税制改正の影響などにより、市税収入が低迷している一方、社会福祉や児童福祉に要する経費などが増加しています。財政の硬直化が進み、基金の取り崩しが増え、基金残高が減少するなど、市の財政は厳しい状況にあります。
このため、全庁を挙げて事務事業の点検・見直しに取り組み、歳出削減や歳入確保に努めてきました。令和元年度は新型コロナウイルス感染症の影響は限定的でしたが、令和2年度以降、大きな影響が出ることが見込まれます。コロナ禍を乗り越えると同時に、健全で安定的な財政運営を目指し、引き続き全力で行財政改革に取り組んでいきます。
歳入総額は、231億652万円で、市税や地方消費税交付金などが減少したことにより、前年度に比べて2,463万円(0.1%)の減となりました。
市の主な収入源である市税については、市民税個人分は、個人所得の増加などを背景に前年度に比べ7937万円(2.2%)の増、市民税法人分は、市内企業の業績や経営活動の影響などにより2億4,278万円(25.4%)の減となりました。市税全体では104億5,224万円で、前年度に比べて7,161万円(0.7%)の減となりました。歳入全体に占める市税の割合は45.2%で、前年度を0.3ポイント下回りました。
歳出総額は、224億8,673万円で、障害福祉サービス費や保育委託料などの扶助費が増加した一方で、公債費の減少や、私立保育園施設整備、動物公園改修工事が終了したことにより、前年度に比べて1億5,500万円(0.7%)の減となりました。
【性質別経費の主な増減要因】
歳出を使い道に着目して分けた場合(性質別)、経費の主な増減は次のとおりです。
・人件費(議員の報酬、職員の給与など)…退職手当組合負担金などの減(1.6%減)
・扶助費(子どもや障害のある方などを援助するための経費)…障害福祉サービス費や生活保護費などの増(4.9%増)
・物件費(需用費・委託料などの消費的経費)…校務支援システム設定等委託料などの増(2.1%増)
・補助費等(団体などへの助成金や一部事務組合負担金など)…西多摩衛生組合負担金やプレミアム付き商品券発行事業補助金などの増(1.8%増)
・繰出金(特別会計へ支出する経費)…国民健康保険事業会計、下水道事業会計への繰出金の減(0.8%減)
・投資的経費(社会資本形成となる建設事業費)…動物公園改修工事費や羽村駅自由通路拡幅等事業費などの減(18.3%減)
区 分 | 歳入決算額 | 歳出決算額 | 歳入歳出差引 (形式収支) | 翌年度繰越財源 | 実質収支 |
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一般会計 | 23,106,518 | 22,486,725 | 619,793 | 12,844 | 606,949 |
国民健康保険 事業会計 | 6,142,828 | 5,982,488 | 160,340 | 0 | 160,340 |
後期高齢者 医療会計 | 1,311,448 | 1,280,375 | 31,073 | 0 | 31,073 |
介護保険事業会計 | 3,669,394 | 3,543,597 | 125,797 | 0 | 125,797 |
羽村駅西口土地区画 整理事業会計 | 947,469 | 853,379 | 94,090 | 0 | 94,090 |
下水道事業会計 | 1,192,121 | 1,109,926 | 82,195 | 10,296 | 71,899 |
計 | 36,369,778 | 35,256,490 | 1,113,288 | 23,140 | 1,090,148 |
※市では、「決算から見た羽村市の財政状況」や「財務諸表から見た羽村市の財政分析」などをまとめた「財政白書」を発行しています。詳しくは、「財政白書・バランスシート」のページをご覧ください。