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高齢者虐待について

[2017年5月26日]

■養護者等による高齢者虐待

虐待は、誰にでも(年齢や経済状態などに関係なく)いつでも起こり得る「身近な問題」です

 高齢者虐待とは、「高齢者が他者からの不適切な扱いにより、権利利益を侵害される状態や生命、財産、健康、生活が損なわれるような状態に置かれる行為」とされ、一般的には、以下の5種類に大きく分けられます。

虐待の区分と内容
区分内容と具体的な例
1 身体的虐待(1) 暴力的行為で、痛みを与える、身体にあざや外傷を与える行為。
 (具体的な例)
・つねる。殴る。蹴る。やけど、打撲をさせる。平手打ちをする。
・刃物や器物で外傷を与える。など
(2) 本人に向けられた危険な行為や身体になんらかの影響を与える行為。
 (具体的な例)
・本人に向けてものを投げつけたりする。
・本人に向けて刃物を近づけたり、振り回したりする。など
(3) 本人の利益にならない強制による行為によって痛みを与える、代替方法があるにもかかわらず乱暴に扱う行為。
 (具体的な例)
・医学的判断に基づかない痛みを伴うようなリハビリを強要する。
・移動時に無理やり引きずる。無理やり口に食事を入れる。など
(4) 外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為。
(具体的な例)
・身体を拘束し、自分で動くことを制限する(ベッドに縛る、つなぎ服を着せる。意図的に薬を過剰に服用させて、動きを抑制する。)
・外からカギをかけて閉じ込める。中からカギをかけて長時間家の中に入れない。など
2 介護・世話の放棄・放任(1) 意図的であるか、結果的であるかを問わず、介護や生活の世話を行っている者が、その提供を放棄または放任し、生活環境や、高齢者自身の身体・精神的状態を悪化させていること。
(具体的な例)
・入浴しておらず異臭がする、髪や爪が伸び放題、皮膚や衣服、寝具が汚れている。
・水分や食事を十分に与えられていないことで、空腹状態が長時間にわたって続き、脱水症状や栄養失調の状態、室内にごみを放置する、冷暖房を使用させないなど、劣悪な住環境の中で生活させる。など
(2) 専門的診断や治療、ケアが必要にもかかわらず、必要とする医療・介護保険サービスなどを、周囲が納得できる理由なく制限し、放置する。
(具体的な例)
・徘徊や病気の状態の放置や相談に対応している職員が医療機関への受診や専門的ケアが必要と説明しているにもかかわらず、無視する。
・本来は、入院や治療が必要にもかかわらず、強引に病院や施設等から連れ帰る。など
(3) 同居人等による高齢者虐待と同様の行為を放置する。など
(具体的な例)
・孫が高齢者に対して行う暴力や暴言行為を放置する。など
3 心理的虐待

(1) 脅しや侮辱などの言語や威圧的な態度、無視、嫌がらせ等によって、精神的苦痛を与えること。
(具体的な例)
・老化現象や言動などを人前で話すなどにより、恥をかかせる(排泄の失敗、食べこぼしなど)。
・侮辱を込めて、子供の様に扱う。
・トイレに行けるのにおむつを使用させたり、食事を全介助する。など

4 性的虐待(1) 本人との間で合意形成がされていない、あらゆる形態の性的な行為または、その強要
(具体的な例)
・排泄の失敗に対して懲罰的に下半身を裸にして放置する。
・排泄や着替えの介助がしやすいという目的で、下半身を裸にしたり、下着のままで放置する。
・人前で排泄行為をさせる、おむつ交換をする。など
5 経済的虐待(1) 本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人の希望する金銭の使用を理由なく制限すること。
(具体的な例)
・日常に必要な金銭を渡さないことや年金や預貯金を無断で使用する。
・入院や受診、介護保険サービスなどに必要な費用を払わない。など

虐待の理由はさまざまです

 虐待は、特定の人や家族に限って起こる問題ではありません。年齢・学歴・所得などに関係なく起こり得ることが明らかになっており、虐待の要因を調べても虐待のリスクが特定の人や家族にあると考えるのではなく、あらゆる人々にリスクがあるものであり、「身近なもの」と捉えることが必要です。

 背景には、都市化や少子高齢化の進行に伴い、高齢者を支える家族の単位が小さくなってきたことや、介護を受けながら生活する期間が長期化しているなどにより、家庭内の問題が起こりやすくなっている状況があります。また、虐待を見過ごし、自覚のないままに虐待をしてしまうことも要因になっていると考えらます。

 介護負担の蓄積や、支配的な夫婦関係、アルコール依存や精神障害など、多くの原因が考えられます。女性や、認知症の症状のある人が虐待されやすい傾向にあります。

「虐待かな?」と思ったら…

 高齢者に、虐待を受けているという認識や被害の訴えがあるかどうかは関係ありません。
 虐待者に、虐待の認識や悪意があるかどうかは関係ありません。
 虐待の原因は問いません。

・早期発見のポイント

 在宅における虐待は、家庭という密室で生じているため外部からは見えにくく、また、虐待者も自分が虐待をしているという自覚が無い場合があります。

 そのため、早期発見のためには、近隣住民をはじめとして、地域の民生委員や自治会などの地域組織、介護保険サービス事業者等の関係者が、虐待のちょっとした徴候に気づく視点を日頃から身につけ、適切に地域包括支援センター等の窓口に繋げられるようにしていくことが重要です。

 また、「高齢者虐待のないまちづくりを進める」ためには、高齢者やその家族が「高齢者が介護を受けながらも尊厳を持って生活すること」を具体的に理解することが必要です。そして介護がうまくいかない、ストレスや疲れが溜まっているなど、虐待に陥る危険を感じた時に、気軽に相談し、支援を求められるよう、各種機関がそれぞれの立場で取り組み発見に努めることが大切です。

・虐待事例による早期発見のきっかけ

○虐待を受けている方が緊急搬送された際、近隣住民と虐待者とのトラブルにより発見
 一人暮らし高齢者の生活機能が低下し、脱水や転倒によりたびたび救急搬送されることがあった。ある日も近隣住民の発見で緊急搬送されたが、その時に駆けつけなかった別居の姪と近隣住民の間でトラブルが発生し、市職員立会いの下に話し合いをしたところ、高齢者対応の不適切さが明らかになった。

○要介護認定調査により発見
 事業者が要介護認定調査のため訪問したが、いつも不在で連絡がとれなく、市の調査員が直接認定調査を行うこととなった。高齢者は寝たきりで、息子は朝から晩まで仕事に出ている。帰宅を待って認定調査を行ったところ、自宅内は荷物の散乱や尿臭がひどく、本人が入浴も行っていないことなど必要な介護が受けられていないことが判明した。

○介護支援専門員が隣人から相談を受け状況を確認
 介護支援専門員が隣人から相談を受け、契約のため訪問したところ、息子が「サービスの利用は考えていない」と介護支援専門員を追い返した。介護支援専門員が本人と他の家族にサービス利用の意思を確認したところ、「家に訪問介護員が入るのは拒否しているので難しい」と話していた。介護支援専門員が隣人に状況を確認したところ、高齢者は虐待を受けており警察騒ぎになったこともあることが判明、契約をすることができないと市へ相談があった。

○隣人がうめき声に気がつき市に通報
 隣人が、家の前を通った時に中からうめき声がしたので、「虐待されているのではないか」と思い、市に通報した。市(地域包括支援センター)より介護支援専門員に確認したところ、届け出はあったが在宅サービスの利用希望はなく一度も訪問していないため、同行してほしいとの依頼がある。

○高齢者が民生委員に相談
 高齢者本人より、「同居者が暴力的で怖い」という訴えが民生委員にあり、民生委員より市へ連絡があった。職員が訪問すると暴力を受け受傷したキズを発見した。

・相談先は?

 虐待の発見や、疑わしい時にはひとりで悩まず、まずはお住まいの地区を担当している地域包括支援センターや、ケアマネージャー、地域の民生委員などに相談してください。きっと解決の糸口が見えてくるはずです。

お問い合わせ

羽村市役所 福祉健康部 高齢福祉介護課 地域包括支援センター係
電話: 042-555-1111 内線195-198