世界平和は人類共通の願いですが、中学生などの若い世代が戦争について学ぶ機会は、机上での学習が中心であり、戦争を体験した人が減っていくにつれて、直接話を聞き、戦争の悲惨さや平和の大切さについて考える機会が減少しています。
青梅市と羽村市では、両市の中学生が一緒に、戦争の実相を学ぶとともに、原爆が投下された広島市の被爆体験者の方などとの交流を通して、平和に対する学びや想いを深めることを目的として、「青梅・羽村ピースメッセンジャー事業」を実施しました。
事前研修:3回
広島派遣代替事業:2回(広島とのオンライン交流)
グループワークをまじえながら、第一次世界大戦以降の世界や日本の動きなど、第二次世界大戦、アジア・太平洋戦争に至るまでの経緯と、広島に投下された原爆に関すること、原爆体験者の方からお話を聞く上でのポイントを学んだ上で、原爆体験者の方への質問事項について考えました。
また、多摩地域の戦跡である八王子市の浅川地下壕を訪問し、浅川地下壕ができた背景等を解説いただき、身近な多摩地域でも戦争被害があったことを学びました。
新型コロナウイルスの急激な感染拡大に伴い、急遽、広島への派遣を中止し、オンラインで広島の原爆体験者の方、広島女学院中学校等とつなぎ、事業を実施しました。
オンラインではありますが、原爆体験者の方のお話を直接聞き、質問をするという双方向のやりとりを通じて、戦争の悲惨さや平和の大切さを学びました。
広島女学院中学校生との交流では、現地で案内していただく予定であった、平和記念公園の慰霊碑等について説明していただいた後、広島女学院中学校生が今まで学んできた平和学習の内容、これから自分たちがどうしていくべきかなどについて発表を聞き、意見交換を行いました。同世代と交流を行うことで、戦争を繰り返してはならないと再認識する体験となりました。
多摩地域でも戦争の被害があったことを学ぶために、東大和市にある旧日立航空機立川工場変電所を見学しました。
太平洋戦争末期には複数回の空襲を受けて多くの死傷者が出ており、工場には、弾痕などの空襲の爪痕が残っています。参加者たちは、建物の歴史などの解説を受けました。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、令和2年度は事業を中止、令和3年度は事業内容を変更して実施しました。
今年度こそは広島への訪問を実現したいとの思いで、事前研修から熱心に取り組んできましたが、感染拡大状況などを鑑み、急遽、訪問を中止することとなりました。
残念ながら広島を直接訪問することはできませんでしたが、平和への思いを絶えさせることなく紡いでいくため、自分たちの地域で平和に関する知識を学び、またオンラインを通じて広島の原爆体験者の方々との交流を行うことができました。
また、多摩地域の戦跡を見学することで、身近な地域での戦争について学びました。
オンラインを活用して戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぶことができたこと、他校の生徒たちとも思いを共有できたことは、参加者にとって、貴重な経験となりました。