AZEMSプロジェクトとは、電気バスはむらんを中核として、羽村市の地域特性にあったスマート交通システムを構築していくものです。
平成26年度と27年度にかけて、市庁舎の陸屋根部分に太陽光発電(以下「PV」といいます。)設備を設置して再生可能エネルギー供給源とし、この電力を二次電池に蓄電した上で、市内路線バスである「電気バスはむらん」用の既設EV用急速充電器、一般電気自動車(以下「EV」といいます。)用の急速充電器及び市庁舎にPV電力を供給するシステムを構築しました。
AZEMS(エイゼムス):All Zero Emission Mobile System(オールゼロエミッションモービルシステム)の頭文字を組み合わせた造語です。
※AZEMSプロジェクトは、公益財団法人日本環境協会より交付された環境省間接補助事業である平成26年度二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金(先導的「低炭素・循環・自然共生」地域創出事業のうちグリーンプラン・パートナーシップ事業)を受けて、羽村市が独自に行っている先導的な事業です。
AZEMSは運輸部門の低炭素化、特に空間スペースの限られる都市部に適したものとして、太陽光発電、多段的に配したリチウムイオン蓄電池によるアシストと2基の急速充電を連携制御することで、太陽光発電容量を2分の1までダウンサイジング(低容量化)しました。
また、二次電池を導入することで、不安定なPV電力を安定化して供給するとともに、余剰するPV電力を市庁舎に用いて商用電力を抑制(特に最大需要電力の抑制、ピークカット)することを可能としました。
これによって、市庁舎に供給されている商用電力を再生可能エネルギーによる電力に代替することにより、エネルギー起源の二酸化炭素を削減するとともに、電気バスはむらん及び一般ユーザーEVの二酸化炭素排出量をゼロ化し、真にゼロエミッションのEV交通システムを創出することができました。
なお、商用電力が途絶した場合においても、PVと二次電池を有効に活用して、EV用急速充電器の稼働、市庁舎へのPV電力供給を確保しています。EV(電気自動車)は、電気を使って走行する自動車ですので、自動車からは二酸化炭素や排気ガスは排出されません。
しかし、商用電力(電気事業者から購入する電力のこと)を使用し、充電して走行した場合、商用電力の構成により二酸化炭素の排出量が関係してきます。
商用電力が燃料を用いた発電による電力(例えば火力発電)であれば、二酸化炭素を排出するため、これを用いて走行するEVも二酸化炭素を排出していることとなります。
これらのことから、EVの真のゼロエミッションとは、EVに使用する電力の二酸化炭素排出係数をゼロにして、初めて成立すると言えます。
AZEMSプロジェクトによって、庁舎の商用電力の一部を再生可能エネルギー(太陽光発電を採用、以下、太陽光発電は「PV」といいます。)化した場合、二酸化炭素換算値にて、年間31トンの削減効果を見込んでいます。
太陽光発電設備の概要
定置型二次電池設備の概要
電気自動車用急速充電設備の概要
電気バスはむらん用急速充電設備の概要
※削減量及び削減率は長期的にみて平均的に削減できる量として計算しています。
※施工中に、太陽電池モジュールの型式変更が生じたことから、PV容量は53.2キロワットとなりました。
☆太陽光発電によって購入している商用電力の削減によるCO2の削減量は年31トンです。
しかし、AZEMS(エイゼムス)によるスマート交通システム全体の効果では、次のようになります。
合計で年約100トンのCO2を削減
☆太陽光発電の電力によるCO2削減効果が、AZEMS(エイゼムス)では増えます!
☆ガソリンなどの燃料を使用する自動車に乗ることを控えて、「電気バスはむらん」を利用すればする程、CO2を削減する効果は増えます!
(1)「電気バスはむらん」が太陽光発電の電力で走るようになりました。自家用車や社用車の利用を控えて、電気バスはむらんを利用すればするほど、二酸化炭素排出量が削減されて、地球にやさしい、エコな羽村になっていきます。
(2)市役所での電気自動車の急速充電が太陽光発電の電力で行えるようになりました。市役所利用の際に、お出かけの際に市役所の一般電気自動車用急速充電器を利用すると、二酸化炭素排出量が削減されて、地球にやさしい、エコな羽村・社会になっていきます。
(3)市役所庁舎の商用電力の最大電力使用量と電力使用量が削減され、市役所の電気代の削減と、二酸化炭素排出量の削減になり、地球にやさしい、エコな市役所になっていきます。
(4)市役所に設置された太陽光発電の電力だけで稼働する(マイクログリッド化)システムのため、商用電力のような送電ロスがないため、地球にやさしい、エコな市役所になっていきます。
(5)マイクログリッド化されたシステムのため、災害等で商用電力が途絶えても(停電)、充電設備と防災設備の一部は使えます。電気自動車からの電力供給により、災害時の自走可能な移動電源も確保しました。
「電気バスはむらん」は、日野自動車株式会社のポンチョ・ロングボディ(EV)を用いており、保有台数は1台です。
【運行開始】
【運行形態】
【電気バス運用状況】
全長 | 6,990センチメートル |
全幅 | 2,080センチメートル |
全高 | 3,100センチメートル |
最高速度 | 60km/h |
動力 | 永久磁石同期型モータ150kW |
バッテリー | リチウムイオン35kW |
電費 | 0.7kWh/km |
備考 | 定員36名(運転手含む) 座席数11 使用コース:羽村中央コース |
補助金 ・電気自動車による公共交通グリーン化促進事業(国土交通省) ・地球温暖化対策等推進のための区市町村補助金(東京都環境局) | 85,118,000円 |
電気バス導入経費(日野自動車株式会社) | 73,582,000円 |
充電設備導入経費(JFEテクノス株式会社) | 11,025,000円 |
その他経費 | 2,080,000 |