学生がつくる『はむら推しスポットマップ』
- 初版公開日:[2026年10月03日]
- ID:21198
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こちらは令和8年10月に掲載した記事です。
島田 岳史(市民記者:水色さん)
目白大学で心理学を専攻している学生たちが地域の課題に取り組んだ1年間
好きなものを推すように、”はむら”を推す!
「推し活」を地域振興に活かせないか? ― そんな想いから始まったプロジェクト。
主役は、心理学を専攻し、マーケティングに関心を持つ大学生。彼らが地域の魅力を可視化する『はむら推しスポットマップ』づくりに挑戦しました。
学生の「やってみたい!」を地域で形にする、産学官連携の取り組みをご紹介します。

はむら推しスポットマップってなぁに?
『はむら市民と産業のまつり』でヒアリングしたみなさんから教えてもらった「思い入れのある場所」を地図にまとめたものが『はむら推しスポットマップ』です。
はむらのみなさんの思い入れが詰まった地図、ともいえます。
心理学を学び、マーケティングに興味を持つ学生たちが、地域の方々の協力を得ながら取り組みました。2024年にスタート
ことのはじまりは2024年の春。目白大学大嶋ゼミとの産学連携プロジェクトとしてスタートしました。
この年は、アンケートやインタビューによる調査を実施し、得られたデータを分析をすることで「はむらの魅力」を探る試みを行いました。
アンケート調査には、羽村市の観光協会と市内のカフェなどにご協力をいただき、またインタビューは「はむら市民と産業のまつり2024」の来場者の方々への実施をしました。
調査の結果、少ないサンプルではありましたが、「はむらの魅力」の感じ方に世代の差があることがわかりました。
たとえば、60代の方が季節のイベントを多くあげたのに対し、10〜20代では飲食店をあげたかたが多い、といった具合です。
また、プロジェクトの初年度ということもあり、地域との関係性を深めることができたことも大きな成果でした。はむら『で』推し活!?
2年目となる2025年は、前年の結果を引き継いだうえで、若者に向けた施策という観点でテーマを検討しました。
具体的には、学生たちが興味を持っていた『推し活』をテーマとし、何ができるかを探るところから取り掛かりました。
企画スタート時点では、『はむらで推し活』をすることをテーマとしました。羽村市内での『推し活』を後押しできれば、市外からも人を呼べるのではないか、という発想です。これを実証すべく、推しのぬいぐるみを持ってチューリップ畑や桜並木など、市内を歩いて『ぬい活』に挑戦しました。
報告会資料からの抜粋
はむら『を』推し活!
しかし、もともとの目標であった「施策を通してデータを得る」ということが難しいと判断し、企画を見直すこととしました。
見直しの中で話題となったのが、学生たちが「ぬい活」で見つけた「推しスポット」。たとえば、印象的な小道や、住宅街にある素敵なカフェなどです。これらの「推しスポット」を紹介することで、はむらを推すことができるのではないか。このような仮説から、「はむら推しスポットマップ」づくりへと方向転換することにしました。
注):『ぬい活』とは推しのぬいぐるみを持ち歩いたり写真を一緒に撮るなどをすること

はむらでの推し活の様子
まちの声をどう集める?
マップを作ることは決まったのですが、「推しスポット」をどうやって集めるかが次の課題となりました。
1年目と同様に「はむら市民と産業のまつり」で地域の声を集めるため、市役所の産業振興課へ相談をしたところ、思いがけずブース出展の機会を得ることができました。

ブースの様子
学生たちが直面した壁、「はむらはなにも無い」
ヒアリングを進める中で、学生たちが直面した壁がありました。来場者におすすめの場所をたずねると、すでによく知られた定番スポットの名前が挙がることと、おすすめと言われても‥と悩まれる方が多かったこと。「はむらはなにも無い」とよく言われますが、まさにその壁が立ちはだかったのです。
そこで工夫したのが、「聞き方」でした。
「個人的に思い入れのある場所はどこですか?」
「わたしだけのお気に入りスポットを教えてください。」
こうした問いかけに変えることで、一人ひとりの記憶や物語に紐づいた場所の声を集めることができました。

「知っているようで、知らない」地元
ヒアリングを通じて、興味深い発見がありました。
市民の多くは、自分の暮らす地域について「知っているつもり」でいても、実際には地元のことを意外と知らない ― そんな実態が浮かび上がってきたのです。
同時に、「これくらい誰でも知っているだろう」と学生たち自身が見過ごしていたようなごく身近な情報が、実は多くの市民にとって新鮮で価値のあるものだということもわかりました。
この気づきから、「当たり前」と思われる情報も含めて幅広くマップに反映する方針へと調整していきました。見えてきた課題 ― 若者世代と地域
もうひとつ興味深い発見がありました。
それは、プロジェクトを進める学生たちと同世代の若者がイベントにあまり参加していないことです。子供の時は地域でのイベントも楽しめますが、年齢が上がるにつれイベントや地域との関わりが薄れてしまっているのではないでしょうか?
学生のプロジェクトらしく、若者が地域への愛着や関心をどのように持って、関わりを作れるのか?まだ、有効な施策を模索しているところですが、若者が地域に関心を持てるようなアクションを起こして行くことが、このプロジェクトの根底にあるテーマです。イベント出展で感じたこと
イベント出店を通して感じたことをあげてみます。
- マップづくりを通して、地域について話すこと自体が交流につながる。
- 観光地以外にも魅力を感じている部分が多い。
- 学生が主体的に運営や出店に携わる仕組みを増やすことで、帰属意識を高められる。
アンケート結果

アンケート結果(グラフ)
次へと続いて行くプロジェクト
『推し活』という学生にとって身近なキーワードから始まったこのプロジェクトは、学生の柔軟な発想、地域の方々の後押し、それらをつなげるデザイナーの伴走が噛み合うことで、単発の取り組みではなく「継続して進化する取り組み」へと育ってきました。
そして3年目となる2026年、学生たちが取り組んでいるのが「推しスポットマップ」を進化させアプリ化するプロジェクト。『はむら市民と産業のまつり2026』で、プロトタイプをお披露目できるように進めています。
自分たちのまちを、誰かに「推したくなる」、その新たなチャレンジを進めています。今後の展開にも、ぜひ注目してください。おわりに
「はむら推しスポットマップ」は決して派手な取り組みではありませんが、地域への愛着を醸成する試みとして、学生たちが自分たちの『好き』をひとつのカタチにすることができた成果でもあります。
「はむら」という地域を通じて得た経験が、学生たちの今後の社会生活に活かされることを願っています。
目白大学心理学部大嶋ゼミ
4年生(当時):野口瑞歩 内山萌夏 濵中玲希
3年生(当時):澁谷拓希 中野舜士 峰村優杏
掲載に寄せて
推しスポットマップの制作では、地域の皆様へのヒアリングを重ねながら、地域の皆様が大切にされている魅力を改めて発見し、それを分かりやすく伝えることを意識して取り組みました。
特に、いただいたご意見を大事にしながら掲載内容を工夫したことが印象に残っています。地域の皆様と協働しながら企画を形にする楽しさと難しさを学ぶことができました。
皆様からいただいたたくさんの温かいおすすめポイントを一つのマップにまとめる作業は試行錯誤の連続でしたが、中間発表で「知らなかった、行ってみたい」と喜んでいただけた時は大きなやりがいを感じました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
はむら推しスポットマップ・チームリーダー 野口瑞歩
目白大学 心理学部 大嶋ゼミ(産業・組織心理学ゼミ)の紹介
心理学を企業や働く人々のために役立てることを目指す「産業・組織心理学」のゼミです。
学生は複数の産学連携プロジェクトのいずれかに参加し、地域創生、企業調査や人材育成などをテーマに、現場でのヒアリングやデータ分析、企画・提案などに取り組んでいます。
企業の皆様と協働しながら実践的な経験を積むことで、心理学の専門知識を実社会で活かす力や、チームで課題を解決する力を身につけています。
プロジェクトでの役割(産学官連携)
このプロジェクトには、三つの立場の人たちが関わっています
- 学生【目白大学心理学部大嶋ゼミの学生たち】
専攻している心理学を活かし、「推し活」という興味のあるテーマを通じて地域活性化に取り組みました。
- 地域の方々【市役所、観光協会、羽村高校、市民記者など】
「はむら市民と産業のまつり」でのブース提供や、意見交換をして頂くなど、地域に関わるさまざまな方々が後押しをしてくれています。
- デザイナー【水色デザイン】
学生の挑戦を実現するため企画のサポートと、 仕事や地域活動を通じたつながりを活かして地域への橋渡し役を担っています。
デザイナーが橋渡し役となり、学生の柔軟な発想を地域・行政のリソースへとつなぐ ― この三者の協力関係によってプロジェクトが進められています。みんなのおすすめポイント
Cafe kukutata(カフェ・ククタナ)
ゼミの活動でこの街を訪れた際、何度か仲間とお邪魔しました。美味しいココナツカレーや「味噌キャラメルのシフォンケーキ」を囲んで楽しく団らんできた、大切な思い出のお店です。
地域の方々の温もりも感じられ、とても心が和みました。
ポヨリーコ(ペルー料理)
異国をそのままに味わえる店。羽村に住むペルーの方が食事やテイクアウトでやって来てスペイン語の会話も聞こえてきます。「本日のおすすめ」はスペイン語でしか書かれていないところも異国情緒をさらに高めてくれます。ここはペルーのどこかの町かもしれないと、おおらかな気持ちで食事だけでなく体験も楽しんでほしいお気に入りの場所です。
はむらは、歩いたり自転車でちょっと行くと名店があちこちに点在しているのが良いところですね。
島田 岳史(みずいろ)
2022年から羽村在住、妻と「水色デザイン」として仕事をしています。はむらに関連したデザインでは「はむら市民と産業のまつり」「プリモホールゆとろぎ開館20周年」のロゴマークやポスター、羽村市の法被など。2024年から目白大学との産学連携で地域活性化をテーマに活動、それを伝えるため市民記者に参加しました。はむらの良いところを探っていきたいです。
