全国の空き家総件数は現在も増え続けており、2023年には7戸に1戸だった空き家が、10年後には4戸に1戸となってしまうと予測されています。
空き家の原因として、親が亡くなり、子どもが実家を相続したものの、すでに別の住居を購入済みで必要ない場合や、家と家族の思い出が結びついているという情緒的な理由から、家を処分できない等のケースが挙げられます。
また、相続の際に親族間の意見が合わずに相続トラブルへと発展し、遺産分割協議や手続きに時間がかかってしまい、その間の維持管理の費用も含め誰が負担をするのかが決まらず、適切な管理ができないまま放置されるといった問題も原因の一つです。
実家を相続した後に、その実家を「親はどうしてほしかったのか」「子はどうしたいのか」といった「親子間での意思伝達の不十分さ」が空き家になってしまう原因の一つとなっているといいます。
そのため、親族間で揉めて空き家にしないために、今からでも家族で話し合いをすることが重要です。
空き家の推移と将来予測
そこで推奨されているのが「親子会議」です。
家族・親族全員を集めて話し合う機会をつくり、いざというときに実家をどうしてほしいのか、親が子にしっかりと想いと考えを伝え、子の意見も聞いたうえで方針を決めておくと、相続と活用がスムーズとなり、実家が空き家になることを防ぐことにつながります。
「親子会議」のタイミングは、お正月やお盆、ゴールデンウィークなど家族全員が集まりやすい機会が良いと思われます。
親子会議では全員が現在の家屋の状況を把握し、今後実家をどうしていくのかを十分に話し合った上で検討していきましょう。
1.【実家の現状】
不動産登記の内容や土地の境界線、修繕が必要な箇所など、実家に関する情報を共有しておきます。相続の際に思わぬトラブルになってしまうこともあるので、しっかり確認することが必要です。
2.【誰が相続するのか】
親は実家を誰に相続させるのか、相続後どうしてほしいかなど率直に伝えましょう。
話し合いをせずに相続すると、子どもたちは空き家となった実家の片付けや解体、売却に必要以上の罪悪感を抱いてしまい、活用に踏み切れず苦しむケースが多くあります。
子が実家を相続する場合、自分が住んだり人に貸したりして残したいのか、維持は大変だから売却して手放したいのかなど、子なりの思いや考えを伝えましょう。相続に関する会議は相続人、被相続人全員が集まり、全員が納得する形で結論を出すことが重要です。
羽村市では、空き家に関する相続、維持管理、解体、賃貸、売却といったさまざまな悩みに対応するため、民間事業者と協定を締結し、空き家に関する総合相談窓口を設置しています。この窓口では、空き家の管理方法や活用方法について相談でき、必要に応じて専門家を紹介してもらうことが可能です。