先人たちは多摩川が形成した河岸段丘上にくらし、武蔵野台地を切り拓いて今日の羽村を築いてきました。その歴史は、多摩川と切り離して考えることはできません。そこで展示全体を貫くメインテーマを「多摩川とともに」としました。
メインテーマでもある「多摩川とともに」を、最初のコーナーのタイトルとしても掲げました。
ここでは、羽村の自然や地形と多摩川との関わりを通して、縄文時代から江戸時代までの羽村を振り返ります。
地形模型・縄文土器・石器・縄文時代の景観再現模型・板碑・まいまいず井戸現況模型・阿蘇神社棟札・鍛冶遺跡出土品・村絵図・村明細帳ほか
江戸・東京へ生活用水を送りつづけていた玉川上水。
羽村の歴史は、この玉川上水の取水口が置かれたことによって大きな影響を受けてきました。
長大な土木構築物である玉川上水の仕組みを解き明かしつつ、上水の管理を通して経済力・情報収集力を身につけ、企業家的な性格を持っていった羽村の水番人の足跡を追います。
江戸時代の水門(実物大再現)・江戸時代の羽村堰再現模型・上水で使われた木樋と井戸・御用留(ごようどめ)・明治初期の鉄製水道管・現在の水門(実物大再現)ほか
明治から大正にかけての養蚕の隆盛、恐慌による生糸・繭価の暴落、村の荒廃、第二次世界大戦終結後の農地解放と村の立て直し、首都圏整備法などのもと、有畜農業へ転換し、区画整理・水道敷設による都市建設を進めていくまでの、近現代の羽村の歩みをたどります。
大正から昭和まで28年間書き続けられた小説『大菩薩峠』。作者中里介山は明治18年(1885)に羽村で生まれました。
中里介山の生涯と作品の世界を資料と映像でつづります。