世界平和は人類共通の願いですが、中学生などの若い世代が戦争について学ぶ機会は、机上での学習が中心であり、戦争を体験した人が減っていくにつれて、直接話を聞き、戦争の悲惨さや平和の大切さについて考える機会が減少しています。
青梅市と羽村市では、両市の中学生が一緒に、戦争の実相を学ぶとともに、原爆が投下された広島市の原爆体験者の方などとの交流を通して、平和に対する学びや想いを深めることを目的として、「青梅・羽村ピースメッセンジャー事業」を実施しました。
事前研修:3回
出発式
広島訪問
事後研修:2回
派遣報告会
グループワークをまじえながら、第一次世界大戦以降の世界や日本の動きなど、第二次世界大戦、アジア・太平洋戦争に至るまでの経緯と、広島に投下された原爆に関すること、原爆体験者の方からお話を聞く上でのポイントを学んだ上で、原爆体験者の方への質問事項について考えました。
青梅・羽村市外での研修として、多摩地域の戦跡である東大和市の旧日立航空機株式会社変電所を訪問し、身近な多摩地域でも戦争被害があったことを学びました。
また、本事業の協力者であり、くにたち原爆・東京大空襲体験伝承者として活動されている、沢村智恵子さんによる原爆体験伝承者講話を聴講し、原爆による悲惨な被害は一人一人の身体と心に大きな爪痕を残していることを改めて考えました。
ピースメッセンジャーが、学校関係者や保護者などに向けて、広島で学びたいことや体験したいことなどの抱負を述べ、広島訪問に向けた決意表明を行いました。
平和記念資料館や慰霊碑等の見学、原爆体験者の方から体験談を聞くこと、同年代の広島女学院中学校生と原爆投下当時のまま現存している路面電車「被爆電車」に乗り、広島市内をめぐることで、今も残る戦争の爪痕を、「見て・触れて・感じ」、戦争の悲惨さや平和の大切さを学びました。
また、原爆投下当時、臨時の救護所が設置された似島(にのしま)を訪問し、似島平和資料館や馬匹検疫所を見学しました。
派遣報告会に向けて、広島訪問を通して何を知り、感じ、考えたかを自分たちの言葉で伝えるため、グループのメンバーや指導員と議論を行いながら、発表の準備に取り組みました。
派遣報告会では、はじめにピースメッセンジャー事業での取組内容について紹介した後、広島で学び、考えたことなどについての発表をグループごとに行いました。
羽村市長、青梅市長をはじめ、学校関係者や保護者、羽村・青梅の市民の方など、計116人が参加しました。