市の財政状況は極めて厳しい状況にあります。令和2年度は、税制改正の影響などにより、市民税法人分がさらに大幅に減収となり、市税収入は過去30年で最少となりました。歳出は、イベント事業などの中止・縮小により経常の経費は減となりましたが、特別定額給付金給付事業をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策の実施により、決算規模は過去最大となりました。
こうした状況の中、経常経費の削減や市有地の売却などにより、市の貯金である基金の残高については、昨年度並みの水準で確保できましたが、依然として基金残高は低い状況が続いています。
また収支については、経常的な事業の支出が減少してもなお、5年連続で経常的な支出が経常的な収入を上回っており、財政の健全化が引き続き喫緊の課題となっています。
経常収支比率100・2%=経常的な支出にあてた一般財源/経常的に収入した一般財源
歳入総額は、297億6,455万円で、前年度に比べて66億5,803万円(28.8%)の増となりました。
市の主な収入源である市税については、市民税個人分は、所得の減、所得控除や税額控除の増などにより前年度から4,514万円(1.2%)の減となり、市民税法人分は、景況の悪化が市内企業の業績に影響したことなどにより、3億2,303万円(45.2%)の減となりました。
市税全体では101億2,298万円で、前年度に比べて3億2,925万円(3.2%)の減となり、歳入全体に占める市税の割合は34.0%で、前年度を11.2ポイント下回りました。
歳出総額は、287億9,013万円で、特別定額給付金をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策に係る経費が増加したことなどにより、補助費などが大幅に増加したことや、障害福祉サービス費や生活保護費などの扶助費が増加したことなどにより、前年度に比べて63億340万円(28.0%)の大幅な増となりました。
【性質別経費の主な増減要因】
歳出を使い道に着目して分けた場合(性質別)、経費の主な対前年度比増減は次のとおりです。
人件費(議員などの報酬、職員の給与など)会計年度任用職員制度の創設などにより増となりました。(+5.7%)
扶助費(子どもや障害のある方などを援助するための経費)障害福祉サービス費や生活保護費の増加などにより増となりました。(+3.1%)
物件費(需用費・委託料などの消費的経費)小中学校の学習・指導用端末の購入やインフルエンザ予防接種委託料の増加などにより増となりました。(+1.6%)
補助費等(団体などへの助成金や一部事務組合負担金など)特別定額給付金や市内共通商品券発行事業補助金などにより増となりました。(+196.9%)
繰出金(特別会計へ支出する経費)国民健康保険事業会計への繰出金が減少したことや下水道事業会計繰出金を補助費等と投資および出資金へ分類したことから減となりました。(▲10.4%)
投資的経費(社会資本形成となる建設事業費)羽村駅自由通路拡幅等事業の完了などにより減となりました。 (▲26.6%)
区分 | 歳入 | 歳出 | 歳入歳出差引額 | |||
歳入決算額 | 対前年度増減額 | 歳出決算額 | 対前年度増減額 | |||
一般会計 | 2,976,455 | 665,803 | 2,879,013 | 630,340 | 97,442 | |
特別会計 | 国民健康保険事業会計 | 578,311 | ▲ 35,972 | 560,107 | 38,142 | ▲ 18,204 |
後期高齢者医療会計 | 134,261 | 3,117 | 131,713 | 3,675 | 2,548 | |
介護保険事業会計 | 387,487 | 20,548 | 373,419 | 19,060 | 14,068 | |
羽村駅西口土地区画整理事業会計 | 160,707 | 65,960 | 150,510 | 65,172 | 10,197 |
妊娠・出産・子育て包括支援拠点( 子育て世代包括支援センター)の運営
第二次生涯学習基本計画の策定
風水害対策の充実(防災非常用電池、可搬式型エンジンポンプなどの購入)
加美緑地(グリーントリム公園)の整備
第六次羽村市長期総合計画の策定
市では、「決算から見た羽村市の財政状況」や「財務諸表から見た羽村市の財政分析」などをまとめた「財政白書」を発行しています。詳しくは、「財政白書・バランスシート」のページをご覧ください。