ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という虫が持つナラ菌という細菌が樹木に感染し引き起こす、木の伝染病のことをいいます。近年全国的な拡大を見せており、樹木が大量に枯死するなど、被害が増加しています。
ナラ枯れは、雑木林の特徴的な樹種であるコナラやクヌギ、シイ、カシといったブナ科の樹木に発生する病気であり、雑木林の面影を残す緑地を広く有する本市内においても被害が多発しています。
▲ナラ枯れにより枯死したコナラ
▲カシナガ虫に侵入されフラス(木くず)が堆積したコナラ
カシノナガキクイムシは、体長 4.3mmから4.7mm のとても小さな虫です。ナラやカシ、シイなどブナ科樹木(どんぐり の木)の中でナラ菌を増やし、その菌を食べて、 一生を過ごします。
ナラ枯れの対策としては、樹木にカシナガを侵入させない、また、侵入された樹木から新たにカシナガを飛散させない、という防除を行うことが望ましいですが、対象となる樹木は膨大に存在し、すべての樹木にこれらの対策を講じることは困難です。
そのため、基本的には侵入され、枯死してしまった樹木を伐採し、焼却等によりカシナガを駆除するという方法により対応することとなります。
侵入された樹木はすべて枯死するわけではなく生き残る樹木もあり、これらの樹木はその後被害を受ける確率が低くなるという可能性も研究により示唆されていることから、被害木の症状を十分に観察し、伐採処理をするだけではなく、可能な限り樹木を保存する対策を施し、次世代へ繋げられるように努めていきます。
ナラ枯れの詳細については下記のウェブサイトをご参考にしてください。
市では、ナラ枯れの被害状況について調査を行うとともに、情報提供のあった公園・緑地のナラ枯れ被害樹木で、枯死木を優先して伐採処理を実施しています。また、根元にフラスなどが確認できる樹木については、経過観察を行い、被害拡大を防止する措置を実施しています。
令和6年度の調査及び市に提供された情報をもとに、市内公園・緑地で見つかったナラ枯れ被害樹木で枯死木23本の伐採処理を実施しました。詳しくは、下記の令和6年度実施箇所図をご覧ください。
令和6年度 実施箇所図
実施年度 | 対象箇所数 | 対象箇所 *括弧内は実施本数 | 実施本数 |
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令和4年度 | 7カ所 | 富士見公園(1本)・小作緑地公園(13本)・稲荷緑地(3本) 水木公園(12本)・グリーントリム公園(1本)・しらかば児童公園(1本) 武蔵野公園(6本) | 37本 |
令和5年度 | 2カ所 | 水木公園(18本)・羽加美緑地公園(2本) | 20本 |
令和6年度 | 3カ所 | 小作緑地公園(6本)・武蔵野公園(9本)・宮前樹林地(8本) | 23本 |
令和7年度については、これまでと同様に市内の全公園・緑地を対象とした被害状況調査を実施した上で、被害を防除するための伐採作業の実施や啓発事業に取り組み、市内公園・緑地のナラ枯れ被害樹木の情報提供の強化を図る予定です。