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あしあと

    音楽だけじゃないパントマイムや落語もあり!子どもからお年寄りまで多世代をつなげる「中車水車小屋オープンマイク」

    • 初版公開日:[2023年09月21日]
    • ID:17800

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    こちらは令和元年9月に掲載した記事です。店舗について詳しく知りたい方は、最新の情報をご確認ください。

    鳴島 タカシ(市民記者:なるさん)

    広若さん、雄郷さん

    東京・羽村市にまだ残る雑木林と川と田んぼに囲まれたホッとする田舎の景色。そんな中にあるのが今回の舞台、水車のある古民家を利用した「のんびりカフェ『中車水車小屋(なかぐるますいしゃごや)』」。ここで「中車水車小屋オープンマイク」というイベントが開催されます。
    初心者からベテランまで老若男女のミュージシャンが集まり、音楽を披露すると暖かい拍手に包まれます。お客さんはいつ来てもいつ帰ってもよく、出演者は何枠出ても構わない。とても自由で温かい雰囲気のイベントです。

    全てがフリーダム!素朴なカフェの素敵なオープンマイク

    のんびりカフェ「中車水車小屋」は、羽村市の西側、江戸へ水を運んだ玉川上水の羽村取水堰から多摩川を上流に少し歩いた、春には関東最大級のチューリップ畑にもなる田んぼの脇にあります。引き戸を開けると目の前には水車の力で製粉する機構が姿を現し、一段上がって畳の間がカフェスペースになります。

    カフェスペース

    オープンマイクというと、お店ごとにロックやフォークなどある程度の傾向があって、来場者順に楽曲を演奏しますが、「中車水車小屋オープンマイク」は自由!事前にエントリーする必要はありますが、演奏者が好きなジャンルの楽曲を発表します。

    オープンマイクの日、聴きに来た人はワンドリンク付きの参加費1,000円を払って、長い一枚板のテーブルが並ぶ座敷に座ると、まもなく演奏が始まります。ステージは通路を利用していて狭いので、ギターの弾き語りが多く、そこに少し楽器が加わるぐらいの小人数で演奏されます。

    演奏

    多くの人を惹きつける「中車水車小屋オープンマイク」を始めたキッカケ

    駅から少し離れた交通の便がいいとは言えないこの場所で、なぜオープンマイクを開催しているのか。そして、多くの人が惹きつけられて集まる魅力を、オーナーの広若さんと、このイベントを一緒に企画している雄郷さんに聞きました。

    広若さん、雄郷さん

    なる こちらのオープンマイクは毎回、色んな人が出て素朴な感じが居心地いいんですが、ここで始めたいきさつを教えていただけますか?

    広若さん 実は、東日本大震災から少なからず影響を受けています。ここでカフェを始めたときから家庭と仕事以外のコミュニティ、飲食というよりはみんながつながる場、子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまでがつながる空間ができればいいなと考えていました。それから、雄郷くんに出会った頃にちょうど、ギターを習い始めたのもつながっているかな。

    雄郷さん 若い頃に下北沢のアコースティックライブバーで働いていて、そこでオープンマイクをやっていたのが、ここでも役に立っています。若いときは同じ年齢層としか喋らなかったけど、行商を始めてから、おじいちゃん、おばあちゃんとか違う年代の人達と話したときに、それぞれから感じるものがあったんです。僕は人間に興味があるんでしょうね。そして広若さんと出会って話を聞いたときに、自分に何かできないかなと考え、相談してこのイベントが始まったという感じです。


    広若さん
    なる 広若さんがやりたい事を話して、違う年齢層と触れ合うことに同じく思いを抱いていた雄郷さんが共感し、それぞれの経験を活かしたオープンマイクを始めたんですね。このイベントは奏者の年齢やジャンルが幅広いのですが、これは何か想いがあるのでしょうか?

    広若さん 実はオープンマイクと言ってるけど、歌に限らず使って欲しいの。踊りでもお話でも、表現する場として使ってもらえたらよくて、その敷居を低くしたい。下手でも一生懸命やるところから感じることがあって、見ると感想を持つ。お客さんは横に並んでるから会話が始まって、知らない者同士がつながる。そういうのが、やりたかったところかな。

    雄郷さん 最初は仲間に出演してもらったけど、人が人を呼んで、最近は羽村界隈の人が増えてきています。どういう風に聴いて、どんな拍手を受けるか。きっかけさえ作れば、あとはそこに集まる人たちが場を作りますね。聴衆が好意的に聴いてくれているから、今の空気が自然にできていて、他のオープンマイクにはピリピリした場もあって、そういうのもアリだけど、「中車水車小屋オープンマイク」は毎回平和で、こういうのもあっていいんじゃないのって思います。

    とっても温かい雰囲気のオープンマイク

    この日は16組のうち半分近くがオリジナルの楽曲で、フォーク、ポップス、ロック、ブルースなど満遍なく演奏していました。現代的な早弾きの若者から、ゆっくりなリズムのバラードまで色んな速さの曲があり、内容も土地や景色を歌ったものから恋愛まで、奏者の年代も10代から70代までと、本当に片寄らないのが面白く、聞いていて飽きません。演奏が終わると上手下手にかかわらず、温かい拍手と声援が奏者を包んでいました。

    合間には水車を回す小川のせせらぎが聞こえ、夕方になるとヒグラシや蛙の鳴き声も聞こえ始め、イベントが終わる夜には水車小屋を囲むように蛙の大合唱が聞こえる。なんとも素朴な味わいのある場所です。

    現代に求められるレトロ!人と自然と水車小屋が作り出していくもの

    なる 歌に限らず表現する場として用意してて、続けている中から自然と今の雰囲気が出来てきたんですね。「中車水車小屋オープンマイク」のこれからは、どんな感じにしていきたいですか?

    広若さん 内輪受けみたいにはなりたくなくて、音楽に限らず表現する場として、とにかく色んな人に出演して欲しい。パントマイムや落語とか、フラダンスはやった人がいるんだけど、まだ子どもだけのバンドとかが実現できてないの。これもドンドンやって欲しいんです。そういう意味ではオープンマイクという名前を変えてもいいのかもしれない。
    雄郷さん
    雄郷さん 時代の流れとは逆に向かっているけれど、ここは自然があって、生のライブだとか、直接人と話すとかアナログ的な感覚を大事にしたい。レジが自動になってミスが無くなるとか効率化が進むとか、それも大事だと思う。でも、人と人が触れるとストーリーが生まれるじゃないですか。1時間無駄話するのもきっと大事なんじゃないかな。

    日ごろ追われるように仕事をしているからか、広若さんと雄郷さんとの話は、ゆったりとした時間が流れるからホッとさせられます。
    田んぼの景色

    「杉が沢山植えられた人の手が入った山や森よりも、自然が循環している雑木林が好き。瀬戸内に旅行に行って『あぁこの景色が自分は好きなんだ』と心底思って羽村に帰ってきたら、窓の外に自分の大好きな風景がそのまんま広がっているじゃない」と笑いながら言った広若さんの話が印象的だった。

    何かを表現する場を探している方には「中車水車小屋オープンマイク」は温かくて、いいデビューの場になることでしょう。そして若者から年配の人まで包む、ホッとする景色とホッとする人間関係が水車小屋で待っています。

    INFORMATION

    中車水車小屋

    のんびりカフェ 中車水車小屋

    住所

    羽村市羽中4-17-6

    電話

    080-3573-9514

    営業時間

    • ランチタイム11時30分から午後2時30分
    • カフェタイム午後2時から午後4時30分 (土曜日・日曜日・祝日は午後5時まで)

    定休日

    毎週木曜日、第2・第4火曜日(火曜日はランチタイムのみ)、不定休あり

    のんびりカフェ中車水車小屋のフェイスブック(別ウインドウで開く)

    広若さんの羽村市おすすめポイント

    中村販売所の店頭

    中村販売所

    住所

    電話

    042-554-2225

    営業時間

    8時から午後7時

    おすすめ理由

    「根がらみ前水田」のお米を扱う希少なお店

    中村販売所のウェブサイト(別ウインドウで開く)

    雄郷さんの羽村市おすすめポイント

    Cafe 樹樹の店頭

    Cafe 樹樹

    住所

    羽村市神明台3-7-2

    電話

    042-555-1377

    営業時間

    9時30分から午後9時

    おすすめ理由

    年月を経たレトロな雰囲気

    インフォメーション

    なるさんイメージ画像

    鳴島 タカシ(なるさん) 仕事の関係で青梅市には詳しくなったが、生活している羽村市にうとくて市民記者になった。市民記者になったら結婚して一児の父となった。現在は羽村市にて子育て奮闘中。

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