ドイツ仕込みのまちのパン屋さん!? ヨーロッパのパン食文化をはむらで味わう「クレメルbyリーベンブロート」 ~My startup in はむら③~
- 初版公開日:[2023年09月21日]
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こちらは令和4年8月に掲載した記事です。店舗について詳しく知りたい方は、最新の情報をご確認ください。
伊藤 大(市民記者:だいさん)
店主の大久保さん
立ち寄った街でふと目にとまった見知らぬお店に入って、なにか新しい発見をしたことはありませんか?
東京の西方に位置する羽村市。
ここにも若い創業者がその個性を活かして作りあげたお店がたくさんあります。
連載企画「My startup in はむら」では、そんな魅力的なお店を切り盛りしている方々に、お話を伺います。
今回紹介するのは、「クレメルbyリーベンブロート」を営む大久保渉さん。長年の修行を経て、お父さまが切り盛りしていたパン屋さん「リーベンブロート」を継ぎ、店名も新たに開業したのだとか。そんな大久保さんのパンへのこだわりとその原点を伺いました。
欧風のパン屋さん
大久保さん ドイツで働いていたので、ヨーロッパっぽくしたかったんですよ。植栽もフランスの田舎の一軒家をイメージしました。
だい かわいらしい外観ですよね。窓枠も木で素敵です。
大久保さん ステンドガラスが好きで、そういうのが得意な内装屋さんに造ってもらいました。できてから2年半くらい経ちますが、古くなって味が出てきて、今でもお気に入りです。
店舗外観の写真
店舗内装の写真
ステンドガラス
大久保さん 羽村は多摩川サイクリングロードの終着点なので、ロードバイクに乗ったお客さんも来るんですよ。私もロードバイクに乗っていたので、スタンドがないと困るというのはわかるんですよね。
だい 喫茶スペースもあるので、ロードバイクの方の小休止にもいいですね。
ロードバイクのスタンド
ヨーロッパのパン食文化を日本に
大久保さん 本場のパン食文化に触れてみたい、という思いを持っていました。フランスでパン作りの修行をしたかったのですが、フランスは外国人が働くことに厳しくて叶いませんでした。そこで、知り合いのドイツ人のつてで、ドイツで働くことにしました。
だい 本場のパン食文化はいかがでしたか?
大久保さん ドイツは主食としてパンを食べる文化なんですよね。日本で言うとお米みたいなもので、おいしくおかずを食べるためにパンがあるという感じ。あと、ドイツの人は焼きたてで食べますね。朝、パン屋さんで焼きたてのパンを買って、朝食にそのパンを食べるとか。
だい 日本で言うと炊きたてのご飯をおいしくいただく感じですね。
大久保さん そういったヨーロッパのパン食文化を羽村でも紹介していきたいと思っています。ただ、日本人には馴染みがないので、サンドイッチなども「食べ方の提案」という狙いで作ってます。
おすすめのパン
大久保さん クロワッサンですね。うちのクロワッサンは生地の配合がリッチなんですよ。お菓子屋さんが作るようなクロワッサンが好きなので、こういう配合にしています。あとはバケット、ドイツパンなどのハード系です。
だい ドイツへのこだわりですね。ハード系のパンって日本人には馴染みが薄いと思うのですが、いかがですか?
大久保さん 思ったよりは受け入れられている実感があります。「おいしかったよ」って声をかけていただくこともありますし。珍しさから買ってみたけど、意外とおいしかった、というのもあるかもしれません。
だい 「クレメル」のハード系のパンを初めて食べたときに、生地の味がしっかりとしていてびっくりしたのを覚えています。ハード系のパンの見方が変わりました。
大久保さん そう言っていただけるとうれしいです。お店のコンセプトとして「パン生地がおいしいお店」というのも狙っていたので。
おすすめのクロワッサンなど
変わらない味
大久保さん ホテルでの修行で基礎を学んでいたので、父から何かを習うということはほぼありませんでした。ただ、父が記録していたレシピを見て、それを自分なりに解釈して作るということはしていました。
だい 「リーベンブロート」といえばクリームパン、という印象があり、うちの子も以前から大好きなのですが、それは今も変わらないですよね。
大久保さん やっぱり、馴染みのあるパンにも需要があるだろうと、意識的に残しています。
だい 大久保さんなりの工夫はされているのですか?
大久保さん 基本的には、味が大きく変わらないように先代と同じやり方で作ってますが、少し工夫して、生地の配合と牛乳は変えていたりします。
だい 味の方向性は維持しつつ、改善を重ねているんですね。
羽村で商うということ
大久保さん ドイツから帰って、通いでリーベンブロートで働いていたのですが、だいぶ店舗がいたんでいました。パン釜に穴があいていたり、入り口のスロープが壊れていたり。それを直すと結構いい金額になるので、それなら全面的に改装して、二世帯でここに住もうということになりました。
だい 改装のために長期間お休みしてからの再開、反響はいかがでしたか?
大久保さん 以前からのお客さんに加えて、新しい若いお客さんが増えましたね。
だい おしゃれな外観が、若い人の興味を引いているのかもしれませんね。どのようなパンが人気ですか?
大久保さん ハード系のパンは意外と年配の方が多いですね。逆に若い方はハード系ではないパンを選ばれる印象です。
だい 若い方にもハード系のパンをぜひ試していただきたいですね。今後の展望があればお聞かせいただけますか?
大久保さん 羽村のものを使った商品を出していきたいですね。今は地元のお茶を使ったクッキーを考えています。あと、羽村は小麦がとれるので、その小麦を使ったパンや焼き菓子を作ってみたいですね。
ご近所で感じる異国の香り
今回、大久保さんにお話を伺い、大久保さんのヨーロッパのパン食文化に対する並々ならぬ熱意を感じました。こんな熱意が、羽村にいながらヨーロッパのパン食文化を感じることができるお店を作り上げたのかもしれませんね。
コロナ禍でなかなか海外に出かけられない今、皆さんも海外文化に触れられる身近なお店を探してみてはいかがですか?
INFORMATION
クレメルbyリーベンブロート
所在地
羽村市五ノ神3-1-48
連絡先
042-578-0907
営業時間
7時から午後6時
定休日
日曜日、月曜日
駐車場
あり
大久保さんの羽村市おすすめポイント
お店の前の通りの眺め 冬には富士山がきれいに見えるのでお気に入りです。
インフォメーション
伊藤 大(だいさん) 1971年生まれ。ランニングとロードバイクを愛する1児の父。普段会えない人に会いたくて市民記者に応募しました。いつか、スポーツや趣味を通じて市民同士がつながるきっかけとなる記事を書いていけたらと思っています。