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    平成23年第4回羽村市議会市長所信表明要旨

    • [2011年9月6日]
    • ID:4002
    羽村市長 並木心

    (平成23年9月6日)

    おはようございます。

    本日ここに、平成23年第4回羽村市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚く御礼申し上げます。

    定例会の開会にあたり、私の所信の一端と市政運営の状況について申し述べ、議会並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

    まずは、台風12号で新たに被災された皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

    9月を迎え、ようやく夏の猛暑が一段落してまいりましたが、今年の夏は、電力供給の逼迫から、熱中症予防に特段の注意を払いながら、国を挙げての節電対策が求められたところであります。

    また、福島第一原子力発電所の事故により、今なお続いている放射線の脅威は、被災者をはじめ、多くの人々に不安を与え、原子力発電に対する国民の信頼を崩すことになりました。

    こうしている現在も、現地では、福島第一原子力発電所の事故の収束に向けて、懸命な対応が続いておりますが、その一方、放射性物質の放出による飲料水や農畜水産物の汚染は、広域的かつ深刻な被害をもたらし、風評被害とも相まって、農畜水産業をはじめ、観光業や商工業にも多大な損害を及ぼしております。

    政府は、このような現状を真摯に受け止め、国民の理解と信頼を得られるよう、具体的な対応策を早急に講じていくべきであると考えております。

    全国市長会においては、今回の事故の早期収束と完全な賠償および原子力発電所等の安全対策のほか、電力確保やエネルギー政策のあり方等、国の責任と財政負担により、万全の措置を講じるよう、国へ強く要請しているところであります。

    羽村市におきましても、6月から9月までの3箇月間における庁舎節電行動計画を独自に策定し、昨年比マイナス15パーセントの節電目標を掲げて取り組んできましたが、6月から8月では、目標値の2倍となる大きな節電成果を挙げることが出来ました。

    また、電力小売市場の自由化に伴い、東京電力以外の特定規模電気事業者との間において、電力供給契約が可能となりましたことから、複数の電気事業者を比較検討した結果、削減効果の見込める14の公共施設において12月から試験的に導入することとし、公募型の指名競争入札を実施していくことを決定し、9月1日から、応募を受け付けているところであります。

    さて、このように、国全体が電力供給に不安を抱える中での、現下の社会経済情勢でありますが、景気は、東日本大震災の影響等により、依然として厳しい状況にあり、特に、為替市場における円高の進行は深刻で、8月19日には、1ドル75円台の戦後最高値を付けるなど、国民並びに企業は、国際金融市場の荒波にさらされております。

    政府並びに日本銀行に対しましては、輸出企業や中小企業、就業者の不安を、中小企業対策や復興需要の早期実現、内需前倒しの強化などにより解消するとともに、適切かつ機動的な金融政策運営によって、国内経済を下支えするよう期待するものであります。

    次に、地域主権改革に関する動きについて申し上げます。

    地域主権改革は、国および地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性および自立性を高めることを基本理念として、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指すものであります。

    このため、東京都市長会では、自らの地域のことは自らの意思で決定していくことを基本に置き、権限、責任、財源について検証を行ってきました。

    その結果、事務の円滑な移譲を行うためには、事務処理方法などの調整を要する事務等に関する、詳細な情報を早急に提供すること。

    事務の引継ぎにあたっては、事務処理マニュアルの作成をはじめ、専門職員の東京都からの派遣等、人的および技術的な支援を行うこと。

    事務の移譲に伴う費用については、確実な財源が措置されるよう、東京都から国に対して強く働きかけるとともに、国の措置が不十分な経費等については、東京都において、積極的な財政支援を行うこと。

    以上3つの課題が浮き彫りになりましたことから、去る8月9日、東京都市長会から東京都知事に対して、「基礎自治体への権限移譲に係る支援要請」を行ったところであります。

    現在、平成24年4月からの事務の移譲が市民生活に支障を来たすことなく、円滑に行われるよう、東京都の各局を通じて、担当者への説明会が、随時、開催されておりますが、私は、今後も、地域主権改革の動きと、それによりもたらされる変化に、迅速かつ適切に対応することにより、権限移譲を市の特色や独自性を生かした市政運営に繋げていく考えであります。

    次に、羽村市における東日本大震災の復興支援について申し上げます。

    震災発生以降、市では、東京都市長会を通じた人的支援として、職員12人を被災地に派遣し、避難所管理運営業務、罹災証明発行に係る建物被害認定調査業務、健康調査業務等の支援を行うとともに、東京都教育委員会を通じた教員派遣として、市内小学校に勤務する教諭2人を宮城県内の小学校へ派遣しております。

    また、7月の新潟・福島豪雨災害におきましても、被災地からの要請に基づき、いち早く、新潟県三条市に保健師1人を派遣し、被災者の健康相談業務の支援を行っております。

    このほか、物的支援として、市の備蓄物資をはじめ、企業から市に寄せられた物資を職員が直接被災地へ運搬しておりますが、これらのことを通じて職員が、未曾有の震災を目の当たりにし、被災地の職員と寝食を共にすることで、危機的状況の中で物事を前向きに解決していく気力と能力を身に付け、羽村市の危機管理対策における職員の意識向上に繋げていくことが極めて重要であると考えております。

    一方、市内における被災地支援といたしましては、避難所や相談窓口の設置、はむらサポートカードの発行のほか、駐車場やリサイクル自転車の提供を通じた支援に取り組んできました。

    また、市民の皆様の間にも、羽村市民自らが元気を出し、地域の活力を高めることにより、被災地の復興を支援していこうとする機運が高まり、7月30日、31日には、「第36回はむら夏まつり」が盛大に開催され、その中で、被災地の特産品を販売することができました。

    当日は、宮城県と福島県の被災地から、果物、菓子、漬物などが出品され、羽村市商工会、羽村市商業協同組合、羽村市福島県人会の皆様の温かいご協力の下、用意された特産品は完売され、被災地の復興支援の一助になったものと考えております。

    なお、節電についても対策を講じ、夏まつり会場で使用する電球250個を白熱球からLED電球に交換して対応したところであります。

    今後も、市内では、さまざまなイベントの開催を予定しておりますことから、時機を捉えた被災地の復興支援を積極的に展開してまいります。

    また、現在、福島第一原子力発電所の事故を受けて、他地域での就学を希望する児童・生徒を支援する、就学受入事業を展開しております。

    これは、市民の皆様がホストファミリーとなり、児童・生徒を受け入れることで生活基盤を安定させ、安心した教育機会を保障することを目的に実施するもので、市民の力による人道的な見地からの取り組みとして、意義の深い事業であると考えております。

    今回の震災は、かつて経験したことのない広い範囲に渡り、その被害も想像を絶するものがありますが、日本人の心と郷土を愛する心が、被災地の復旧と復興に繋がっていくものと信じております。

    羽村市といたしましては、引き続き、被災地支援を全力で継続してまいりますので、議会並びに市民の皆様の特段のご理解とご協力をお願い申し上げます。

    次に、市内の産業等の状況について申し上げます。

    現在、市では、緊急経済財政対策の一環として、市内の企業に対して、聞き取り調査等を実施し、景況感の把握に努めております。

    7月から8月にかけて実施した製造業への調査では、自動車関連産業の部品の製造が急速に回復し、繁忙を極めているとのことであります。

    これは、環境性能を前面に出した新型車の発売による買い替え需要をはじめ、被災地の同業種からの部品の代替生産の受注などによるものであるものと聞いており、被災地での自動車需要を踏まえ、さらに、生産体制を強化していきたいとのことでありました。

    また、日本自動車工業会の土日稼動、平日一部休業に伴い、子育て家庭の就労を行政として支援していくため、7月から9月までの3箇月間、日曜日に、保育事業と学童クラブ事業を無料で実施しております。

    保育園については、当初、企業の土日稼動に関する不確定な部分が多く、利用者ニーズの把握や羽村私立保育園協議会との連携調整などに努めましたが、市内保育園4園の協力により、市全体としては、32人の申し込みを受け、日曜日1日当たり、14人程度が利用している状況にあります。

    また、学童クラブについては、保育園の対応と同様に、市内企業の動向や利用者ニーズの把握に努めた結果、市全体として、29人の申し込みを受け、日曜日1日当たり、5人程度が利用しております。

    いずれの事業も、市の実情を踏まえた行政サービスを提供することが出来たものと認識しており、このことは、企業関係者の皆様の生の声としても伺っております。

    今回の震災から復興を果たし、企業の業績が回復に結び付いていくまでには、一定の期間を要するものと思われますが、市といたしましては、「企業誘致促進制度」をはじめ、中小企業を対象とした「振興資金利子補給制度」や「販路開拓支援助成制度」を積極的に活用し、市内産業の活性化と景気対策を強力に進めてまいります。

    さて、今次定例会は、平成22年度の各会計決算の認定について、ご審議いただく議会でもあります。

    羽村市では、現下の経済状況を踏まえ、自らを厳しく律する行財政改革を推進することにより、効率的な減量経営に徹し、市民福祉と行政サービスの質の向上に努めてきました。

    とりわけ、平成22年度は、市税収入の減少、経常収支比率の上昇、普通交付税の「交付団体」への移行など、財政状況が一段と厳しさを増す中で、2次に渡る「緊急経済財政対策」を講じ、財源確保に全庁を挙げて取り組みました。

    その結果、各会計ともに、所期の目的を達し、それぞれ黒字決算として締め括ることができました。

    それでは、一般会計の決算の概要について申し上げます。

    先ず、決算の規模でありますが、歳入は、205億5千700万円、歳出は、200億7千300万円の規模となりまして、前年度と比較して、歳入で、0.6パーセントの減少、歳出で、0.02パーセントの減少となりました。

    歳入から歳出を差し引き、翌年度に繰り越すべき財源を控除した実質収支額につきましては、4億7千800万円であります。

    次に、決算における主要な財政指標について申し上げます。

    まず、人件費比率につきましては、前年度と比較し、0.6ポイント低い、17.8パーセントとなりました。

    財政の弾力性を示す経常収支比率につきましては、97.5パーセントとなり、前年度の100パーセントを割る改善を図ることができました。

    次に、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき算定する比率について申し上げます。

    平成22年度決算における「健全化判断比率」および「資金不足比率」については、議案配布時に監査委員の審査意見を付して報告させていただいておりますが、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」につきましては、いずれも赤字額がないことから、「なし」という結果となっております。

    また、実質公債費比率につきましては、前年度と同率の4.8パーセント、将来負担比率につきましては、2.2パーセントとなっており、早期健全化基準を大幅に下回り、適正な水準となっております。

    なお、資金不足比率につきましても、「下水道事業会計」、「水道事業会計」ともに、資金不足額が生じないことから、「なし」という結果になっております。

    次に、財政調整基金の状況について申し上げます。

    平成23年度末には、財政調整基金が底をつくとの危機感から、平成22年1月から、2次に渡る緊急経済財政対策を講じてきましたが、それらの対策により、平成22年度において、財政調整基金から取り崩した額の全てを繰り戻し、平成22年度末の財政調整基金残高は、16億4千5百万円余を確保できました。

    以上、決算の概要についてご説明いたしましたが、一般会計予算において計画いたしました事業につきましては、概ね順調に執行でき、所期の目的を果たし、一定の成果が得られたものと考えております。

    また、6つの特別会計および水道事業会計におきましても、それぞれ計画どおりに事業を執行し、無事、平成22年度決算を締め括ることができました。

    このことは、議会をはじめ、市民の皆様のご協力の賜物でありまして、ここに厚く御礼を申し上げます。

    次に、平成23年度の普通交付税の算定結果について申し上げます。

    昨年度に比べ、市民税個人分と固定資産税償却分の減少などにより、基準財政収入額が低下し、生活保護費の増加などによって基準財政需要額が上昇しました。

    基準財政収入額と基準財政需要額の差である財源の過不足額は、4億7千4百77万4千円の不足となり、前年度に引き続き、普通交付税の交付団体となりました。

    今後も歳入の確保と歳出の削減などの行財政改革を更に進め、将来に渡り健全で安定的な行財政運営に努めてまいります。

    次に、市制施行20周年記念式典について申し上げます。

    羽村市は、平成3年11月1日に市制を施行し、町から市へと自立した都市として発展してきました。

    平成23年11月1日をもって、市制施行20周年を迎えるにあたり、これまで先人たちが築いてきた羽村市の歴史を改めて振り返るとともに、将来を展望し、新たな時代に向かって力強く発展・繁栄していく契機としていくため、記念式典を、来たる10月30日の日曜日に、生涯学習センターゆとろぎにおいて挙行することといたしました。

    当日は、自治の振興にご功労のありました市民や団体の皆様を表彰させていただきますとともに、大勢の市民の皆様とともに、今後の羽村市の発展を願っていきたいと考えております。

    このほか、市制施行20周年記念の「市勢要覧」を編集、発行し、電子データとしてのDVDとともに、式典の記念品の一つとして活用していきます。

    また、「羽村市20年のあゆみ」を映像番組として制作し、「テレビはむら」で放映するほか、インターネットの羽村市公式サイトにおける動画配信などを行う計画であります。

    さて、この機会に市内中学生の音楽活動における活躍について紹介させていただきます。

    今年の夏も昨年同様、猛暑が続きましたが、羽村の中学生達は、元気一杯に夏休みの音楽活動に取り組んでくれました。

    まず、羽村第一中学校につきましては、昨年10月に行われた第58回全日本吹奏楽コンクールの中学の部において、金賞受賞という快挙を成し遂げていますが、今年も、東京都吹奏楽コンクールにおいて優秀な成績を収め、来たる9月11日開催予定の全日本吹奏楽コンクールへの出場が決定いたしました。

    また、羽村第三中学校につきましても、昨年10月に行われた第10回東日本学校吹奏楽大会・中学の部において、銀賞を受賞していますが、今年も、東京都吹奏楽コンクールにおいて優秀な成績を収め、来たる10月9日開催予定の東日本学校吹奏楽大会・中学の部への出場が決定いたしました。

    いずれも全国や東日本という高いレベルのコンクールへの出場決定であり、指導者もさることながら、子ども達の日々の練習の積み重ねに対し健闘を称えるとともに、大変、頼もしく思い、上位大会での益々の活躍を楽しみにしております。

    以上、所信の一端と市政運営の状況について申し上げましたが、冒頭申し上げましたように、震災の復旧と復興に、国力の多くを割く中、地方自治体に大きな変革をもたらす「地域主権改革」が動き出しております。

    こうした状況下にあって、市町村の果たす役割は益々重要となっており、自治体自らが変革する意識を持ち、創意工夫を凝らし、可能な限りの努力を尽くして、自立していかなければならない時代と認識しております。

    私は、こうした流れを敏感に捉え、常に、市民の皆様の声に耳を傾け、現状把握をしっかりと行い、改革すべきところは改革し、勇気ある決断をもって、市政の運営にあたり、市民の皆様が、「しあわせを実感できる活力あるまちづくり」の実現に向けて、全力で取り組んでいく決意であります。

    ここに、改めまして、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

    なお、今次定例会には、決算認定案件8件、条例案件7件、補正予算案件6件、損害賠償額の決定案件1件、人事案件1件、訴えの提起案件5件、合わせて28件の議案をご提案申し上げております。

    よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。

    以上で私の発言を終わります。

    ありがとうございました。


    ※平成23年第4回羽村市議会定例会における羽村市長の所信表明の要旨をまとめたものです。
    従って議事録とは異なる場合があります。

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