひたちなか市の社会教育委員の活動についてパンフレットを作ってPRしていることだ。これは非常によくできていて参考になる。「茨城ひと塾」の活動テーマは「親の願い」と「子どもの居心地感」ということで、社会教育委員の渋谷さんという方が実際は1人で運営している。事業には、普通10人~30人位の参加があるそうだ。会場は主に渋谷さんがやっている保育園。基本的に組織は作らない。予約も取らず、来たい人が来ればいい。人数把握は、問合せの回数で予測しているそうだ。「渋谷さんの他にも、手伝ってくれる人材があるのではないか」という質問もあったが、自分が楽しければやるし楽しくなくなったらやめる、と答えておられた。実際、始めた当初はしばらく一生懸命やっていて、途中で1年に1回程度に減って、また最近面白くなったので、実施回数が増えているそうだ。自分が楽しいからやっている、という言葉が新鮮だった。
    次は「女性たちによる地場産業おこし」だが、これは小諸市で、昭和49年頃、女性が地域活動していくために地場産業を興して、自分の自由になるための資金を得る活動をして自立していった話だ。気になったのは、お父さんたちの意識があまり変わっていないようだったこと。男性の視点がなかった気がした。

    (議長) では、第6分科会。

    (事務局) 第6分科会は、「地域文化の継承と創造」。事例発表は3つあった。
    1つ目は、長野市松代のNPO法人で、行政に頼らないで地域の活性化、地域文化の紹介を進めていったということ。松代は、長野インターが開通することになった時に中心市街地の活性化基本計画を作った。その計画は策定段階からかなり住民を巻き込むことを意識して作ったそうで、計画策定後その推進がスムーズに市民側に移せたそうだ。それが、この「夢空間松代を育てる会」、後にNPO法人となって、活動の中心となっていく。きっかけとなったポイントは「行政任せからの脱却」。住民参加が当然だ、という雰囲気が生まれたそうだ。
    その次には、松代の文化をどう活性化し発信していくかということが課題になった。住民は自分の町をよく知ることから始めた。いろいろなイベントを市民の発案で実施して、それに伴ってグループが自発的に生まれ、そのグループ活動を通して自分たちの町に誇りを持つようになった。グループの合言葉で「歴史は一度失われると二度と元に戻らない」というのがあるそうだ。今の歴史ある松代の町をいかにうまく残し、さらに発展させていくか、ということで活動を続けた。羽村でも「羽村学」が話題になっているが、地域をよく知る、見直すことは大切だということを実感した。
    そして、たくさんできた小さなグループをうまくネットワーク化した。自分たちだけの活動では飽き足らなくなって、観光地・松代を訪ねる観光客をガイドするなどして、これがうまく産業につながったそうだ。農業のグループでは、見過ごされがちな農作業の小屋を研究したことで建物の持っている希少性が分かり、これをうまくPRして観光としての価値を高めた。生涯学習の活動が産業として実を結んでいる。グループが単発で情報発信するのではなく、大きなNPO法人というネットワークを作ったことで、外部にも情報発信ができて、20万人程度だった観光客が80万人と大きく増加した。この事例から感じのたは、行政の役割は住民をうまく支え支援していくことが大事だということだ。
    2つ目は、北海道倶知安町で、1人の住民がきっかけになって町ぐるみでその発展に努めているという、社会教育課長の話だった。北海道は移民のまちなので、北海道ならではの文化というのは百数十年しかない。それでは寂しいので、高田六郎さんという方が太鼓を始めた。これが後に羊蹄太鼓と名づけられ、これを倶知安の文化にしていくため住民が一致団結した。古いものだけではなく「新しい伝統文化」もある、という説明だった。行政は特に補助金などの支援はしなかったそうだ。太鼓の購入と活動場所を提供するだけで、あとは全て「羊蹄太鼓を励ます会」に委ねられているらしい。住民の方も、自分たちで作り上げた文化ということで入れ込んでいるので、町ぐるみで活動を続けているそうだ。だから自然に、親から子へとか地域の指導者から子どもに伝える仕組みができている。
    課長は「行政がリードすると住民の取り組みは鈍ってしまう。」と言っていた。最近積極的に支援しているのは情報発信だそうだ。地域の中ではもう十分に根付いているので、地域の外にどんどん発信していけば、それが住民の誇りにつながっていく。ポイントは市民の活動自体に手を貸すのではなくて、市民の活動しやすい環境づくりに手を貸していくことだそうだ。
    3つ目の高知県室戸市吉良川町では、逆に古くからある行事について、高齢化の進展に伴って子どもにどう引き継いでゆくか、進行中の取り組みが紹介された。かなり以前から栄えていた町だが、他の地域にも見られるように少子高齢化が随分進んでおり、歴史ある伝統文化の継承が難しい。子どもたちをうまく取り込んで、今まさに取り組みを始めたところだと紹介していた。

    (議長) 以上で6つの分科会の報告を終わる。地方の方が、自分の住んでいるまちに対して思い入れが強いようだ。羽村のような大都市周辺のベッドタウンでは住民同士のつながりがないので、まずそのつながりを作ることが大事だと思った。皆さんどうもありがとうございました。質問はないか。

    (委員) 第1分科会では、町内会の加入率が90パーセントという話で、Q&Aに、自治会の役員の仕事は集金だけと書いてあるが、実際それだけで済むのか。

    (委員) 役員に仕事をいろいろ回してしまうと加入が減るので、できるだけ役員の負担にならないように心がけているそうだ。共同募金だけにして、回覧などはボランティアでやっているという話をしていた。この90パーセントという数字には、昔の町の性格がよく出ていると思う。旧部落とか、新部落、新々部落といういくつかの歴史段階があって、加入率が高いのは昔からの町だ。住んでいる人が皆顔見知りのような、そういう町の性格が多分にあるのではないか。別の事例では加入率が30パーセントくらいで悩んでいるという話もあった。だから、その90パーセントというのは単純に役員の仕事を減らしたからだけでなく、昔からの地域のつながりが功を奏しているのではないかと思う。

    (委員) 羽村では旧地区(青梅線から下の地区)でも加入率が非常に下がっている。自治会だけではなく、神社の氏子になると祭りに出なくてはならないなどの負担が嫌で、そのような組織には加入しない方が非常に多い。そういう面をどうすればいいか考えて、西堀区では今、町内会の役員は実際に仕事は一切していないそうだ。羽村の場合は、町内会長に行政からいろいろな回覧が来る。ある程度の費用がかかっているだろうが、非常に仕事が多いそうで、その辺りは今後考えていかないと、加入率は下がるばかりだろう。

    (議長) 新しいシステム作り、町内会組織をガラッと変えていく必要があるかもしれない。

    (委員) 西堀区はこれまでの形から一歩はみ出しても、新旧なく同じ意識を持っているからやっていける。そういうところが羽村とは少し違うと思う。うまくいっているもう1つの理由は、役員が(たまたまかもしれないが)そのようなことが好きな人ばかりだから、役員を回さなくても大丈夫ということもあるようだ。だから新しい人も気軽に参加できる。羽村だと例えば組長は1年ごとに回すようになっている。そういう役員が回ってくるのを負担に感じるから加入しないケースがかなりあると思う。

    (委員) もう1つ驚いたのは、町内会費が1年間に400円というところだ。金額が安いからどうという問題でもないだろうが、入りやすい条件ではある。

    (委員) 第3分科会に参加したが、先ほどは感想だけになってしまったので、付け加えたい。長野県松本市の事例では、公民館で年間通して、米作りと野菜・蕎麦の栽培、基地作り、キャンプに取り組んでいる。島根県吉賀町では、学校と市と農協、地域、そして高齢者の方も、ふるさとや歴史を残すといった立場で関わって「ふるさと教育ネットワーク会議」というしっかりした組織になって活動している。それから長崎県上五島町では、婦人会、老人会、育成会、民生委員、家庭、学校をメンバーにした「ココロのたからづくり推進会議」という組織から、学校区に分かれたグループになっていろいろな活動をしていると報告があった。
    感じたのはどの事例でもしっかりした大々的な組織ができているということ。組織化することでさまざまな角度からの活動ができ、1つのものを作っていくというコミュニケーションもとれ、しっかりした会議が持たれている。それだけの活動に協力してくださる体制を作るのに長年かかってきたのだろうと感じた。実際こういう地域、学校、家庭にわたる連携は必要なことだ。羽村でも、ふるさとの歴史的なものを伝えていく羽村市独自のものが必要だと思う。ただ自分のところになるといろんな思いが交差しているというのが現状だ。もう一つ、福生市では「福生っこひろば」というのがあって、放課後学校施設を使っていろいろな方が協力してくださる事業の事例も聞いた。羽村市としても将来的にはそういうことを考えて準備しているのか伺いたい。

    (事務局) 「福生っこひろば」もそうだが、放課後児童対策事業といって国で出した事業である。羽村でも検討を進めている。児童青少年課が担当。羽村市の場合は、学童クラブと時間帯がだぶるので、それをどう扱っていくか、などを検討しているところだ。私も委員になっていて昭島、府中などを見学した。学校の余裕教室や体育館、学童の空いている教室を使って、学童クラブに来なくてもいいお子さんも参加していた。学童クラブは、保護者が働いていて放課後家にいないお子さんが対象だが、学童クラブに行っていないお子さんも「放課後子ども教室」に参加できれば安心、ということがメリットだ。

    (委員) 補足すると、「はむすぽ」では、東小学校を借りて「スポーツ天国」として曜日を決めてすでに同じような活動をしている。

    (議長) それは誰でも行っていいものか。

    (委員) はむすぽの会員になれば誰でも参加できる。

    (委員) 「福生っこクラブ」の活動の様子の映像や数字を見た。参加者ゼロというのが結構あった。人気のあるものとないもの、会場によっても違いがあった。ゼロというのは、子どもが全然行きたくないということだから、そういうことも考えていかないと、ただ何でもやればいいということでもないと思う。

    (議長) 羽村は他の行政に比べてすでに結構いろいろやっている。体育館も目いっぱい使っているし、子どもがそんなに減っていないので空き教室もあまりない。学童クラブも満杯で、会場確保から難しいと思う。

    (委員) 学童クラブは3年生までなので、4年生以上をどうするか、ということもある。

    (事務局) 学童クラブは待機児も多い。障害児については4年生までになっている。

    (議長) 学童クラブの先生のなり手がない。今の子どもたちは何を言い出すか分からないし、保証もあまりないようだ。

    (委員) 任期も3年と限られている。

    (議長) 子どもたちは狭い中で好き勝手に動くので、それを怪我しないように見ていくだけでも大変らしい。

    (委員) 議長の参加していた第4分科会の中で、「社会教育委員の研究会なのに、発表している人は社会教育委員でない」という発言があったということだが。

    (議長) 私たち参加者は社会教育委員なのに、各事例の発表には社会教育委員がいない。本来なら委員の集まりなのだから委員が発表すべきでは?という意見があった。「社会教育委員の仕事は何か」という質問もあり、さまざまなところに出て行って住民のニーズを聞き会議で生かしていく、より良いシステム作りをしていくのが仕事、という意見もあった。最後に、「今までの社会教育というのは自分が学ぶ、これからは自分が学んだことを活用し広めていくのが社会教育ではないだろうか」、「新しい公共のシステムを作っていくのが社会教育の役割」という意見もあった。

    (委員) 要望だが、せっかく立派な報告書をまとめていただいたのだから、事前に配布していただけると、読んで理解して質問できる。話をうかがいながらだと、内容を咀嚼しきれない。

    (事務局) 次回からそのようにしたい。

    (委員) 誤字・脱字等を見直して、訂正版を再度配布したい。また、総括は自分が勝手に書いたがこれでいいか。

    (各委員了承)

    (議長) 忙しい中、本当にいろいろとありがとうございました。


    (3) 平成20年度社会教育委員の会議活動報告書の提出について

    (議長)
     続いて平成20年度社会教育委員の会議活動報告書の提出について。

    (事務局) 資料3「平成20年度社会教育委員活動報告書の提出について」に沿って説明。
    昨年は木村委員の地区委員会での稲作体験について書いていただいた。今年度もこのような形で依頼がきているので、社会教育委員の活動、またはご自分が所属している団体の活動でも構わないので、ぜひ書いていただきたい。書いてくださるという方は事務局までお申し出いただきたい。

    (議長) 自分の団体、例えば文化協会や市民の活動などもいい。去年は福生では村山さん(生涯学習センターゆとろぎ市民の会事務局長・福生市社会教育委員)が生涯学習センターゆとろぎのことを書いていた。

    (委員) はむすぽについて書いたらどうだろう。この近辺にはそのような活動はあまりない。

    (委員) 社会教育について活動していない。

    (議長) 社会教育委員にはそれぞれの母体となる団体がある。その活動でいいのではないか。

    (委員) こういう依頼がきたときに、さっと書けるような活動を社会教育委員としてする必要があるのではないか。

    (議長) 先ほども全国大会で質問があった話をしたが、社会教育委員の役割は、「社会教育委員の会議」だから、会議することが仕事ではないだろうか。いろいろな事業などに出て行って、いろんな市民のニーズを聞いて、聞いてきたことを会議で生かして新しい何かをするときに意見を出していくのが仕事ではないか、と思っている。

    (委員) 社会教育とは何か、といった場合に、今回の大会でもそうだが、結局は自治会などの事例発表になっている。それは社会教育委員がやっているとは限らないし、そういう意味では今の「社会教育委員として何かやった」というのは難しいと思う。諮問に対しての答申だったら、成果として形に出るが、それ以外は、それぞれの分野のさまざまな団体が活動しているところに直接関わっていなくても、その中で出た問題点などを解決していくことが社会教育の仕事だと思う。

    (議長) 全国大会に出た人はみんな悩んでいるようだ。今期は、教育委員会からの諮問に対して答申する。年明けからは各施設をまわり、市民のニーズを諮問に答えられるように研究してまとめるのが私たちのこれからの仕事だと思う。

    (委員) はっきりした仕事が決まっていないから、生涯学習フォーラムをやる場合にも社会教育委員は関係ないようになってしまうのではないか。

    (議長) 生涯学習センターゆとろぎができるときも社会教育委員はノータッチだった。「社会教育委員とは何か?今まで社会教育だったのが生涯学習になったから社会教育委員は関係ないのか?でも社会教育委員は法律で決まっている」などの論議を呼んだ。

    (委員) 生涯学習フォーラムについては、体育協会は途中から声がかかってきたと聞いているが。

    (委員) 最初から声をかけている。もともとのコンセプトが、生涯学習センターゆとろぎがここで開館して3年経ったので、自分たちでもう一度市民の会を見直したいということと、生涯学習センターゆとろぎをいまだに知らない人もいるので、自分たちの活動を外からも見ていただこう、とPRすることだった。
    市民の会は文化協会と一緒に事業を実施したりしているが、市内には、他にもずっと活動している体育協会やはむすぽ、市民活動ボランティアセンターもある。そのような団体を相互に連携させることが、生涯学習のひとつの拠点である生涯学習センターゆとろぎの役割ではないかということで、とりあえず各団体から代表に来ていただいてフォーラムの骨子を決めたいとお声がけさせていただいた。窓口も閉鎖しているわけではなく、逆にどなたでも来ていただきたい。募集もしたが、一般の方の応募は今のところない。社会教育委員の皆さんもお考えがあればぜひ参加していただきたい。現在、学校にも参加していただいている。

    (議長) 例えば古川委員は図書館ボランティアでもいい活動をしているし、そのような活動を報告していただければいい。

    (委員) 社会教育委員というのは何でも屋である。これをやる、ということが決まっていないので、逆にいろいろできるかもしれない。

    (委員) 去年の実績報告も3件くらいしかなかった。羽村は去年出したから今年はいいのではないか。出さなければいけないわけではないだろう。

    (議長) 出せる例があればなるべく出したいと思うので、書いていただける方は、事務局までご連絡いただきたい。よろしくお願いする。


    (4)今期の研究テーマについて

    (議長) 今期の研究テーマについて。

    (事務局) 先ほど、藤沢市の例を議長から教えていただいたので、提言書を取り寄せたいと思う。場合によっては視察も可能である。

    (議長) 年が明けたら、各施設に行って課題に沿った話し合いをしていかなくてはならない。そして文書化していく。

    (事務局) 実際に施設を見てみないと分からないこともあると思う。

    (議長) 施設をいろんな目で見て質問してほしい。よろしくお願いする。


    ■その他

    (議長) その他は何かあるか。

    (事務局) 冒頭の社会教育関係事業予定でもお知らせしたが、「生涯学習推進基本計画」のパブリックコメントを求めているところだ。ぜひ目を通していただきたい。

    (議長) よろしくお願いする。次回は、どういう視点で各施設を見て回るかなどを協議したい。事務局は藤沢市の提言を入手してほしい。

    (委員) 長野大会の報告はいろいろ参考になった。皆さん所属している団体でいろいろ事業があると思うが、社会教育委員の勉強会などやいろいろな事業にもなるべく参加してほしい。

    次回の会議日程は1月27日(火)午後6時30分からとする。

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    お問い合わせ

    羽村市教育委員会 生涯学習部プリモホールゆとろぎ(生涯学習センターゆとろぎ)

    電話: 042-570-0707 

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