市の財政は極めて厳しく、令和3年度の市税収入は過去30年で最少となった令和2年度を下回る状況となりました。
歳出については、新型コロナウイルスワクチン接種事業をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策事業などの実施により、一般会計の決算規模は過去2番目の大きさになりました。
こうした状況の中、地方交付税、地方消費税交付金などの歳入の増に加え、全庁を挙げた事務事業の見直しによる経常経費の削減やコロナ禍における事業の中止・縮小による歳出の減などにより、経常収支比率は、前年度決算から8.8ポイント改善し91.4%に、令和3年度末の市の貯金である基金残高は、約30億円を確保しました。
しかしながら、こうした数値の改善は、一時的なものと推測され、今後新たな行政課題などに対応していくためには、未だ財源不足が懸念されます。また、扶助費などの経常的な支出は年々増加していることから、財政健全化は引き続き喫緊の課題となっています。
歳入総額は、265億5,611万円で、前年度に比べて32億844万円(10.8%)の減となりました。
市の主な収入源である市税については、市民税個人分は、収入の減少や所得控除、税額控除の増加などにより前年度に比べて1億140万円(2.8%)の減となり、市民税法人分は、景況の悪化が市内企業の業績に影響したことなどにより、1,994万円(5.1%)の減となりました。
市税全体では100億2,356万円で、前年度に比べて9,942万円(1.0%)の減となり、歳入全体に占める市税の割合は37.7%で、前年度を3.7ポイント上回りました。
歳出総額は、251億2,302万円で、障害福祉サービス費などの扶助費が増加したことに加え、新型コロナウイルスワクチン接種事業や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金などの新型コロナウイルス感染症対策を実施したことにより、コロナ禍以前と比べ、歳出の規模は大きなものとなりました。
一方で、前年度における特別定額給付金(約55億円)の支給が終了したことなどにより、前年度に比べて36億6,711万円(12.7%)の減となりました。
【性質別経費の主な増減要因】
歳出を使い道に着目して分けた「性質別経費」の主な対前年度比増減要因は、次のとおりです。
人件費(議員などの報酬、職員の給与など)新型コロナウイルスワクチン接種事業の実施に伴う医師等への報酬の増加などにより増となりました。(+3.6%)
扶助費(子育て世帯や障害のある方などを援助するための経費)住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の増加などにより増となりました。(+17.1%)
物件費(需用費・委託料などの消費的経費)新型コロナウイルスワクチン接種事業の実施に伴う接種委託料の増加などにより増となりました。(+9.8%)
補助費等(団体などへの助成金や一部事務組合負担金など)特別定額給付金や市内共通商品券発行事業補助金の減少などにより減となりました。(▲61.7%)
繰出金(特別会計へ支出する経費)国民健康保険事業会計への繰出金の増加などにより増となりました。(+0.7%)
投資的経費(社会資本形成となる建設事業費)スイミングセンター天井等改修工事の完了などにより減となりました。 (▲41.0%)
区分 | 歳入 | 歳出 | 歳入歳出差引額 | |||
歳入決算額 | 対前年度増減額 | 歳出決算額 | 対前年度増減額 | |||
一般会計 | 2,655,611 | ▲ 320,844 | 2,512,302 | ▲ 366,711 | 143,309 | |
特別会計 | 国民健康保険事業会計 | 586,493 | 8,182 | 570,495 | 10,388 | 15,998 |
後期高齢者医療会計 | 135,259 | 998 | 130,366 | ▲ 1,346 | 4,893 | |
介護保険事業会計 | 391,981 | 4,494 | 382,593 | 9,174 | 9,388 | |
羽村駅西口土地区画整理事業会計 | 114,554 | ▲ 46,153 | 106,389 | ▲ 44,121 | 8,165 |
多様なニーズに対応した保育事業
市制施行30周年を記念する取組み
災害時の情報伝達手段の強化【防災行政無線(固定系)デジタル化整備工事】
五ノ神会館空調設備等改修工事