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    平成28年第1回羽村市議会市長施政方針要旨

    • [2016年3月1日]
    • ID:8590
    羽村市長 並木心

    (平成28年3月1日)

    おはようございます。

    平成28年第1回羽村市議会、定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚くお礼申し上げます。

    第1回定例会の開会にあたり、平成28年度の行政運営に臨む私の施政方針について申し述べ、議会並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

    季節は三寒四温を経て、徐々に春めいてまいりましたが、満開の桜の下、大勢の皆様が集い賑わう羽村堰の情景が待ち望まれるところであります。

    今、世界情勢は、シリア情勢の緊迫化、中国経済の減速、原油安などの影響により、株価は下落し、円高傾向にあり、日銀は、マイナス金利政策の導入を決定いたしましたが、そのような中で、現在も金融市場は不安定な状況を呈しております。

    一方、政府が2月に発表した中長期の傾向を示す景気の基調判断は、「全体としては緩やかに回復している」に据え置いたものの、前月からの変化を示す現状判断は、6か月ぶりに下振れし、慎重な見方が続いております。

    このほか、中国をはじめ、アジア新興国や資源国などの景気の減速が日本経済を下押しするリスクになっているとともに、金融資本市場の変動に留意が必要とされております。

    このような状況の下、国政及び都政の動向に目を向けますと、国政においては、現在開催中の第190回通常国会において、平成28年度予算の審議が行われておりますが、経済再生、社会保障改革、外交・安全保障政策、財政赤字の立て直し、憲法改正などの重要法案や政策が争点とされております。

    また、平成28年度予算案の審議と同時並行で進められていた、約3兆3千億円の平成27年度補正予算が成立し、一億総活躍社会の実現に向けた緊急政策、TPP関連政策、災害復旧、防災・減災対策など、国民生活の安全・安心の確保、中小事業者の支援に重点を置いた切れ目のない景気対策が講じられることとなりました。

    一方、都政においては、2020年東京オリンピック・パラリンピックを起爆剤として、その後の東京都の加速度的な発展を引き起こす「大変革点」とする決意を表明するとともに、保育や介護サービス人材の掘り起し、再生可能エネルギーの使用割合の向上、災害医療拠点の整備など、「世界一の都市 東京」を実現し、ゆとりある成熟社会を目指す姿勢が示されたところであります。

    その中で、多摩・島しょの振興策としては、成熟したまちづくりに向けた環境整備と、豊かな自然を生かした地域の活性化を図るため、平成28年度においては、交通・生活基盤の充実、医療水準の向上、観光資源の開発、農林水産物の活用などを促進していくことが掲げられております。

    そして、東京都においては、2040年を見据えた新たな多摩の振興策を検討することとし、地域により特性や課題は様々であることを踏まえ、一定の地域ごとの分析・検討を実施したうえで、重点化した振興策を提示することが示されました。

    今後の多摩の振興策の進め方として、東京都の多摩・島しょ振興推進本部の下に、市町村や学識経験者などで構成する専門部会を設置し、平成29年度を目途に取りまとめる予定と聞いております。

    羽村市といたしましては、これらの動きに機敏に対応するとともに、羽村市が自立した都市として、活力と住みやすさを維持し、さらに将来にわたり発展していくため、市が抱えている課題に真正面から挑戦することにより、第五次羽村市長期総合計画に掲げる基本構想の実現に向け、渾身の力を尽くしていく覚悟であります。

    特に、平成28年度は、基本計画の前期5か年の最終年度にあたり、計画の仕上げを行う大変重要な年でありますとともに、その成果を総括し、後期基本計画へ繋げていかなければならない結節点であります。

    私は、後期基本計画の策定に向け、検討委員会と審議会を立ち上げ、「選択と集中」の考えのもと、生涯学習基本計画、長期人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生計画、産業振興計画、羽村駅西口土地区画整理事業計画などとの整合を図りながら、子育て支援と生涯学習の充実、産業の活性化、羽村駅西口土地区画整理事業をはじめとする都市基盤の整備などに取り組むことにより、羽村市に賑わいと活力の好循環を生み出してまいりたいと考えます。

    それでは、平成28年度に取り組む施政の大要を、第五次羽村市長期総合計画の体系に沿って申し述べさせていただきます。

    初めに、基本目標の1、「生涯を通じて学び育つまち」を実現していくための施策であります。

    平成28年度は、生涯学習基本計画の前期基本計画が満了し、向こう5か年の後期計画を策定する重要な時期にあたります。

    私は、循環型の生涯学習活動を人づくり、さらには、羽村市の地域コミュニティの振興に繋げ、豊かな人生を送ることのできる羽村市独自の生涯学習社会の実現に向け取り組んでおり、これをさらに強めてまいります。

    このための指針となる生涯学習基本計画は、多様で広範な学習の分野と市民の年齢層に焦点をあて、それぞれのステージにあった関心事や課題の解決に向けた生涯学習を進めることで、人と人とのふれあい、地域社会との関わりを一層育むことのできる計画として策定してまいります。

    子育て支援の分野では、すべての子どもが良質な生育環境のもとで、健やかに育ち、未来に向けて、自ら力強い一歩を踏み出すことができるよう、市民、団体、事業者等と連携し、羽村市全体で子育て家庭を応援していくことが重要であります。

    子育て支援の充実を図る観点においては、昨年から本年にかけ、市内に小児科医院、産科・婦人科医院が相次いで開業したことから、これらの医療機関と緊密に連携し、平成28年度に「病児保育事業」を新規事業として計画し、子育て家庭が安心して子どもを産み、育てられる環境を整備してまいります。

    次に、学校教育の分野では、知性・感性・道徳心、体力を育み、豊かな人間性と社会性を身に付け、明日の羽村をつくる能力や態度を羽村市全体で育てることが極めて重要であります。

    教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築を図ることなどを目的に改正された新たな教育委員会制度が始まりましたが、羽村市においては、従来から教育の政治的中立性、継続性、安定性が確保され、市長と教育委員会の連携が図られる中で、各中学校区の特色を生かした小中一貫教育実施計画に基づき、9年間の継続した教育活動を推進してまいりました。

    まず、施設整備の面では、大規模改造工事、防音機能復旧機器取替工事、トイレ改修工事、太陽光発電システム設置工事などを実施し、教育環境のさらなる向上を図るとともに、非構造部材対策として、体育館改修工事を、平成27年度からの繰越明許事業として実施してまいります。

    また、通常の学級に在籍する特別な支援が必要な児童への支援の充実を図るため、特別支援教室を本格実施するとともに、教員の資格を有する特別支援教育支援員を小学校全校及び中学校へ拡大して配置してまいります。

    そして、オリンピックイヤーとなる本年は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、市民の皆様のスポーツ実施率の向上、多文化共生への理解促進等を図っていかなければならない重要な年にあたります。

    このため、羽村市においては、新たな組織として、東京オリンピック・パラリンピック準備室を設置し、西多摩地域で実施可能な事業について、広域的に連携協力して積極的に取り組み、そのレガシーを次世代へ継承してまいります。

    次に、基本目標の2、「安心して暮らせる支えあいのまち」を実現していくための施策であります。

    まず、高齢者福祉の分野ですが、全国的な傾向と同様に、羽村市の高齢者人口は増加傾向にあり、羽村市が独自に行った推計において65歳以上の人口は、現在の約1万3千人から、24年後の2040年には、約1万7千人に至り、ピークを迎えるものと試算しております。

    このことから、年を重ねても健康で長生きできる社会の実現に向け、一人暮らし高齢者に対応したサービスの充実、地域で助けあい支え合う見守りの仕組みの充実、引き続き地域社会の担い手として活躍できる環境の創出など、健康寿命を保つための施策を積極的に展開してまいります。

    羽村市においては、高齢者支援の中核を担う「地域包括支援センター」が、要介護者等の総合相談支援や権利擁護業務等を行うとともに、民生・児童委員、友愛訪問員との連携をさらに深める中で、認知症高齢者の早期発見・早期診断の実施、安否確認、孤独感の解消等、高齢者福祉の充実に努めます。

    障害者福祉の分野においては、何らかの障害のある方が住み慣れた羽村市で、地域住民の一員として安心して暮らし続けられる共生社会の実現が求められておりますことから、障害の状況に応じたきめ細かな支援を展開するとともに、本年4月に施行される障害者差別解消法に基づき、差別や権利侵害のない羽村市の実現を目指してまいります。

    健康づくりと保健・医療の充実の分野では、「健康はむら21第二次計画」に基づき、健康づくり推進員等との連携により、各種検診やイベント等を通じ、市民の皆様の健康意識の高揚を図るとともに、特に、妊婦健康診査においては、妊婦の疾病を早期に発見し、治療に繋げていくため、検診項目を追加し、保健・医療の充実に努めます。

    次に、基本目標の3、「ふれあいと活力のあふれるまち」を実現していくための施策であります。

    不安定な気象状況が続き、地殻変動や火山活動が活発化する中、最も大切な生命を守るためには、自助の意識が一層求められるとともに、安否確認や避難誘導、倒壊家屋からの救出などの面においては、共助の取り組みを推進するなど、日頃からの防災訓練や防災教育を通じた地域の防災力を高めていくことが重要であります。

    防災の分野においては、自然災害の恐ろしさ、また、東日本大震災を忘れず、市民の皆様の防災意識の風化を防ぐため、3月11日に合わせ、羽村市独自に防災週間を設定し、啓発活動に取り組んでまいります。

    さらに、平成28年度には、被災地を直接支援するため、正規職員1名を1年間、被災自治体へ派遣していくことを計画し、被災自治体と事務手続きを進めており、今後、職員間での交流等による被災地の要望等を把握しながら、引き続き、市民、団体、事業者の皆様と連携協力した被災地支援と風化の防止及び、意識の高揚に努めます。

    次に、地域コミュニティの振興の分野ですが、羽村市では、基本構想に掲げる基本理念を「自立と連携」と定めており、引き続き、団体間の連携を緊密化し、地域全体で課題を共有して取り組んでいくことが重要となりますので、市民活動の実情に応じた支援を総合的に展開するため、「市民活動基本計画」を策定し、市民主体による市民自治の活動を促進してまいります。

    次に、地域とともに歩む魅力ある産業の育成の分野ですが、国は、人口減少と東京一極集中を是正しようと、地方創生を打ち出しております。

    地方の特性を生かした都市づくりや地域の活性化は、我が国全体のバランスに配慮した国づくりの観点からは必要と認識しておりますが、首都東京とそれを取り巻く首都圏は、政治、経済、文化などの機能が集積し、我が国全体の発展を牽引する極めて大きな役割を担っている地域であります。

    さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、競技大会を成功に導いていくためにも、首都東京は、世界の主要都市としての自覚と責任において十分な役割が果たせるよう、持続的な成長と発展を目指していかなければなりません。

    近年、少子高齢化の進行、人口減少時代の到来、経済のグローバル化、地域間・都市間競争の激化などが進行する中、羽村市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化するとともに、市内大手企業の移転、大規模商業施設の出店計画など、大きな変動の時期にあります。

    こうした社会経済情勢の転換期にあって、羽村市では、これまで工業・商業・農業・観光の各分野に分けて策定していた計画を、全分野を合わせた一体的な計画に体系づけることで、中長期的な視点から産業振興の目指す具体的な方策を示すため、新たな「産業振興計画」を策定いたしました。

    その基本理念として、「連携して輝く多彩な産業」、「安定した経営が継続できる産業」、「新たな発展にチャレンジする産業」の3つを掲げ、それぞれの産業が分野の枠を越えて連携し、産業全体として相互に補完し合うよう、振興策の強化を図ってまいります。

    次に、基本目標の4、「ひとと環境にやさしい安全で快適なまち」を実現していくための施策であります。

    環境にやさしい社会の実現に向け、より一層、省エネ・創エネの取り組みを推進することで、羽村市を成熟した環境配慮都市に発展させていくことが重要であります。

    本年度は、太陽光で発電したクリーンエネルギーを、「電気バスはむらん」に活用する「エイゼムスプロジェクト」に取り組みましたが、平成28年度においても、公共施設への太陽光発電システムの設置に取り組むとともに、街路灯のLED化、創エネ・省エネ化を図る機器等の設置費助成などにより、羽村市全体でスマート化の取り組みを進めてまいります。

    さらに、羽村市ならではの特徴的な暮らしや景観を形成する「水」と「緑」を環境面から生かすことは、都市環境に欠かせない貴重な資源であると同時に、羽村市のシティプロモーションを進めていくうえにおいても、重要であると捉えております。

    また、羽村市の水資源を最大限活用していくため、水を生かした特産品の研究・開発、水を大切にし、保全するための条例や宣言などに取り組むとともに、羽村市の魅力を高めていくため、羽村市の組織に新たにシティプロモーション推進課を設置し、羽村市の魅力発信に繋がる効果的な取り組みを企画し、積極的に推進してまいります。

    次に、自然と調和した安全で快適な都市の形成の分野では、都市基盤整備として、羽村駅西口土地区画整理事業を推進いたします。

    羽村駅西口地区については、利便性の高い駅前市街地の再編、都市施設と自然が調和した市街地の整備を図り、快適で潤いのある良好な居住環境と商業活動に適した都市環境を創出することで、地区の抱える課題を解決することが重要であります。

    本年度は、ハード事業に着手いたしましたので、引き続き、権利者をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を得ながら、移転実施計画に基づき、工事や移転を進め、事業の着実な進展を図ってまいります。

    公共交通の分野では、「コミュニティバスはむらん」が、平成27年度に運行10周年を迎え、その記念事業を開催いたしましたが、新年度においては、「はむらん」の運賃支払いにICカードが使用できるよう、機器の導入に取り組み、さらなる利便向上を図ってまいります。

    道路整備の分野では、昨年の12月議会定例会において、「羽村駅自由通路の拡幅等整備」に係る補正予算の議決をいただき、昨年12月にJR東日本と平成30年度までの協定を締結いたしました。

    これに基づき、JR東日本と綿密な調整を図りながら、店舗の移転、自由通路の無償譲渡、道路認定、拡幅工事の施工など、段階的に手続きを進める中で、早期完成を目指してまいります。

    次に、公園の分野ですが、羽村市動物公園は、昭和53年の開園以来、多くの市民の皆様や市外から訪れる皆様に愛され続け、来園者数は年間20万人を超える、特色ある羽村市の施設となっております。

    このことから、老朽化が進んでいる管理棟、外柵等の改修に着手するとともに、新たなトイレ等の設置について計画し、平成28年度から29年度の2か年事業として、防衛省の補助金を活用して取り組み、引き続き、多くの世代に愛され、親しまれる情操教育の場としての動物公園を目指してまいります。

    次に、基本構想を推進するための行財政運営の分野の諸施策でありますが、安定的な行財政を進めるための行財政改革基本計画を着実に推進し、将来の財政負担の軽減と歳出の平準化を図り、引き続き、健全な行財政運営に努めるとともに、市民・団体・事業者と行政が、それぞれの役割を担い、共に課題解決に取り組んでいくため、分かりやすい市政情報の提供、行政への幅広い年齢層の市民参画等を推進し、市民自治のまちづくりを推進いたします。

    公共施設の維持保全にあたっては、先人のたゆまぬ努力によって築かれた貴重な財産を有効活用する視点に立ち、後年度負担を見据えたバランスのよい、行政サービス基盤の再構築に努めます。

    私は、市の最上位計画である第五次羽村市長期総合計画を指針として、「自立と連携」の基本理念の下、市民・団体・事業者の皆様と連携協力し、羽村市独自の先駆的な地方創生策を積極的かつ果敢に展開することで、「ひとが輝き、みんなでつくる、安心と活力のまち、はむら」の実現に、全身全霊をささげ邁進してまいる覚悟であります。

    ここに、改めまして、市政運営に対し、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、平成28年度の施政方針といたします。

    なお、今次定例会には、当初予算案件7件、条例案件16件、補正予算案件7件、市道路線の認定案件1件、規約の変更案件2件、合わせて33件の議案をご提案申し上げております。

    よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、私の発言といたします。

    ありがとうございました。

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