令和4年度は、個人所得の増加や製造業を中心とした市内企業の業績が上向いたことなどにより市民税が増加し、歳入全体としては前年度から0.2%の増加となりました。
一方歳出は、効率的・効果的な事業の執行に努めましたが、物価高騰や社会保障費の増加などの影響を受け、前年度から1.2%増加した状況にあり、市の財政は依然として厳しい局面にあります。
不透明な社会経済状況の中、今後の財政需要を踏まえ、引き続き、持続可能な財政運営を目指して、行財政改革を推進し、経常経費の抑制と財源確保に努めていきます。
区分 | 歳入 | 歳出 | 歳入歳出差引額 | |||
歳入決算額 | 対前年度増減額 | 歳出決算額 | 対前年度増減額 | |||
一般会計 | 2,660,443 | 4,833 | 2,541,899 | 29,597 | 118,544 | |
特別会計 | 国民健康保険事業会計 | 578,748 | ▲ 7,745 | 559,938 | ▲ 10,557 | 18,810 |
後期高齢者医療会計 | 150,849 | 15,590 | 149,319 | 18,953 | 1,530 | |
介護保険事業会計 | 404,647 | 12,666 | 394,328 | 11,735 | 10,319 | |
羽村駅西口土地区画整理事業会計 | 140,622 | 26,068 | 135,694 | 29,305 | 4,928 |
富士見小学校屋上防水および外壁改修工事
武蔵野小学校体育館改修工事
シルバー人材センター空調機器取替工事
歳入総額は、266億443万円で、前年度に比べて4,833万円(0.2%)の増となりました。
市の主な収入源である市税については、市民税個人分は、営業所得をはじめとした個人所得の増加により、前年度に比べて9,693万円(2.8%)の増となりました。市民税法人分は、市内企業の業績が製造業を中心に上向いたことが反映され、前年度に比べて8,518万円(23.0%)の増となりました。
市税全体では103億3,430万円で、前年度に比べて3億1,074万円(3.1%)の増となり、歳入全体に占める市税の割合は38.8%で、前年度を1.1ポイント上回りました。
項目 | 令和4年度 | 令和3年度 | 比較 | 伸び率 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
市税 | 10,334,299 | 10,023,560 | 310,739 | 3.1% | 38.8% |
地方交付税 | 764,623 | 733,199 | 31,424 | 4.3% | 2.9% |
地方譲与税などの交付金 | 2,191,635 | 2,170,688 | 20,947 | 1.0% | 8.2% |
保育料などの負担金 | 84,294 | 80,718 | 3,576 | 4.4% | 0.3% |
使用料および手数料 | 374,820 | 365,780 | 9,040 | 2.5% | 1.4% |
国庫支出金 | 5,974,458 | 6,546,851 | ▲ 572,393 | ▲ 8.7% | 22.5% |
都支出金 | 3,697,769 | 3,556,687 | 141,082 | 4.0% | 13.9% |
繰越金・繰入金・諸収入など | 2,788,535 | 2,086,122 | 702,413 | 33.7% | 10.5% |
市債 | 394,000 | 992,500 | ▲ 598,500 | ▲ 60.3% | 1.5% |
合計 | 26,604,433 | 26,556,105 | 48,328 | 0.2% | 100% |
歳出総額は、254億1,899万円で、学校などに係る普通建設事業費や基金積立金が増加したことに加え、新型コロナウイルスワクチン接種事業をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策事業や燃料価格・物価高騰対策を実施したことなどにより、前年度に比べて2億9,597万円(1.2%)の増となりました。
項目 | 令和4年度 | 令和3年度 | 比較 | 伸び率 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
議会費 | 235,345 | 241,384 | ▲ 6,039 | ▲ 2.5 | 0.9% |
総務費 | 3,551,590 | 3,373,468 | 178,122 | 5.3 | 14.0% |
民生費 | 11,841,512 | 12,494,882 | ▲ 653,370 | ▲ 5.2 | 46.6% |
衛生費 | 3,043,873 | 2,738,307 | 305,566 | 11.2 | 12.0% |
労働・農林・商工費 | 467,431 | 422,045 | 45,386 | 10.8 | 1.8% |
土木費 | 1,906,571 | 1,830,219 | 76,352 | 4.2 | 7.5% |
消防費 | 762,080 | 924,917 | ▲ 162,837 | ▲ 17.6 | 3.0% |
教育費 | 2,806,620 | 2,320,737 | 485,883 | 20.9 | 11.0% |
災害復旧費 | 0 | 0 | 0 | 0.0 | 0.0% |
公債費 | 801,906 | 775,496 | 26,410 | 3.4 | 3.2% |
諸支出金 | 2,064 | 1,565 | 499 | 31.9 | 0.0% |
合計 | 25,418,992 | 25,123,020 | 295,972 | 1.2 | 100.0% |
一般会計歳出決算額254億1,899万円を、令和5年1月1日現在の住民基本台帳人口5万4,504人を基に市民1人あたりに換算すると、46万6,370円になります。
民生費 | 217,260 | 高齢の方や障害のある方、保育などの福祉の充実などに |
総務費 | 65,162 | コミュニティの振興や行政運営などに |
衛生費 | 55,847 | 市民の健康を守ることやごみ処理などに |
教育費 | 51,494 | 学校教育や文化・スポーツ振興に |
土木費 | 34,980 | 道路や公園、市街地の整備に |
消防費 | 13,982 | 火災や地震などの災害に備えて |
公債費 | 14,713 | 市が借入れた市債などの返済に |
労働・農林・商工費 | 8,576 | 産業振興や消費者行政に |
議会費 | 4,318 | 議会の運営に |
諸支出金 | 38 | 土地開発公社への利子補給に |
歳出を使い道に着目して分けた「性質別経費」の主な対前年度比増減要因は、次のとおりです。
人件費(議員などの報酬、職員の給与など)…新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る医師などの報酬の減少などにより減となりました。(△1.1%)
扶助費(子育て世帯や障害のある方などを援助するための経費)…住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金が減少したことなどにより減となりました。(△8.9%)
物件費(需用費・委託料などの消費的経費)…新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る委託料の増加などにより増となりました。(+9.0%)
補助費等(団体などへの助成金や一部事務組合負担金など)…生活応援事業補助金、原油価格・物価高騰対策助成金などのコロナ過における燃料価格・物価高騰対策事業の実施などにより増となりました。(+9.7%)
繰出金(特別会計へ支出する経費)…国民健康保険事業会計への繰出金の増加などにより増となりました。(+3.2%)
投資的経費(社会資本形成となる建設事業費)…武蔵野小学校体育館改修工事などにより増となりました。 (+5.0%)
項目 | 令和4年度 | 令和3年度 | 比較 | 伸び率 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
人件費 | 3,604,661 | 3,643,646 | ▲ 38,985 | ▲ 1.1 | 14.2% |
扶助費 | 8,211,127 | 9,015,207 | ▲ 804,080 | ▲ 8.9 | 32.3% |
公債費 | 801,906 | 775,496 | 26,410 | 3.4 | 3.2% |
物件費 | 3,863,814 | 3,545,408 | 318,406 | 9.0 | 15.2% |
補助費等 | 3,807,735 | 3,470,259 | 337,476 | 9.7 | 15.0% |
繰出金 | 2,713,360 | 2,628,528 | 84,832 | 3.2 | 10.7% |
投資的経費 | 484,202 | 461,107 | 23,095 | 5.0 | 1.9% |
その他 | 1,932,187 | 1,583,369 | 348,818 | 22.0 | 7.5% |
合計 | 25,418,992 | 25,123,020 | 295,972 | 1.2 | 100.0% |
家庭でいう「貯金」にあたります。令和4年度末の一般会計の基金残高は、44億6,082万円で、コロナ過に伴う事業の中止・縮小などにより、前年度に引き続き財政調整基金を積み増しすることができ、前年度末に比べて14億9,126万円の増となりました。
家庭でいう「借金(ローン)」にあたります。公共施設の建設などに必要な費用を、将来その施設を利用する世代にも負担していただくことで、住民負担の世代間の公平を図る役割などがあります。
令和4年度末の一般会計の市債残高は、76億1,695万円で、前年度末と比べて3億8,385万円の減となりました。
年度 | 財政調整基金 | 特定目的基金等 | 基金残高(合計) | 市債残高 |
---|---|---|---|---|
H30 | 1,263,807 | 1,474,126 | 2,737,933 | 8,051,078 |
R1 | 946,404 | 725,144 | 1,671,548 | 7,838,163 |
R2 | 1,435,233 | 590,331 | 2,025,564 | 7,750,827 |
R3 | 2,047,896 | 921,659 | 2,969,555 | 8,000,798 |
R4 | 2,862,448 | 1,598,370 | 4,460,818 | 7,616,947 |
財政調整基金とは、年度間の財源の不均衡を調整するための基金です。
一時的な現金の不足を補うために借り入れる資金のことで、市債とは異なり、その会計年度内に返済します。
令和4年度は一時借入れを行いませんでした。
市の行政運営に経常的にかかる経費(人件費、扶助費や公債費など)に、市税などの経常的な収入(一般財源=市が使途を決められる財源)がどのくらい使われたかを表す比率。この数値が高くなると、財政の弾力性が失われると言われています。
令和4年度の経常収支比率は、95.6%で、前年度に比べて4.2ポイントの増となり、財政の硬直化が進んでいます。
令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 |
---|---|---|
100.2% | 91.4% | 95.6% |
公債費(借金などの返済)に一般財源がどのくらい使われたかを表す比率。一般的には、15%を超えると黄信号、20%を超えると赤信号とされています。
令和4年度の公債費負担比率は5.9%でした。
令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 |
---|---|---|
6.6% | 5.9% | 5.9% |
普通交付税の算定に伴って算出される数値。この数値が高いほど財政力があると言われ、1を超えると普通交付税が交付されない不交付団体となります。
単年度指数で比較すると、令和4年度は前年度に比べて0.001ポイント増加し、0.926でした。
ほかの団体と比較する場合は、その年度を含めた過去3か年の平均値を用います。市の3か年の平均値は0.943、多摩26市の平均は0.972でした。
区分 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 |
---|---|---|---|
財政力指数 (単年度) | 0.980 (0.979) | 0.963 (0.925) | 0.943 (0.926) |
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、市の財政状況を判断するために設けられた健全化判断比率および資金不足比率を算定し、公表することが義務づけられております。
健全化判断比率および資金不足比率について詳しくは、「健全化判断比率および資金不足比率(別ウインドウで開く)」のページをご覧ください。