日時 令和3年10月7日(木曜日) 午後7時から午後9時10分
会場 羽村市役所東庁舎4階特別会議室
出席者
【委員】会長 島田哲一郎、副会長 金子憲(※)、委員 石田正弘、江本裕子、志田保夫、市川二三男、田村義明、中村洋子、山下忠義、橋本富明(※)、佐藤元信(※)、池上三喜子、大竹恒平(※)、堀江秀徳、片山昇、山田崇人(※)、伊藤大、成沢崇志、木下智実、平野麻紀(敬称略)
(※)リモート参加
【説明員】副市長、教育長、企画総務部長、財務部長、市民生活部長、福祉健康部長、子ども家庭部長、生涯学習部長、生涯学習部参事
【事務局】長期総合計画担当主幹、長期総合計画担当主査、長期総合計画担当主任、企画政策課長
欠席者
なし
議事
傍聴者
1人
配布資料
第8回羽村市長期総合計画審議会 配布資料 データ(次第および議事部分の資料について、データで公表します)
(長期総合計画担当主幹)
本日は、リモート参加による会議の形式を導入し、説明員である市の部長職は議題の内容に関連する職員のみの出席としている。
1. 会長あいさつ
(会長)
お忙しい中、羽村市長期総合計画審議会へ出席いただき、感謝申し上げる。緊急事態宣言も解除され、新型コロナウイルス感染症の状況も良い方向に向かっている。第六次羽村市長期総合計画の策定も中盤から終盤に差し掛かっている。
本日、さまざまな議事があるが、慎重かつ円滑な審議をお願いする。
(長期総合計画担当主幹)
本日、傍聴を希望する方は1人である。
(会長)
傍聴を許可してよいか。
(各委員)
了承。
(会長)
傍聴を許可するので、入場をお願いする。
2. 審議会委員紹介
<長期総合計画担当主幹から、新たな審議会委員および長期総合計画検討委員会委員を紹介>
3. 議事
(1)羽村市基本構想について
(長期総合計画担当主幹)
本日の審議会は、リモートで参加している委員が5人おり、会議の進行にあたっては、最初に会議室の委員から意見等をいただき、その後リモートで参加している委員に意見等をいただく進行としたい。
それでは議事に入る。羽村市長期総合計画審議会条例第5条の規定により、会長が審議会の会務を総理することとされているため、ここからの議事進行は島田会長にお願いする。
(会長)
それでは、議事の1項目め「羽村市基本構想について」、事務局から説明をお願いする。
<事務局より、資料1「羽村市基本構想」、資料2「羽村市基本構想の修正箇所と原案との対照表」について説明>
(会長)
意見等はあるか。
(市川委員)
基本構想策定の趣旨の下から4行目に「市と市民・事業者が」とある。第五次羽村市長期総合計画における並びとは異なっているが、理由を教えていただきたい。
(長期総合計画担当主幹)
基本構想は「市行政の総合的かつ計画的な運営を図るための指針」として市が主体となって策定するものであるため、「市」を最初に置き、その上で、第六次羽村市長期総合計画では市民、事業者と一緒にまちづくりを進めていくことを表すため、現在の並びで整理している。
(伊藤委員)
羽村市議会の基本構想審査特別委員会において、基本構想の期間が10年間ではスピード感が無いため、8年間が良いという意見があったとのことであるが、10年間という長期的視点で基本構想を掲げることに意義があると考えており、10年間となって良かった。基本計画や実施計画の中で、年度単位や3年、5年をスパンとした中間目標を適切に設定することで、スピード感を出せるのではないか。
(長期総合計画担当主幹)
基本構想の下に位置づけられる基本計画、実施計画について、ご意見でいただいた視点を持って策定することで、スピード感を持った対応ができると考えている。
(会長)
その他、意見等はあるか。
(委員一同)
意見無し。
(会長)
意見等が無いため、以上で「議事(1)羽村市基本構想について」、審議を終了する。
(長期総合計画担当主幹)
審議会委員に本案についてご同意いただいた。修正後の基本構想をもって、基本計画および実施計画の策定へと進んでいくこととする。
(2)第六次羽村市長期総合計画 基本計画(案)について
(コンセプト「自分らしく生きる」)
(会長)
議事の2項目め、「第六次羽村市長期総合計画 基本計画(案)について」、事務局から説明をお願いする。
<事務局より、資料3「第六次羽村市長期総合計画 施策の体系について」、資料4「第六次羽村市長期総合計画 施策の体系一覧(令和3年9月30日現在)」、資料5「第六次羽村市長期総合計画 基本計画(案)の見方」、資料6「第六次羽村市長期総合計画 基本計画(案)(コンセプト『自分らしく生きる』)」について説明>
(会長)
これからのまちづくりの方向性が、基本計画案として示されている。基本計画をもとに、毎年度の予算の状況を踏まえ、取り組んでいく事業については、実施計画として取りまとめられることとなる。
意見等あるか。
(伊藤委員)
「実現を目指す未来の姿」が、基本計画における目標ということでよいのか。
(長期総合計画担当主幹)
この部分では、基本構想に掲げている「将来のまちの姿」の実現を図るための具体的な事項を定めている。基本構想よりも具体的な内容となっており、「どういったまちや暮らしが実現していると、基本構想で描いた将来像の実現につながるか」という観点で記載している。
(伊藤委員)
基本計画における目標として理解した。
目標の現状がどうなっているのかという点が、「まちづくりの指標」という理解でよろしいか。
(長期総合計画担当主幹)
未来の姿を描いたうえで、その実現のために必要なものを施策と方向性として記載し、最後に、コンセプトの進捗を測るための指標として、「まちづくりの指標」を記載している。
(伊藤委員)
「まちづくりの指標」について、10年後、どのレベルになれば及第点と考えているか。
(長期総合計画担当主幹)
市民の満足度を記載しており、その時々の社会経済状況なども関わってくるため、個々の項目の上下動による評価は難しい。長期総合計画 基本計画の計画期間は5年間のため、5年で効果を測ることとなる。毎年度市の取組みは変化するため、最終的な全体の評価としては、個々の項目ではなく、コンセプト全体としてどのように進捗したのかを評価したいと考えている。
(伊藤委員)
5年経過した際に、振り返りを行うことができるような形で策定した方がよい。
(池上委員)
施策3の「ともに生き、助け合うまち」に記載されている各項目は、大事な支援である。要配慮者への対応として、独居の高齢者や高齢者のみの世帯などへの支援については、普段から連携できていないと、災害の時に急に対応できるとは考えづらい。ケアマネジャーやホームヘルパーなどは支援対象を把握しているが、近所の人はどのように支援したらよいか分からない状況であるという話を聞いており、近所の人へのフォローが必要ではないか。
高齢者のみの世帯の人などは、亡くなってから発見されるまでに時間がかかるようなケースもある。現状起きている課題を把握した上で支援に取り組んでいくということについて、市民に対して説明を行う必要がある。「言うのは簡単だが、実際は大変なことである」という点を市民全体で把握していなければいけない。
(志田委員)
町内会の副会長を務めているが、羽村市全体で、町内会等から退会する人が多い。昔は子どもが大勢いたが、高齢化が進んでいる。町内会等の役員になることを忌避して、退会したいという人もおり、ほとんどの世帯が加入していない地区もあると聞く。
羽村市全体の町内会等の加入率も低い状態にある。そういう現状を羽村市としてどう考えているか。老々介護をしながらの状態では町内会等の加入すらままならない。そういう状態で、羽村市の暮らしやすさを作るためにはどうしたらよいか。
(市民生活部長)
町内会の加入率は令和3年4月1日現在で33パーセントであり、毎年低下している状況である。新規の加入者の減少もあるが、高齢化により役員を務められない等を理由として退会したいという人が増えているという点が、加入率の減少の大きな要因である。地域コミュニティの活性化のために、行政と町内会等が連携して、加入策だけでなく、退会防止対策に取り組んでいる。
(伊藤委員)
私も町内会の副会長を務めているため、町内会の現状を把握している。施策4の方向性2に「町内会・自治会をはじめとした、地域の活動に興味を持ち、市民相互のつながりが増えるよう、気軽に参加しやすい環境づくりの支援に取り組みます」と記載があるが、第五次羽村市長期総合計画とほぼ同様の内容である。町内会等の活動が厳しい状況にある中で、長期総合計画に記載する方向性についても、ドラスティックに見直すべきではないか。
(市民生活部長)
地域の中心に町内会等があるが、退会する人が多く、入会する人が少ない状況にある中で、各町内会等で、会費の免除、役員の条件指定などの対策を取っており、地域のために、少しでも役に立ちたいと入会する世帯もある。地域コミュニティの中心であることを踏まえ、羽村市としても支援していきたいと考え、第五次羽村市長期総合計画と同じような内容となるが、このように記載している。
(伊藤委員)
計画を策定していく中で、具体的かつ抜本的な対策を考えていきたい。
(山下委員)
第五次羽村市長期総合計画の策定の際にも意見したが、町内会等の行事がほとんど変わっていない現状がある。行政からの助成金で行う行事と、独自の行事があるが、参加率はどれ位なのか。高齢化によって活動がままならない現状がある。「盆踊り大会」という名称を「納涼祭」に変更するなどの対策をしているが、現実には上手く対応しきれていない。
町内会への未加入者に話を聞くと、防災への関心は高いようである。例えば清流地区では羽村市立東小学校を避難所として設定するのが適切かなど、町内会ごとに関心のある議題がある。高齢化などが原因で年間行事をこなすだけで精いっぱいの状況があるため、年間行事の見直しを町内会連合会と協力して行い、重点を決めて町内会等での対策などに取り組んでいただきたい。
(市民生活部長)
さまざまな行事を市から町内会等に依頼している。例えば、羽村市市民体育祭については、高齢化が進み、高齢者が出席できない状況を踏まえて、町内会連合会も含めて、あり方を検討しているところである。町内会単独で実施している行事については町内会等での見直しを行っていると思うが、羽村市としても、今までと同じ行事を行うのではなく、状況に合わせて行事の見直しを図っていきたい。
(市川委員)
本日、良い意見をいただいたので、町内会連合会の会長として、今後の取組みに反映させていきたい。羽村市市民体育祭についても、プロジェクトを立ち上げて見直している。はむら夏まつりも、高齢化が進む中で課題が出てきており、見直しを行っている。池上委員からも話があったが、災害時の要避難者を、共助として町内会等で対応するのは当然だと思うが、会員が減っており若者が少なくなっている状況がある。
会員の減少の要因についても意見をいただいているが、時代の変化が根底にある。今は70歳でも仕事をしている人がおり、仕事を辞めた時には高齢者になっている状況であり、昔とは異なる。町内会等は、退会者が多い状況にもあり、各町内会長も、加入者を増やすために苦労をしている。今年になってから、町内会長の会議が一度しか行われていないが、本日の意見を町内会連合会に持ち帰って、盛り上げていきたい。ぜひ、皆さまからの支援をお願いする。
(平野委員)
時代が変わる中で、加入者が減っているという共通認識がある。私は、市内に夫婦で暮らしているが、町内会には加入していない。町内会等の活動には感謝しているが、働いている世代には活動に関わるための時間がなく、年配の方々に対応していただいている状況である。それは今後も変わらないと考えられる。男女ともに家事をするようになったり、労働時間の長時間化や、女性が地域にいる時間の減少といった社会の変化があるため、家庭以外のことを行う時間が夫婦ともに減っていると感じる。
町内会という形をアピールし続けて、町内の活動を中心にすることについて、考え直してはいかがか。防災の面での町内会等の役割は大きいが、その部分を町内会以外の団体で担うことはできないのか。そういった対応をしている自治体がないか、市としても調査してほしい。
基本構想の「私たちが大切にする想い」の中で、「『人と人とのつながり』を大切にします」と記載しており、町内会のような、偶然同じ地域に暮らしている人々が、一緒に活動していくことが良いまちであるという考えがあるのだと思う。基本計画案の施策4に「市民や町内会・自治会などの各種団体による、地域コミュニティなどでの活動」とあるが、町内会等の役割を重視して、長期総合計画内でアピールすることが必要なのか。関わりを希望しない人もいる中で、別のイメージを掲げていく方法も一つである。防災が町内会等の存続の意義なのであれば、他のシステムを積極的に考えてほしい。実際にうまくシステムを考えることができれば、羽村市の大きな魅力になるのではないか。
(長期総合計画担当主幹)
他市の事例は把握していないため、確認したい。審議会の委員にも共有している、市民ワークショップでの市民の意見、子育て世代の意見の中では、つながりを求めている意見が多くみられた。特に子育て世代では、子育てをする中で、つながりに安心感を感じている状況があると認識している。ICTを含め新しい技術が出てくるなど、社会に大きな変化がある中で、地域の中でのつながりが大事であると考えて、基本構想を策定している。
今後5年間、10年間で、大きな変化があると考えられるが、現状は町内会等の役割は重要なものであり、羽村市としても大切にしていきたいと考えている。ただ、今後まちづくりを進めていく中で、どういった形のつながりを市民が求めているのかを把握した上で、さまざまな取組みを検討していく必要がある。
(平野委員)
町内会への加入がプレッシャーにならない住環境を実現できるようになると、もっと住み良いまちになる。
(池上委員)
要配慮者名簿を作るなどの対応が必要となった場合などは、町内会等に対応が求められることになるが、退会者が増えている状況は全国的にも同様である。過去の災害の被災地などに行くと、要配慮者名簿がしっかりと整備されているところは助け合いがうまくいっていた。以前は名簿に関して、内閣府から、一般の人には見せず、鍵をかけて管理するように指示されていたが、それでは役立てることはできない。日頃から必要な人には情報提供をして、要配慮者が住んでいる場所を把握してもらうことで、助け合いができる仕組みを作っていく必要がある。
施策4の方向性1の2項目めに「多様な手法による交流の場を創出することなどにより、地域の中で人とのつながりを作るための支援に取り組みます」とある。平野委員の意見のとおり、町内会等だけでなく、人とのつながりが出てくると、支援がうまくいく。安心してSOSを出せるような仕組みを作っていくと良い。「遠い親戚よりも近くの他人」という言葉にあるように、周りの人が助けが必要な人を支援できるような環境を作っていくことが大切である。ここで掲げられている取組みは良いことである。
(木下委員)
顔の見える関係が大事であるという点については、以前から言われている。時代の変化がある中で、町内会等が依然として大事だと言われ続けている状況がある。大事なのであれば、物理的に近い距離関係の中で顔が見える関係を築くことの良さを出していかなければいけない。町内会等に関わっている人には、意義があるのはわかるのだろうが、関わりを持つ人が減少する中で、目に見える良さを共有できる社会にしていかなければいけない。歴史的に見ても、近くの人たちと一緒に小集団を作って、社会を変えていく事例はあったと思うが、町内会等の存在がプレッシャーになる部分もある。若い人がなぜ入らないのかという点について、しっかり向き合っていくことが大事である。
(伊藤委員)
池上委員の意見については、町内会等だけでなく、隣の人と挨拶できる関係を構築することが大切であるという点が主なポイントであり、町内会等を大事に守っていかなければいけないという意見ではなかったと認識している。その点が「町内会・自治会をはじめとした」という点に表れており、町内会等への加入のプレッシャーが強い表現とはなっていない。
一方で、木下委員の意見のとおり、近所付き合いに対して煩わしさを感じるような価値観を拾い上げてはおらず、否定しているようにも感じられる。価値観の多様性を考慮した上で、方向性に反映させていくべきである。
(木下委員)
市として、市民にこうしてほしいということは出してもよいが、多様な価値観とバランスをとっていくのは難しい。近所の人と仲良くなるための機会は行政が作り出していくのではなく、個人で対応していくものではないか。共生社会をつくる、つながりをつくるといった点を計画の中に記載するのであれば、つながりをつくるための新しい手法を考えていく必要がある。町内会等での活動が減少していく中で、今後の検討が必要である。
「自分らしく生きる」の中にも「持続可能」という文言がある。関連するSDGsの目標として、「質の高い教育をみんなに」と「働きがいも経済成長も」が入っていない。この部分は、一つのコンセプトに対して、どういった想いを持っているかが見えやすくなる箇所であり、「自分らしく生きる」は福祉的な視点が取り入れられているコンセプトとなっているため、入れるべきではないか。
(長期総合計画担当主幹)
SDGsの関係は、木下委員の意見を踏まえて、再検討したい。
(市川委員)
町内会関係の意見を多くいただいた。これからの活動の参考にさせていただき、加入拡大に努めたい。若い世代にプレッシャーをかけることはない。町内会等に加入することで、地域の人同士であいさつや会話、交流ができる関係を作れるようになってほしいと考えている。
災害、防災だけが町内会等の活動ではなく、子どもや高齢者の見守りなどにも取り組んでいる。その辺りを理解していただき、多くの人が気軽に加入できるようにしていきたい。
(池上委員)
平野委員、木下委員から若者の代表としての意見をいただいた。行政の対応に関する話があったが、住民が自ら発案できるようになってほしい。町内会等に対する忌避感には理由があると思う。「こういうことをやりたい」という点について、若者を中心に話し合って、羽村市から取組みをスタートできると良い。
また、そういった取組みがスタートできた場合には、取り上げられるか否かは別として、メディアに対してアピールしてほしい。そうすることで、責任感を持って取組みの進捗状況を確認することにつながっていく。目標に近づけるように、市民で盛り上げていくという姿勢が大事である。
(会長)
本日出し切れなかった意見は、メールで10月10日(日曜日)までに事務局へ提出してほしい。
ここで5分程度休憩としたい。
<5分間休憩>
(コンセプト「成長をはぐくむ」)
(会長)
次に、「成長をはぐくむ」について、事務局から説明をお願いする。
<事務局より、資料6「第六次羽村市長期総合計画 基本計画(案)(コンセプト『成長をはぐくむ』)」について説明>
(会長)
意見等はあるか。
(平野委員)
今後の審議会の中で、具体的な事業に関する提案をする場はあるのか。
(長期総合計画担当主幹)
この場でご提案いただきたい。
(伊藤委員)
施策3の方向性2の1項目めに「子どもから高齢者まで、世代を超えて交流し、ともに学び合うことができる機会の創出に取り組みます」とあるが、具体的にどういった取組みを想定しているのか。
(長期総合計画担当主幹)
現状も、市内では社会教育関係団体や市民活動団体などさまざまな団体が活動している中で、幅広い年代の人同士が関わりを持ちながら活動している団体もあると把握している。そういった団体に対して支援を行ったり、一緒に活動することを通じて、子どもから高齢者までの交流を形作ることができる。また、保育園でも高齢者施設を訪問するなどの交流がある。地域の中でさまざまな交流を作ることができるような取組みを考えていきたい。
(池上委員)
関連する取組みとして、防災分野で成功している取組みとしては、大田区蒲田での取組みがある。新しい体育館ができた時に、防災の要素を取り入れた運動会を始め、毎年行われている。幼児から高齢者まで参加し、参加が難しい人も観覧席で見ることができる運動会である。最初は説明しても活動を理解してもらえる人が少ないなど、大変な状況はあったものの、それを乗り越えて、毎年行われている。資料は次回提供したい。
(伊藤委員)
既存の取組みもある中で、新しい取組みも検討していくということで理解した。
施策2の方向性2に「時代の変化を見据えた教員研修に取り組みます」とある。具体的にどういったことを想定しているのか。
(生涯学習部参事)
例えば、教師主導型の授業から子どもたちが主体的に学ぶ方向に転換する中で、どういった授業が求められるのかを考える教員研修を行った。また、より具体的な例だと、一人一台端末が推進される中で、従来の情報教育の推進を目的とする研修ではなく、授業の組み立ての中で、子どもたちの学びにつなげていくためにはどのような方法があるのかといった研修など、時代に即した教員研修の内容を考えていく必要がある。座学での研修ではなく、ワークショップなど主体的な研修に変えていくなど、さまざまなことに取り組んでいきたい。
(江本委員)
私も伊藤委員から質問のあった部分を聞きたいと考えていた。学校教育の充実の中でも、教員研修は欠かせないものであり、「時代の変化を見据えた教員研修」という点は記載してほしい。それと同時に、大きく教育が変わりつつある中で、これまで培ってきた教育の普遍性、「不易と流行」という言葉のうち、「不易」の部分はこれからも教員に引き継ぎながら、新しいものを取り入れていってほしい。「不易」の部分も記載をすることで、内容は充実してくるのではないか。
羽村市の学校では、農業委員の甚大な協力のもと、田んぼ体験を行っている。あの場は子どもから高齢者までの交流の場であり、高齢者が子どもたちにとってのヒーローとなり、尊敬の的になる。あのような場は羽村市にぜひ残していただきたい。
(石田委員)
稲作体験の後、2つの小学校ではより進んだ内容を含んだ授業を行っている。あの場は羽村市にとって一番の財産である。農業的な観点では、今後相続の機会が来る中で、用途を変えない限り、住宅が建ってしまうため、都市計画の面からも問題を考えた上で、後世に残していきたい。
(木下委員)
「子どもたちが生きる力を身につけるまち」の中に「学校教育の充実」とある。そして、施策2のリード文には、「デジタル技術を活用した確かな学力の育成」とある。デジタル技術によって学力が上がるのではないかという期待がある中で、危険性を感じている。2012年のPISA(国際学力調査)に関する分析では、デジタル媒体を活用した子どもの方が学力が低下する傾向があるという結果が出ていた。実証データが少ないため、断言してよいかは分からないが、学力が下がる可能性について、懸念が残る。「これからに必要な学力」といった表現がよいのではないか。デジタル技術に関する教育を進めて学力が下がった場合、結局詰込み学習に戻ってしまうのではないか。先を見据えていく必要がある。
「小中一貫した教育活動」については現在取り組んでいるが、一貫による効果について考えていくべきではないか。施設が分離している中で、どこまで一貫でできるのか。文部科学省でも「一貫」という表現をしているため、難しいところではあるが、「連携」ではなく、「一貫」としていることに、どのような意図があるのか。
(生涯学習部参事)
デジタル技術を活用した場合、成績が伸びるのかについてはさまざまな意見があるが、単に基礎学力の定着の部分のみに着目するのではなく、端末を使うことで、深い学びができるようになる。自分の意見を端末に入力するとクラスの生徒同士で意見を共有し、そこからフィードバックしあうことで、生徒同士の関係性の中で、主体的かつ深い学びにつなげることができ、今もそういった取組みを展開しているところである。
その中で、生きる力を身に着けるための確かな学力を育成することや、基礎的な部分を繰り返すなど、子どもの学力向上に適した問題を提供する方法を検討していかなければいけない。PISA(国際学力調査)の結果は下がっているが、日本での端末の活用が進んでいなかったために、入力方法が不得手であったなどの要因が示唆されている。今の子どもたちは、大人になった時に当たり前のようにデジタル機器を活用するようになると考えられ、そういった中における確かな学力の育成が必要である。
小中一貫については、羽村市で先進的に取組みを進めてきた中で、ここで一度見直しをしようと校長会とも話をしている。小中一貫教育を進めてきたが、9年間の学びで、どこでつまずきやすいのか、どういった系統で学びを進めていくべきなのかなど、校舎が分離していたとしてもできることを考えていくべきである。教師でなく生徒も、中学校卒業のゴールの時点で必要な力から、現在の学びの必要性を理解できるようになるなど、小中一貫した教育のために、考えていきたい。
(木下委員)
カリキュラムも小中一貫に沿った形で対応していくということでよいか。内容が公開されるのか、どうかが気になる。また、「確かな学力」に結びついている言葉については、学力低下について議論される際に反対意見として出ているものであるため、言葉の解釈が難しい。「デジタル技術を活用した」というのであれば、生きる力を出していっても良いのではないか。
デジタル技術を活用する場合でも二通り使い方があり、一つはドリルを解くなど、いわゆる完全習得型学習での活用がある。先ほど生涯学習部参事から話のあった共同的な学習については、どの程度実現できるのかが気になる。
(生涯学習部参事)
公開時期は未定であるが、小中一貫教育のカリキュラムをどう作っていくかを検討することとしており、来年度の教員の研修体制を変更することとしている。
デジタル機器の活用に関しては、子どもたちが、端末を家で一人で使用するのではなく、学校の中で端末を使用するということを踏まえて活用していきたい。そうした取組みの中で、子どもたちの学習に伸び悩みがみられる場合には、完全習得型学習での活用を検討していきたい。
(中村委員)
施策3の方向性1「だれもがいつでもどこでも学習できる機会の創出」に、「市民一人ひとりが、豊かな人生を送ることができるよう、文化、芸術、スポーツなどの学習機会の提供に取り組みます」と記載がある。「など」には何が含まれているのか。「豊かな」というと文化、芸術、スポーツが満たされれば、豊かな生活には感じられる。「子どもたちが生きる力を身につける」とあるが、大人になっても生きる力をつけなければいけない。
生涯教育として、ゆとろぎなどで講座が行われているが、文化・芸術や健康の分野に集中していて、生きる力、生活する力を学習する機会が減っているように感じる。成長していくにしたがい必要となってくる能力であるのに、疎かになりがちである。「など」の部分を膨らませて、施策の中に取り入れてほしい。
(山下委員)
施策2の方向性2の2項目めに「特別な支援を必要とする児童・生徒の自立や社会参加に向けて、多様なニーズに応じた学びの機会が提供できるよう取り組みます」とあるが、多様なニーズを把握する前に、子どもたちのそれぞれの個性を受け入れた上で、家庭内の悩みごとなどへ対応する体制を充実させて、相談ニーズに対応していくことが重要である。コロナ禍でコミュニケーションを取る機会が減少し、学校生活に悩みを抱える生徒が増えているように感じる。相談をしやすい体制、相談先がわかるような状態があると良いという意見を聞いている。
生徒の個性に応じて、相談を受け、ニーズに応える体制が重要である。実施計画などでそういった観点を取り入れるか、基本計画の文章を見直してほしい。
(生涯学習部参事)
子どもたちが心にいろいろ抱えている現状がある。「多様なニーズに応じた」とあるが、子どもたち一人ひとりの思いを聞き、保護者の考えを聞いていくことが大切である。特別支援学級、通常学級ともに面談を重要なものとして位置付けている。
また、今年度はコロナ禍もあるため、子どもに対して、相談できる大人がいるかアンケートを取ったが、「誰もいない」という回答もあった。そういう子どもたちに対しては、スクールカウンセラーなどが中心となって、働きかけを行っている。また、学校で話すことができない子どももいるため、電話、LINEで相談できることを紹介している。大切な取組みであるため、今後も対応していきたい。
(山下委員)
アンケートに関しても、「誰を書いたらよいか」という相談を受けている。本当は担任の先生に相談できるのが良いが、拒否感を持っていることがある。相談できる人を広く周知するように検討してほしい。
(島田会長)
以上で「成長をはぐくむ」の審議を終了する。続いて、「自治体運営の方針」を審議する。
(「自治体運営の方針」)
<事務局より、資料6「第六次羽村市長期総合計画 基本計画(案)(『自治体運営の方針』)」について説明>
(島田会長)
意見等はあるか。
(伊藤委員)
施策1の方向性1の3項目めに「手続き上の疑問などの問合せが手軽にできるよう、ICTやAIなどの先端技術を活用した利便性の高い行政サービスの提供に取り組みます」とある。行政と市民との間で、ICTを活用するといった話かと思うが、業務の効率化のために、行政の内部でICTを活用する方向性はあるのか。
(企画総務部長)
業務の効率化については、方向性2の3項目めにある、「行政需要を踏まえつつ、行政サービスの見直しや行政事務の自動化、さまざまなデータの活用を図り、職員定数の最適化に取り組みます」という部分に含まれており、AI、RPAといった技術を取り入れて効率化を図っていくことを想定している。
(伊藤委員)
こういった点について、民間事業者・メーカーの取組みが先に行っている。例えば紙ファイルが机上から無くなるような事務処理を行うことができると事務がより効率化されると考える。
(田村委員)
行政サービスについて、依然として、部署ごとに縦割りになっていて、市民がたらい回しにされている状況がある。市民ニーズに合っていないため、縦割り行政を見直してほしい。部署間で横のつながりを持つことができれば、一つの窓口を訪れるだけで済むのではないかという意見をいただくことがある。時代の流れとして変えてもらいたい。特に高齢者などからはたらい回しにされたという話を聞く。
(木下委員)
記載されている内容は共感できるものであり、この内容が実現した社会になってほしい。また、田村委員からも意見のあったとおりスマートになってほしい。
ICTの活用をする場合、人員は増員されるのか。専属職員をつけたり、予算をつけていくのか。勤務先でICTの担当をしているが、加配が無く、業務量が増えて大変である。忙しさに忙殺されてしまって取組みが進まないともったいない。せっかく良い気運が生まれているので、しっかりと目標を達成してほしいが、そのための人員配置、予算配分は可能なのか。
(企画総務部長)
田村委員の指摘について、縦割りの弊害が無いように取組みを進めているが、常に改善は図っていきたい。
木下委員から意見のあった行政のデジタル化について、人材、財源の確保は重要であり、課題であると考えている。デジタル化には、高度な知識や経験が必要とされるため、外部の人材の活用や、業務委託で民間の力を借りるなどで対応し、予算については、厳しい財政状況の中、既存の事業の見直しなどで予算を捻出し、割り当てていきたい。
(金子副会長)
昨日、自治体運営の方針部分について、羽村市行政改革審議会でも議論を行った。委員からは、「まちづくりの指標」について、方向性としては良いが、羽村市の財政状況は厳しく、基金残高が毎年4億減っている状況にあり、意識を持って改革を進めていく必要があるという意見があった。
市民の満足度の向上は重要であるが、1ポイントでも上がれば良いということではなく、例えば市民からの4段階評価をより良い評価になるようにということを分かりやすく目指したほうが良いという意見があった。5年間ごとの評価ではなく毎年度評価するなど、指標の設定や評価の方法を検討してほしいという意見もあった。
(中村委員)
デジタルデバイドの解消に取り組むとあるが、簡単にできるのかと感じる。デジタル化が進んでいくほど、ついていくことができない人が出てくる。文章として書くのは簡単であるが、実際にどうやって取り組んでいくのかと感じてしまう。コロナ禍では、各種手続きの申請に苦労している人が大勢いた。具体的にどういったことに取り組むのか、見えるようになるとよい。
(長期総合計画担当主幹)
民間の携帯会社と連携しながら、スマートフォンの使い方を地域の人に伝える取組みを行っている。そういった取組みを積み上げる中でデジタルデバイドの解消を図るとともに、少子高齢化が今後も進んでいくため、それ以外の方法も取っていく。どういった取組みができるかを明示することはできないが、デジタル化が進行するほど、行政による対応が必要な人も増えることとなる。その点を踏まえながら、これからの計画期間においても取組みを立案し、行っていきたいと考え、記載している。
(山下委員)
施策1の方向性1に「利便性の高い行政サービスの提供」とある。デジタル化が進んでも役所に来なければ申請できない手続きがある中で、自宅で申請できる、近所のコンビニで手続きできるシステムを構築してほしい。市民に使い方を教えるのではなく、自宅周辺で手続きが完了するように、環境整備に努めてほしい。高齢化が進むと市役所に来るのが難しくなる。決済も自宅で完結できるようにしてほしい。
次回審議する「にぎわいを創る」や羽村駅西口土地区画整理事業と関連するところで、立川市、昭島市、福生市が駅周辺のまちづくりを民間の総合デベロッパーに委託して進めているが、リソースとして、メリット、デメリットはどうなのかについて、羽村市でも検討されているのかを調査し、次回の審議会で聞かせていただけると、審議会での議論を深めることができる。
(長期総合計画担当主幹)
デベロッパーへの委託の件については、内部で調整したい。
1点目については、マイナンバーカードがあれば、コンビニでの住民票の取得が可能となっている。最終的には、市役所に来なくても申請等が完結できるようにすることが目標であると、庁内でも議論しており、必要性は認識している。そういった視点を持って行財政改革の取組みを進めていきたい。
(中村委員)
施策2の方向性3の1項目めに「市の財産を民間事業に貸し出し、使用料収入などによる自主財源の確保を図ります」とあるが、具体的にどういったことか。
また、方向性2の4項目めに「受益者負担の適正化の観点から、公共施設や行政サービスの一部有料化、使用料等の見直しに取り組みます」とある。受益者負担の適正化という点をどう考えたらよいのか。誰が受益者なのかを把握できず、施設などが特定の人の利益のためだけに使われていると捉えられてしまうかもしれない。施設には多様な目的があるが、特定の個人の受益のためと捉えられて、観点がずれないように、しっかりと考えていただきたい。
(財務部長)
市の資産としては、土地、建物、自動車などがある。市の持っている資産を民間に貸し出したり、売却することなどにより、財政の健全化を図っていく。道路や公園を貸し出すのは難しいが、土地、自動車などを活用し、民間に貸し出しをして、自主財源を確保していくことを目指して、このように記載している。
受益者負担の適正化については、長期間議論されている。使用料や手数料などに、事務などに要する費用を一部上乗せして徴収していくことが、受益者負担の適正化の観点から進められている。全てを税金で賄うのではなく、使っている人が一部の費用を担っていくという考えで進めるものである。
(平野委員)
「実現を目指す未来の姿」に、「市役所が、より便利で身近な存在となり」とあるが、誰かの便利は誰かの不便になる。「あらゆる世代にとって、便利で身近な」と変えると、あらゆる立場の人に配慮をする姿勢を示すことができる。
(長期総合計画担当主幹)
いただいた意見をもとに再度検討していきたい。
(島田会長)
以上で「自治体運営の方針」の審議を終了とする。
3. その他
(長期総合計画担当主幹)
次回の羽村市長期総合計画審議会は10月29日(金曜日)午後7時から開催し、残りの3つのコンセプトである「スマートにくらす」、「にぎわいを創る」、「くらしを守る」を審議する予定である。
本日の会議で伝えられなかった意見は事務局までメール等で連絡していただきたい。その後、11月12日(金曜日)、12月3日(金曜日)に審議会の開催を予定している。新型コロナウイルス感染症の状況や基本構想の審議状況を踏まえて、2度審議会を延期しているため、追加の開催を依頼する可能性がある。その場合は、日程調整をさせていただく。
島田会長には円滑に進行していただき感謝する。また、委員には、長時間にわたり審議をいただき、重ねて感謝する。本日はこれで閉会とする。