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    平成25年第6回羽村市議会市長所信表明要旨

    • [2013年12月4日]
    • ID:6385
    羽村市長 並木心

    (平成25年12月3日)

    おはようございます。

    本日ここに、平成25年第6回羽村市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚く御礼申し上げます。

    定例会の開会にあたり、私の所信の一端と市政運営の状況について申し述べ、議会並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

    師走を迎え、本年も余すところ僅かとなりましたが、この一年を振り返りますと、国内外を問わず、大規模な自然災害に見舞われ、市内では、大手企業の撤退や東京多摩国体の開催など、さまざまな事象が交錯し、何か慌ただしく過ぎ去ろうとしている感がいたします。

    そのような中、国の動きに目を向けますと、政府と日本銀行による大胆な金融緩和と公共事業の拡大が、株価を押し上げ、円安を誘導する要因となり、内閣府が11月に発表した国内総生産の速報値の成長率では、4期連続でプラスを確保したものの、GDPの6割を占める個人消費や輸出の低迷により、その伸び率は鈍化しているとのことであり、国民に景気が好転しているという実感は薄く、来年4月の消費税の増税を控え、駆け込み需要やその後の反動減など、景気の乱高下が懸念されております。

    政府には、市況を刺激する政策だけでなく、雇用の増加や賃上げなど、国民が持つ将来の不安を払拭することのできる、本質的な政策の実行を強く望むものであります。

    また、本格的な少子高齢社会の到来により、社会保障の充実と安定化が求められております。

    社会保障の安定財源の確保と財政健全化を目指し、来年4月の消費税増税が決定されておりますが、逆累進性による低所得者への影響に対する不安が増大しており、国においては、その対策が必要であると考えております。

    政府は、消費税増税にあたり、新たな経済対策や低所得者対策を策定していくこととしておりますが、その効果が地域経済のみならず、国民の所得にまで及ぶ大胆な対策を講じられるよう期待するものであります。

    一方、地方自治制度に目を向けますと、基礎自治体の行財政運営に直結する地方税財政制度につきましては、地方分権の推進及び、国と地方を通じた社会保障の安定財源の確保の観点から、税源の偏在性が小さく、税収の安定的な地方税体系を早期に構築することが重要であり、その究極は、地方自治の将来を見据えた、国と地方の税財源配分の抜本的改革であると捉えております。

    現在、国においては、法人住民税の一部国税化、償却資産に係る固定資産税や自動車の車体課税の見直しなどが議論されておりますが、財源だけに着目した税制改正を行うことは、地域の活力を低下させるだけでなく、市民生活に密着した基礎的行政サービスを担う市町村の行財政運営に支障が生じかねません。

    現在の市町村の財政は、年度間の事業費の変動が大きい等の課題を常に抱えていることから、基礎自治体への交付金や補助金等の総額を削減することなく、必要額を必ず確保する一括交付金化の創設などによって、市町村の自由裁量の拡大に寄与する制度決定が重要であると考えております。

    こうした市町村の行財政運営に関わる制度設計の具体化に際しては、国と地方の協議の場において、真摯に協議が重ねられ、住民に最も身近な基礎自治体の意見が尊重され、真に地域の自主性及び自立性を高めるための地方分権改革が推進されることを強く望むものであります。

    さて、このような状況の中で編成を進めております、平成26年度予算でありますが、去る10月7日、私の「予算編成方針」を各部課長に示し、各課から提出された見積りを、現在、財政担当において、積み上げ、調整しているところであります。

    平成26年度は、第五次羽村市長期総合計画の3年目にあたり、基本構想に掲げた施策の取り組みを確実なものとしていくため、財政の健全性を維持しつつ、計画に掲げた事業を積極的に推進していかなければなりません。

    特に、羽村市の将来を見据えた重要な施策と位置付けている「市民生活の安全と安心」、「都市基盤整備」、「産業の振興」、「市民活動の活性化」、「生涯学習の推進」については、分野別の計画により、果敢に取り組むとともに、地方分権一括法に基づく権限移譲をはじめとした国や東京都の施策の見直し等については、迅速かつ確実に把握し、予算編成に確実に反映していきます。

    羽村市が自立した都市として、これからも歩み続けていくためには、少子高齢社会の進展に伴う人口の減少が大きな課題になってくるものと捉えており、行財政改革基本計画に基づく新たな歳入の確保に積極的に取り組み、財源の確保を図るなど、引き続き、健全な財政運営に努めていくこととしております。

    こうした努力を積み重ね、行政の合理化を図り、市民の皆様のニーズに沿って、真に必要な施策を展開できるよう、新年度予算を編成してまいりたいと考えております。

    それでは、ここで重要施策を中心に、市政運営の状況等につきまして、ご報告を申し上げたいと存じます。

    最初に、羽村駅西口土地区画整理事業について申し上げます。

    羽村駅西口土地区画整理事業については、本年11月5日から18日まで、道路等の公共施設の配置見直しに伴う設計の概要の変更及び、資金計画の変更に関する事業計画変更案について、土地区画整理法に基づく縦覧を行いました。

    また、これらの手続きと併行して、本年度策定する工事全体計画並びに、建物等の移転計画に基づき、平成26年度以降は、優先的に着手すべき工区等を選定したうえで、段階的な移転工事に着手していくこととしております。

    本事業は、羽村駅西口地区の将来を見据えた都市基盤整備として、数次に及ぶ羽村市長期総合計画の最重要施策に位置付けた事業であります。

    現在の羽村市は、先人たちの英断により、昭和37年に首都圏整備法による市街地開発区域の指定を受け、土地区画整理事業を基軸とした基盤整備により、快適な都市空間を創り出してまいりました。

    私は、現在の羽村駅西口地区の現状を、このまま次世代に引き継いではならないものと認識しており、人や環境に配慮し安全に通行できる道路、都市のゆとり空間としての公園・緑地の整備、集中豪雨時等の局地的な浸水不安の解消を図るなど、羽村市の玄関口としての整備であるこの事業の推進に向け、全力を尽くしていく決意であります。

    そのため、事業を進めていくにあたっては、施行者として、常に懇切丁寧に説明し、関係権利者の皆様のご理解をいただきながら、安全性、快適性、利便性に優れ、景観に配慮した総合的な都市基盤の整備に向け、事業の着実な進展を図っていく考えであります。

    次に、産業の振興に向けた取り組みについて申し上げます。

    企業活動支援員により、市内製造業の景況調査を行っているところですが、主要産業である自動車製造業は、上半期の連結決算においての純利益が、過去最高に上ったとの情報を得ております。

    特に、主力のトラックの販売台数は、顕著に増加しているとのことで、東南アジアや国内での販売が好調で、円安も利益を押し上げている要因とのことであります。

    一方、市内事業所の中には、需要の低迷に伴い受注が減少し、業況が回復しない企業も多いと聞いております。

    市内産業の景況感は、政府が基調判断を示しているとおり、大手企業を中心に改善が見られるものの、中小企業にまで波及していない状況にあり、市内企業の業績を悪化させないため、市といたしましては、中小企業を対象とした各種支援制度を積極的に活用し、引き続き、市内産業の活性化と景気対策を強力に推し進めてまいります。

    また、商業の面では、厳しい環境の下、地元の商店会の皆様が、それぞれ創意工夫を重ね、日夜、頑張っておられる現状を捉え、市では商工会とともに第5弾の商品券発行事業を検証し、新たな地域経済の活性化策について、検討を重ねてまいりましたが、個人消費を喚起していくための財政的支援として、第6弾となるプレミアム付き商品券発行事業を、本年度内に実施することとし、今次定例会に関係補正予算を提案しております。

    これまで積み重ねてきた経験により、一層、創意工夫を凝らした特典などのサービスを展開してくださる取扱店が増え、消費者である市民の皆様が地元商業者を応援する機運も高まってきているものと感じておりますので、市といたしましては、引き続き、商工会と連携し、地元商業者の経営不安を払拭し、事業者と消費者のつながりや地産地消の輪を広げる施策を絶え間なく展開していきたいと考えております。

    次に、地域防災力の向上に向けた取り組みについて申し上げます。

    台風26号による大島町の土石流災害から、1か月以上が経過いたしますが、死者の数は、35人に上り、今なお行方不明の方々がおられる中、関係者の懸命な努力にも拘らず、被災者の生活再建や、がれきの処理などが、中々、進展していない状況となっております。

    このように、近年は局地的かつ短時間の集中豪雨の増加などにより、風水害が増える一方、都市化の進行により、保水機能が低下したことなどを受け、全国各地で都市型水害が多発するようになってきております。

    そこで、羽村市においては、現在、東日本大震災の教訓を生かした地域防災計画の見直しを進めておりますが、まずは、この程、市としての水防警戒態勢及び非常配備態勢の強化を図りました。

    具体的には、災害発生が予測される場合に敷(し)く第一次非常配備態勢を、これまでの市民生活部と建設部を中心とした組織から、災害対策本部の設置を前提とした、全部課長と関係各課の職員を入れた3倍近い組織に増強いたしました。

    これは、特別警報が発表される前であっても、土砂災害警戒情報の発表や多摩川の水位が上昇した場合には、直ちに、強力な配備態勢の下で災害対策本部を設置し、避難勧告をはじめとする初動対応を講じるなど、迅速かつ適切な防災・減災対策を図っていこうとするものであります。

    今後も、多摩川の増水や立体交差などの浸水が予想される箇所については、東京都災害情報システム等を活用し、気象情報等の把握に努め、職員の巡回による状況把握を迅速に行うとともに、市民の皆様には、さまざまな機会を捉え、災害への備えに関する意識喚起に努めてまいります。

    そこで、現在策定中の、地域防災計画の見直しの進捗状況について申し上げます。

    本年7月から8月にかけて意見公募手続きを実施し、9月30日付けで、東京都に対し、計画素案を提出しておりましたが、11月12日をもって、東京都の事前確認が終了いたしました。

    現在、東京都から付された意見に対し、市の見解を提出し調整を図っている段階にあり、年内には、羽村市の防災会議を開催し、地域防災計画の改定案を決定していきたいと考えております。

    今後は、これらの作業と並行して、避難所の開設や運営に関するマニュアル及び、職員行動マニュアルの修正、さらには、事業継続計画の策定などに取り組むことで、地震や風水害などの自然災害に対し、あらゆる関係機関等と連携した防災力の結集により、その対応力を高め、防災・減災都市を築き上げていく考えであります。

    次に、生涯学習の推進について申し上げます。

    第五次羽村市長期総合計画並びに羽村市生涯学習基本計画において、地域人材の育成などに向けた学習機会の充実を図り、その成果を地域社会に還元する循環型の生涯学習を推進しております。

    市内の小中学校は、文化や学芸的な行事や活動において、子ども達の活躍や学校教育活動の成果が数多く報告されております。

    また、東京都の学力向上を図るための調査において、中学校の英語科や国語科が平均回答率を上回るとともに、東京都の理数フロンティア事業として、理科の授業において、小中学校の教員が連携して研修を行うなど、市全体で取り組んでいる小中一貫教育の推進が図られております。

    特別支援教育の充実に向けては、発達障害がある児童・生徒への支援のあり方について、東京都の特別支援教室モデル事業の指定地区として、通級指導学級の教員が巡回して指導する新しい支援の仕組みづくりに取り組んでおります。

    各学校においては、校内の特別支援体制が充実し、個人の適性に応じたきめ細やかな支援が、授業改善や学校不適応の児童・生徒の減少等に繋がっております。

    今後も、これらの施策を積極的に展開することにより、児童、生徒一人ひとりの個性と能力を最大限伸ばすとともに、生きる力を育み、豊かな人間性と社会性が身に付くよう、小中一貫教育を柱とした学校教育の充実に努めていく考えであります。

    そして、文化、芸術の面では、市民の皆様が、心の豊かさと生きがいのある人生を送り、自己実現を図ることで、羽村文化を更に高める契機としていただくため、昨年度から、伝統文化交流事業を展開しております。

    第2回目の本年度は、1月11日から19日までを「伝統文化ウィーク」と位置付け、羽村市生涯学習センターゆとろぎにおいて、琉球舞踊、津軽三味線、越中おわらを披露していただくとともに、三匹獅子舞の写真展や獅子頭の展示など、さまざまな文化を紹介し、交流を深める機会といたしました。

    今後も、誰もが生涯を通じ、あらゆる機会と場所において、個人の要望と社会の要請に対応した生涯学習活動とその成果を、適切に生かすことのできる環境の整備に努めてまいります。

    次に、環境保全の取り組みについて申し上げます。

    羽村市を未来に繋ぐ環境配慮都市として発展させていくためには、羽村市の取り組み姿勢を明確にお示しするとともに、市民の皆様の環境配慮行動を促進していく施策の展開が重要であります。

    このため、市では、本年度、従来の「環境基本計画」と「緑の基本計画」を統合した、仮称、「環境とみどりの基本計画」の策定に取り組んでおり、これまで、地域懇談会や市民や事業者の皆様、市職員によるワーキンググループの会議を重ねてまいりました。

    これは、現在の環境問題を明確化し、市民、事業者、行政が連携して課題解決に向け取り組んでいくことで、多摩川や武蔵野の面影を残す雑木林など、水と緑に恵まれた羽村市の環境を次の世代へ継承していこうとするものであります。

    新たな計画は、現行計画を継承し、かつ環境の保全を目指すため、地球環境、自然環境、都市環境の各分野において取り組むべき個別目標を設定し、具体的な施策や事業の方向性を示すことのできるものとしてまいります。

    今後は、来年の1月を目途に計画案を取りまとめ、議員各位にお示しするとともに、意見公募手続きを行い、3月には、計画として策定していきたいと考えております。

    この計画の策定により、地球温暖化対策としての省エネルギー活動の推進をはじめ、循環型社会の構築、緑地や農地の保全、公害防止、生物多様性環境の確保など、市内でさまざまな形で活動する皆様の、積極的かつ自発的な取り組みを促進し、自然と都市が調和し循環する、やすらぎのあるまちの創出に努めてまいります。

    次に、この機会に、市内のさまざまな団体のご活躍についてご報告申し上げます。

    初めに、去る10月に名古屋市において、全日本吹奏楽コンクールが開催され、羽村第一中学校の吹奏楽部が金賞受賞という栄誉に輝きました。

    羽村第一中学校の吹奏楽部は、全国の6千631校から代表に選ばれた29校の中にあって、審査員全員が最も高い評価を付ける結果となりました。

    このことは、学校をはじめ、地域ぐるみで取り組んでいる小中一貫した音楽活動の成果が、形となって表れたものと捉えており、市を挙げて賞賛すべき快挙であります。

    今回の金賞受賞は、指導者もさることながら、子ども達の日々の鍛練の積み重ねの成果であり、大変、頼もしく、今後の益々の活躍を楽しみにしております。

    次に、市内の富士みのり保育園の活躍について申し上げます。

    去る11月に山形県において、東日本に所在する30都県市を対象に、児童福祉施設給食関係者研修会が開催され、その中で、市内の富士みのり保育園が「食品衛生自主管理認証制度の取得及び更新から学んだこと」をテーマとして、先進事例の発表を行いました。

    厚生労働省では、子どもの食を通じた健康づくりの一層の推進を図るため、各地域の児童福祉施設における食育の推進、栄養管理の改善などを主な狙いとして、研修会を開催しており、今回、先進事例に選ばれた富士みのり保育園は、食の安全・安心の確保に関し、東京都が定めた認証制度の取得を受けている、300施設の一つとして、平成24年度の「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞されておられます。

    事例発表においては、子ども達の健やかな心身と豊かな人間性の育ちを願って、食事の時間を特に大切にしていることや、毎日の食事を季節の行事に結び付けた食文化を通じて、健康な身体と豊かな心を育むさまざまな取り組みの様子が紹介され、他の保育施設の模範になったと聞いており、富士みのり保育園の先進的な取り組みに敬意を表させていただきます。

    さて、このような状況の中、9月から10月にかけて開催されました東京多摩国体についてご報告をさせていただきます。

    東京多摩国体については、関係各位のご理解とご協力の下、盛大かつ無事に終えることができ、この場をお借りし、改めて厚く御礼を申し上げます。

    羽村市においては、4日間で延べ11試合を開催し、1万2千人余の来場を得ることができ、おもてなしブースや農産物直売所での特産品の販売や飲料水の無償提供等を通じて、羽村市の魅力を発信する良い機会に繋がったものと捉えております。

    優勝は、山形県となりましたが、どの試合も手に汗握る白熱した展開となり、選手と応援する人が一体となって躍動する様子から、スポーツの持つ素晴らしさを改めて実感したところであります。

    この大会を契機として、誰もがスポーツに親しみ、子どもや若者に夢と希望を与えることのできる地域社会を創造していく中で、引き続き、市民の皆様が世代を問わず、健康に過ごすことのできる環境の創出に努めてまいります。

    以上、るる申し上げてまいりましたが、現在の世情は、国内外を問わず、社会経済状況が混迷を極めておりますが、私は、どのような状況下にあっても、市民の皆様に最も身近な基礎自治体の長としての責務を全うし、日々の暮らしに直結する喫緊の課題を中心に、真正面から取り組み、基本構想に掲げている将来像の実現に向け、不断の努力を重ねていく決意であります。

    ここに、改めまして、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

    なお、今次定例会には、条例案件2件、補正予算案件2件、人事案件1件、道路認定案件1件、規約案件3件、合わせて9件の議案をご提案申し上げております。

    よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。

    以上で私の発言を終わります。

    ありがとうございました。

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