入母屋造り茅葺きの旧下田家住宅は、弘化4年(1847)に建築されました。間取りは典型的な広間型で、江戸末期の一般的な農家の様子をよく表しています。また、この家で使用されていた養蚕用具や生活什器類も、当時の生活を物語る貴重な資料です。この民家1棟と生活用具1,210点が重要有形民俗文化財に指定されています。
現在は、郷土博物館の敷地に移築復元されており、自由に見学することができます。屋内の囲炉裏には、今でも毎日火を熾して、人が生活している状態にしています。
人口の増加した江戸へ水を送るため、承応2年(1653)に開削された上水です。
現在の玉川上水も上水としての機能を維持しています。杉並区の浅間橋までは開渠の堀が残っており、その先も上部が公園や道路になっているものの堀自体は残されています。羽村から取水された多摩川の水は、一部が第3水門から小作浄水場と村山・山口貯水池に送水され、残りは小平監視所から東村山浄水場へ送られ、それぞれ東京都民の水道水となっています。多摩川からの水が途絶えた小平監視所からは、東京都の清流復活事業によって高度下水処理水が流されています。この水も、暗渠になった杉並区高井戸あたりで神田川に放流されています。
また、上水沿いには緑道が整備され、一部区間を除いて散策を楽しむことができます。小金井公園あたりは、「名勝小金井(サクラ)」の指定区間と重複し、春には満開の桜の下を歩くことができます。
阿蘇神社の宮司を務める宮川家の住宅です。主屋の建築年代は明らかではありませんが、民家様式から19世紀前期頃に建てられたと推定されています。当初の構造は茅葺きの入母屋造りの変形六間型でしたが、生活様式の変化に伴い、小規模な改造がされています。近世から存続する社家の住宅としても貴重で、都内でも珍しい市内最古の民家です。
納屋は、主屋に隣接して明治初期に建てられています。もとは宮司の隠居所と伝えられており、屋敷構えの主要な構成要素として貴重な建物です。
(注意)現在も住居として使用しているため、内部は一般に公開はしていません。ご見学の際は、充分にマナーをお守りください。
これらの国指定文化財のほか、ヒノトントンZOO(羽村市動物公園)には特別天然記念物(タンチョウ、土佐のオナガドリ)、天然記念物(日本鶏)が飼育されています。