(令和5年2月28日)
おはようございます。
本日ここに、令和5年・2023年第1回羽村市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、厚く御礼申し上げます。
第1回定例会の開会にあたり、令和5年度の行政運営に臨む私の施政方針について申し述べ、議会並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
まず初めに、一般社団法人東京都農業会議が主催する令和4年度企業的農業経営顕彰におきまして、「羽村市農業後継者クラブ・学校給食食材生産部」の皆様が、東京都知事賞・東京都農業会議会長賞を受賞されました。
学校給食用の地場産野菜を提供し、食育活動を通じた地域農業の理解醸成に大きく貢献したことが評価されたものであり、市といたしましても大変栄誉なことであります。
ここに深く感謝と敬意を表しますとともに、今後、益々ご活躍いただきますよう、ご期待申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、ウクライナ危機を発端とする原油・原材料価格の高騰や物資の供給制約、急速な円安の進行など、我が国の社会経済情勢の動向は極めて不透明な状況にあります。
こうした状況は物価にも大きく影響しており、1月に公表された令和4年一年間の消費者物価指数の平均は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合で前年比2.3パーセント増と大幅な上昇となりました。
この値は、消費税増税の影響を除くと、2.9パーセント増だった平成3年年以来、31年ぶりの高い水準となっています。
特に、電気代やガス代などのエネルギーの物価上昇の伸びが大きく、私たちの日常生活に多大な影響を及ぼしております。
こうした中、市ではこれまで、ワクチン接種などの感染症対策を最優先に、生活困窮者支援や子育て世帯支援、事業者支援など、コロナ禍における市民生活や事業者への支援施策に取り組むとともに、第六次長期総合計画の令和4年度実施計画に掲げた事務事業の着実な推進を図ってまいりました。
一方、財政面では、令和3年度決算において経常収支比率や基金残高に改善が見られたものの、現下の社会経済情勢を勘案すれば、依然として厳しい財政状況が続くものと想定されます。
こうした状況を踏まえ、令和5年度予算は、財政の健全化へ向けた取組みを着実に進める中で、その成果を、厳しい財政状況下にあっても、第六次長期総合計画に基づく事業の実施、とりわけ、「子どもたちへの投資」、「市民の安全・安心対策への投資」、「行政のデジタル化への投資」という次代につながる「3つの投資」に重点を置きました。
その上で、創意工夫を凝らし、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた、次なる一歩を踏み出す、「チャレンジする予算」として編成いたしました。
予算の規模でありますが、一般会計予算は、236億9千700万円で、前年度当初予算額に対して、12億3千600万円、5.5パーセントの増となりました。
一般会計と特別会計、公営企業会計を合わせた羽村市全体の予算規模は、402億8千107万9千円で、前年度当初予算額に対して、15億471万8千円、3.9パーセントの増となっております。
それでは、令和5年度に取り組む施策の大要について、第六次長期総合計画に定めた5つのコンセプトと自治体運営の方針に沿って、新規・レベルアップ事業を中心にご説明いたします。
はじめに、コンセプトの1「自分らしく生きる」では、生涯にわたり、だれもが、家庭、学校、職場、地域などで、自分らしい生き方ができるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、男女共同参画、福祉・健康、地域コミュニティの活性化などの施策について、さまざまな取組みを推進してまいります。
男女共同参画の取組みでは、第5次男女共同参画基本計画に掲げる施策を着実に推進する中で、性的マイノリティの方々が暮らしやすい環境づくりに繋げるための取組みとして、東京都パートナーシップ宣誓制度との連携により、市民サービスの充実を図ってまいります。
このほか、「生理の貧困」への対応として、試行的に実施してまいりました市役所等の公共施設における生理用品の配布について、実施結果を踏まえ、令和5年度も引き続き実施し、生活上の困難に直面する女性に寄り添う支援の充実を図ってまいります。
人生100年時代と言われる中、健康寿命を延ばし、生涯にわたり明るく元気に生活できるよう、ライフステージを通じた健康づくりのための施策の展開と、介護が必要となった場合においても、住み慣れた地域で安心して生活を継続していけるよう、地域包括ケアシステムのより一層の充実が必要とされています。
このことから、これまで老人福祉センターじゅらく苑で実施してきたフレイル予防体操教室を拡充し、新たに高齢者在宅サービスセンターいこいの里でも開催することで、高齢者の皆様が自ら介護予防に取り組む機運の醸成を図ってまいります。
介護サービス事業所が安定的に運営を継続できるよう、人材確保を目的として実施している人材育成支援のメニューに、介護福祉士実務者研修に要する経費の助成を追加し、介護人材確保施策のより一層の充実を図ってまいります。
また、保健や医療、福祉の関係者で事例検討を行っている「精神障害者支援・事例検討会」を、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの将来的な構築に向けた協議の場として拡充し、地域課題等について情報交換や協議を行うなど、精神障害のある方の支援体制の充実を図ってまいります。
地域コミュニティの活性化には、町内会・自治会をはじめとする多様な市民団体の活動の充実が欠かせません。
時代のニーズに即した町内会・自治会活動のあり方等について、町内会連合会や関係団体の皆様とともに考え、会員減少等の課題の解消に取り組んでまいります。
また、コロナ禍においても市民活動の活性化が図られるよう、市民活動団体やNPO法人、事業所等の関係団体で構成する「市民活動団体連携協議会」の運営支援や、市民活動団体同士の交流を深めることを目的とした「市民活動団体交流会」等を実施いたします。
コンセプトの2「成長をはぐくむ」では、子どもから高齢者まで、生涯を通じて成長し、さまざまなつながりを持ち続けることができるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、子育て支援、学校教育、生涯学習などの施策について、さまざまな取組みを推進してまいります。
急速に進展する少子化により、昨年の国内の出生数は80万人を割り込むことが見込まれています。
こうした中、岸田首相は、先に開会した第211回通常国会における施政方針演説において、こども・子育て政策を最重要政策の一つとして位置付け、こどもファーストの経済社会を作り上げ、出生率を反転させるため、こども・子育て政策の強化に向けた具体策の検討を進めていくことを表明しました。
また、東京都では昨年、「子供政策連携室」を設置し、チルドレンファーストの視点による子供政策の強化を図っていく方向性を示しております。
子ども・子育て政策への対応は、社会機能を維持していくために先送りが許されない喫緊の課題であり、国を挙げて取り組む必要がありますので、国や東京都に対しましては、地域の実情に応じた実効性のある政策の展開を期待するところであります。
さて、先般公表された、民間調査機関が全国180の自治体を対象に実施した「共働き・子育てしやすい街ランキング2022」において、羽村市は、全国で4位、東京都内で2位という高い評価を受けました。
この結果は、「東京で子育てしやすいまち」として、子どもたちが健やかに成長するまちの実現を目指し、子育て支援施策の充実を図ってきた市の取組みが評価されたものと捉えております。
私は、だれもが安心して子どもを生み育てることができる子育て環境を整備することは、笑顔と活気に満ちた「くらしやすいまち」の要素として欠かせないものであると考えております。
この結果に満足することなく、羽村市が、より子育てしやすいまちとなるよう、引き続き、子どもと子育て家庭にしっかりと寄り添った切れ目のない支援のより一層の充実に取り組んでまいります。
具体的な取組みとしましては、まず、すべての妊婦や子育て家庭が安心して出産・子育てができるよう、国の「出産・子育て応援交付金」等を活用し、子育て世代包括支援センターにおける伴走型相談支援と経済的支援の強化・充実を図ってまいります。
また、子どもの医療費助成について、東京都が対象を高校生等まで拡大することに伴い、都制度を活用した「高校生等医療費助成事業」を実施してまいります。
保護者の利便性の向上のための施策にも積極的に取り組んでまいります。
市では、今年度、学童クラブ入所申請手続きについて、東京都市長会主催の「学童クラブ入所手続きのオンライン化の取組み」に参加し、実証実験を行いました。
その結果、有効性が確認できたことから、令和5年度も引き続き、電子申請による受付を実施いたします。
また、幼稚園、認定こども園の無償化のための認定申請手続きにつきましても、マイナンバーカードを活用した電子申請による受付を実施いたします。
昨年9月に発生した、静岡県内の認定こども園で園児が送迎バスに取り残され、熱中症が原因で亡くなるという痛ましい事故を受け、国から安全装置の設置支援を含む「こどもの安心・安全対策支援パッケージ」が示されましたので、これに基づき、幼稚園等に対し、送迎バス等の安全装置の導入支援を行います。
早急に実施していく必要があるため、実施に要する経費については、今次定例会に議案提案している令和4年度一般会計補正予算第8号に計上し、年度内に設置が間に合わない場合は、令和5年度に繰り越して実施いたします。
学童クラブに関しましても、児童育成の充実、運営の効率化の両面から新たな取組みを行います。
市では現在、すべての学童クラブを学校外の施設において直営で行っております。
令和6年度から、富士見小学校において、民間事業者への委託によるモデル実施を行っていくため、令和5年度は開設に向けた準備を行います。
加えて、対応に特別な配慮が必要な児童等の学童クラブへの受入れや育成支援にあたり、成長段階に応じた適切な支援を継続できるよう、庁内に連携アドバイザーを配置いたします。
連携アドバイザーの配置により、学童クラブと幼稚園、保育園、小学校間の連携及び、子ども家庭支援センターとの連携のより一層の充実を図ってまいります。
学校教育の分野におきましては、コミュニティ・スクールの導入や、スイミングセンターを活用した小学校水泳授業の試行実施等に取り組んでまいります。
コミュニティ・スクールは、地域の皆様や保護者などで構成する学校運営協議会を設置し、地域に根差した特色ある学校づくりを行っていこうとするものであります。
令和5年度は、まず、栄小学校と羽村第一中学校の2校で先行導入し、併せて、残りの小中学校8校について、令和6年度の導入に向けた準備を進めてまいります。
スイミングセンターを活用した小学校水泳授業の試行実施につきましては、松林小学校と武蔵野小学校の2校において、S&Dスイミングプラザ羽村での外部指導員による水泳授業を試行的に実施いたします。
快適な教育環境を整備するための施策として、「学校トイレ改修・洋式化計画」に基づき、羽村東小学校と羽村西小学校のトイレの洋式化を進めます。
また、「公共建築物維持保全計画」及び「学校施設長寿命化計画」に基づき、富士見小学校防音機能復旧工事や羽村西小学校体育館屋上防水改修工事など、学校施設の計画的な維持保全を図ります。
第二次生涯学習基本計画では、羽村市が目指す生涯学習の姿として、「人とつながる 豊かな心を育む 未来にひろがる はむらの学び」を掲げており、社会情勢の変化に柔軟に対応しながら、さまざまな生涯学習施策に取り組んで行くこととしております。
その取組みの一つに読書活動の推進があります。
市では、今年度、市民の読書活動が推進されるよう、図書の宅配サービスや、図書の選定をサポートするコンシェルジュサービス、羽村駅と小作駅への本の返却ポストの設置など、さまざまな新規事業を展開してまいりました。
令和5年度におきましては、子どもの読書環境を向上させるため、学校図書館にプリモライブラリーはむらの所蔵資料を返却することができる返却箱を設置し、定期的に回収する実証実験を行ってまいります。
コンセプトの3「スマートにくらす」では、自然環境を大切にしながら、日々のくらしの中で、便利さや快適さが感じられるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、都市基盤整備、公共施設の機能充実、環境などの施策についてさまざまな取組みを推進してまいります。
都市基盤整備につきましては、「道路整備計画」に基づき、市道の改修や維持補修を行います。
また、「水道管路耐震化更新計画」に基づく水道管路の更新や、「下水道総合計画」に基づく下水道施設の長寿命化に向けた予防保全型の維持管理を計画的に行ってまいります。
羽村駅西口土地区画整理事業につきましては、「羽村駅西口土地区画整理事業に関する検証会議」からの提言を受け、先般、市として「羽村駅西口地区の都市基盤整備に関する基本方針」を決定したところであります。
羽村駅西口地区の都市基盤整備は、この基本方針に基づき、現行の整備手法である土地区画整理事業をベースに事業を進めてまいります。
併せて、令和5年度におきまして、実務者としての知識と経験を有するアドバイザーの助言等を得ながら、整備手順や事業費削減の方策について、また、土地区画整理事業以外の整備手法を、エリアの特性を考慮し、地区の一部に取り入れることができるかどうかについて、庁内で検討してまいります。
検討する中で、令和6年度以降の事業への影響について判断していきたいと考えております。
公共施設につきましては、加美会館空調設備等改修工事や、スイミングセンター屋根改修工事等を実施するなど、老朽化した施設の更新を行います。
また、令和3年3月末をもって閉館した旧自然休暇村の解体工事を実施いたします。
令和5年度からは、指定管理者による公園・児童遊園の管理運営を開始いたします。
指定管理者には、樹木剪定や施設修繕などの維持管理のほか、地域団体等との協働や利用促進に向けた自主事業等に取り組んでいただきます。
市といたしましても積極的に関わり、より一層の利用者サービスの向上を図ってまいります。
令和5年度は、環境分野の総合的・基本的な計画である「環境とみどりの基本計画」の改訂に取り組んでまいります。
改訂にあたりましては、現行計画の達成度をしっかりと分析するとともに、環境を取り巻く社会情勢の動向に的確に対応した内容となるよう取り組んでいく考えであります。
環境の分野の新たな施策といたしましては、コミュニケーションツールとしてあらゆる世代に幅広く利用されているアプリケーションである「LINE」を活用し、資源リサイクル関連情報のデジタル化を進めてまいります。
また、外来生物による生態系や生活環境などへの被害を防止するため、東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画へ参加し、防除事業を実施いたします。
老朽化が進むリサイクルセンターについては、専門的な第三者機関に支援を委託し、施設の更新や延命化について助言を受け、施設の最適化の方針を策定してまいります。
コンセプトの4「にぎわいを創る」では、市内経済活動の基盤強化や市内産業の活性化を図り、羽村市を訪れる人との交流の輪を広げることで、にぎわいがあふれるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、産業振興、にぎわいの創出などの施策について、さまざまな取組みを推進してまいります。
産業は、市民生活の基盤を支え、まちに活力とにぎわいを創出する重要な役割を担うものであり、市の経済活動を支える多種多様な企業が、それぞれの個性を大切にしながら相乗的に発展していくことが大切です。
このため、市では、企業誘致促進制度を運用し、市内への企業誘致を促進しています。
令和5年度におきましては、令和3年度に指定した企業誘致奨励企業及び企業誘致協力者への奨励金を交付するとともに、引き続き、制度の運用を図る中で、企業誘致の促進に積極的に取り組んでまいります。
コロナ禍におきましては、さまざまな事業やイベントを中止せざるを得ない状況が続いております。
例年、市内外からの多くの来訪者で賑わう「はむら夏まつり」につきましても、過去3年間は開催を見送ってまいりました。
「はむら夏まつり」は、市の夏の風物詩とも言える大切なイベントでありますが、感染症対策だけでなく、大雨や台風災害、猛暑など、年々、深刻さを増す異常気象を踏まえ、開催時期や開催規模を見直す過渡期にありました。
そこで市では、商工会、観光協会、町内会・自治会等の代表の皆様で構成する「今後のはむら夏まつりの在り方検討会」を組織し、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた持続可能な市民まつりを検討していただきました。
その結果、令和5年度は、気候の安定している秋に開催している産業祭に、「はむら夏まつり」の要素を取り入れた新たな市民まつりを企画・実施することといたしました。
具体的な内容は、実行委員会において煮詰めて行くこととなりますが、この新たな市民まつりが、市民の皆様に愛されるイベントとなるよう、関係者の皆様と力を合わせて取り組んでまいりたいと考えております。
コンセプトの5「くらしを守る」では、災害や犯罪などから、自助・共助・公助により、市民の皆様のくらしを守ることができるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、防災、感染症対策などの施策について、さまざまな取組みを推進してまいります。
地震や気象災害、火災の発生などによる被害を最小限に抑え、市民の生命と財産を守るためには、インフラなどのハード整備とともに、消防団や、町内会・自治会による自主防災組織など、地域の皆様との連携・協力が不可欠であります。
ハード整備につきましては、都市防災機能の強化や、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観を創出するため、羽村駅前から産業道路までの市道第2002号線・通称「羽村駅前中央通り」の無電柱化事業を進めてまいります。
本事業は、東京都の「無電柱化チャレンジ支援事業」を活用して実施していくこととしており、令和5年度は、予備設計や試掘調査等を実施いたします。
消防団や自主防災組織は、地域防災力の要となるものであり、市民の皆様の安全と安心の確保のため、大変重要な役割を担っていただいています。
近年、消防団員数は全国的に減少傾向にあり、その確保が課題とされております。
現在のところ、訓練や火災出動などは支障なく対応できておりますが、欠員が生じている分団もあり、団員の確保は、全国的な傾向と同様に課題であると捉えております。
こうした状況を改善し、消防団活動が安定的に運営されるよう、災害や訓練に従事した際に支給する費用弁償を見直し、新たに出動報酬を創設することで消防団員の処遇改善を図ります。
また、消防団員としての活動を通じて地域に貢献する学生に対し、その功績を認証する「学生消防団活動認証制度」を導入し、学生の就職活動の支援や、消防団への入団促進を図るなど、団員確保のための取組みを推進してまいります。
そのほか、配備から15年が経過する第1分団のポンプ車を更新するとともに、道路交通法の改正に伴い、普通免許では消防団が所有するポンプ車は運転できなくなったことから、運転に必要となる準中型免許の取得に要する費用を補助するなど、消防団機能の充実を図ってまいります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大から約3年が経過しました。
足下の感染状況を見ますと、新規感染者数は減少傾向にあるものの、都内では、依然として1日あたり千人単位の新規感染者が発生するなど、現在も感染拡大の第8波が完全に収束したとは言えない状況であります。
こうした中、国は、原則として本年5月8日から、感染症法における新型コロナウイルス感染症の分類を、現在の2類から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げることを決定いたしました。
現在、国において、マスク着用などの基本的な感染症対策や、4月以降のワクチン接種など、分類引き下げに伴う具体的な見直し内容が検討されております。
市といたしましては、国や東京都の動向を注視する中で、感染状況に応じた適切な対策を実施し、市民の皆様の安全と安心の確保に万全を期してまいります。
併せて、これまで市が行ってきたさまざまな新型コロナウイルス感染症対策について報告書としてまとめ、今後の感染症対策に活かしていきたいと考えております。
第六次長期総合計画に定めた「自治体運営の方針」では、市が保有する経営資源を最大限に活用し、新たな時代に順応した行政サービスの提供や、健全な財政運営を行い、効率的で質の高い行政サービスを提供していくこととしております。
その実現に向けて、行政のデジタル化をはじめ、機能的かつ弾力的な行政運営、公共施設マネジメント、新たな財源の確保、人材育成など、持続可能な行財政運営のための取組みを積極的に推進してまいります。
行政のデジタル化につきましては、政府が掲げる「新しい資本主義」の重要な柱の一つに、デジタルの力を活用して地方の社会課題の解決を図ろうとする「デジタル田園都市国家構想」が掲げられ、昨年12月には「デジタル田園都市国家構想総合戦略」が閣議決定されました。
また、東京都では、行政のデジタル化を、質と量の両面から高度化していく必要があるとして、市区町村と協働して東京都全体のデジタル化を強力に進めていくため、本年秋ごろを目途に、新たな外部団体「GovTech東京」を設立することを表明するなど、行政のデジタル化の動きは、ますます加速しています。
こうした中、市では現在、専門的知見を有する外部人材からの支援を受け、市民サービスの向上や業務の効率化を図るための市のデジタルトランスフォーメーションの推進に係る方針を策定しているところであり、令和5年度は、この方針に沿い、スピード感を持って行政のデジタル化に取り組んでまいります。
具体的な取組みとしましては、学童クラブ入所申請などの行政手続きのオンライン化や、公共施設予約システムへのオンライン決済の導入、「LINE」を活用したさまざまな行政サービスの提供など、市民の皆様の利便性向上を図ります。
また、申請書等の画像から文字データを検出するAI-OCRツールや、情報を自動的にシステムに取り込むRPAツールを導入し、事務の効率化を図ってまいります。
多様化・複雑化する市民ニーズや、急速に変化する社会経済情勢等に的確に対応していくためには、機能的かつ弾力的な行政運営を推進していく必要があります。
そのため、計画事業を客観的な視点から評価し改善等に活かしていくことを目的として、行政評価に外部評価の仕組みを導入いたします。
人口減少や市民ニーズの変化に対応し、計画的に公共施設の総量抑制を図るため、公共施設等総合管理計画を改訂し、公共施設の整理統合・集約化・複合化に向けた具体的な検討を進めてまいります。
新たな財源の確保の取組みとしましては、企業版ふるさと納税の活用を図ってまいります。
企業版ふるさと納税は、企業が、地方公共団体が計画する地方創生の取組みに対して寄付した場合に、税制上の優遇措置を受けることができる制度であります。
寄付の獲得には、企業に共感される事業の選定と、効果的なプロモーションが重要であると考えます。
実施にあたりましては、令和5年度の実施計画事業の中から、企業が寄付をしてみようと共感していただける事業を選定し、寄付獲得のノウハウを有する民間事業者の支援を受けるなど、効果的かつ効率的に取組みを進めてまいります。
私が最も大切にする「市民のくらしに寄り添った行政運営」を進めていくためには、その気持ちを職員全員が共有することが大切であると考えます。
先般、私は、新任の係長職及び、平成27年度以前に入庁した主事・主任職の職員と意見交換を行いました。
グループごとではありましたが、100人近い職員と直接会話を交わすことができ、大変有意義な時間でありました。
厳しい財政状況が続く中でも、下を向くことなく、笑顔と元気でともに乗り切って行こうという私の言葉に、皆、笑顔で応えてくれ、大変心強く感じたところであります。
また、市では、今年度、若手職員を中心とする「羽村市職員行動指針・接遇マニュアル策定プロジェクトチーム」により、職員行動指針の改訂に取り組みました。
新たな職員行動指針では、羽村市の歴史が水から変わったように、羽村の未来を自ら変える職員を目指すという意味を込めて、「ミズカラカエル」をキャッチコピーとして位置付け、市の最大の魅力である「水」の原子記号H2Oをイメージした、Heartful、Harmony、Oneselfを3つの柱として定義しました。
Heartfulは、心のこもった対応を、Harmonyは、協調した行動を、Oneselfは、自ら率先して行動することをそれぞれ表現しています。
市では、この行動指針を職員一人ひとりが胸に刻み、今後も引き続き、市民の皆様に寄り添い、市民の皆様に喜んでいただける行政サービスの提供に取り組んでまいります。
SDGsへの関心が高まる中、行政運営におきましても、その視点を取り入れていくことが求められています。
第六次長期総合計画では、5つのコンセプトと自治体運営の方針に連なる各施策に、関連するSDGsの17の目標を紐づけ、SDGsの目標達成に取り組んでいくこととしています。
こうした中、先般公表された、民間調査機関が全国815の市区を対象に実施した「全国市区SDGs先進度調査」において、羽村市は、5万人以上10万人未満の自治体で総合8位という評価を受けました。
SDGsは、規模の小さい自治体では、財源や人材確保などの面から取組みが遅れがちになると言われておりますが、今回の評価結果は、羽村市におけるSDGsの取組みが着実に進んでいることが示されたものと捉えております。
引き続き、目標達成に向け、しっかりと取り組んでまいります。
以上、新年度に向けた施策の方針等について申し述べました。
今日で2月も終わり、明日からは弥生3月、桜のつぼみも膨らみはじめ、春の訪れを感じる季節となりました。
3月25日からは「はむら花と水のまつり2023」が始まります。
大正土手の満開の桜、羽水田に咲き誇る35万球のチューリップ。多くの市民の皆様が「はむらの春」を待ち望んでいます。
今年の干支である「卯」は、その跳躍する姿から「飛躍」、「向上」を象徴するものとして、新しいことにチャレンジするのに最適な年と言われております。
冒頭でも述べたとおり、我が国の社会経済情勢の動向は極めて不透明であり、市の行財政運営につきましても、今後も厳しい状況が続くことが想定されます。
しかし、こうした厳しい状況だからこそ、今、私たちが優先すべきことは何かを改めて問い直すとともに、あらゆることを抜本的に見直す絶好の機会であるとも言えます。
それには痛みを伴うこともあろうかと思いますが、現下の厳しい状況をともに乗り越え、羽村市が、次代につながる持続可能な自治体として、さらに大きく飛躍できるよう、私は、職員の先頭に立ち、全力でチャレンジしてまいります。
改めまして、議員各位並びに市民の皆様、市内事業者の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
なお、今次定例会には、当初予算案件7件、条例案件16件、補正予算案件7件、合わせて30件の議案をご提案申し上げております。
よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、私の発言といたします。
ありがとうございました。