(令和6年2月28日)
おはようございます。
本日ここに、令和6年・2024年第1回羽村市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位の御出席を賜り、厚く御礼申し上げます。
第1回定例会の開会にあたり、令和6年度の行政運営に臨む、私の施政方針について申し述べ、議会並びに市民の皆様の御理解と御協力をいただきたいと存じます。
二十四節気の雨水も過ぎ、各地から梅の便りが届き、寒さの中にも春の足音を感じる季節となりました。
「令和6年能登半島地震」の被災地にも、一日も早く復興という名の春が訪れることを祈りたいと思います。
私たちは改めてこの大震災を通じて地域の連携、助け合いの大切さを痛感したところであります。
「広報はむら」2月15日号にも掲載しておりますが、来月7日から11日まで、庁舎一階ロビーで実施する「町内会・自治会活動写真展」に併せ、町内会連合会役員の皆様により、町内会・自治会加入促進キャンペーンを実施する予定であります。
町内会・自治会による自主防災組織は、地域防災力の要でありますので、多くの市民の皆様の御理解をいただき、一人でも多くの加入に結び付くことを願っております。
市が実施している「令和6年能登半島地震」被災地への義援金の受付に対しましても、多くの皆様に御協力いただいております。
先日は、富士見小学校の児童が校長先生と来庁し、学校内で募った義援金を託していただきました。
富士見小学校での募金活動は、一人の児童の提案が学校内に広がり大きな支援の輪となったそうです。
私も心が洗われる想いでありました。
このほかにも、市民の皆様をはじめ、事業者の皆様、団体の皆様から心温まる義援金を託していただいております。
この場をお借りし、心から御礼申し上げます。
さて、ウクライナ危機等を発端とする原油・原材料価格の高騰や物資の供給制約、円安の進行は、我が国の社会経済に大きな影響を与え、その動向は極めて不透明な状況が続いています。
この状況は、物価にも大きく影響しており、1月に公表された令和5年一年間の消費者物価指数の平均は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合で、前年比3.1パーセント増と大幅に上昇しました。
上昇は2年連続で、上昇幅は、第2次石油危機の影響があった昭和57年以来41年ぶりの水準となりました。
特に、食料品や日用品などで価格転嫁の動きが相次ぎ、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしております。
こうした中、市では、物価高騰の影響を考慮した市民や市内事業者への支援に適時取り組むとともに、「第六次長期総合計画」の令和5年度実施計画に掲げた事務事業の着実な推進を図ってまいりました。
一方、財政面では、令和4年度決算において基金残高は増加したものの、経常経費の増加等により、経常収支比率は、前年比で4.2ポイント悪化するなど、市の財政状況は依然として硬直化が進んだ状態にあります。
令和6年度は、「第六次長期総合計画」の3年目にあたり、計画の中間点として、基本構想に掲げた市の将来像「まちに広がる笑顔と活気 もっと!くらしやすいまち はむら」の実現に向けた道筋を確かなものとしていく重要な一年となります。
早急に取り組まなければならないさまざまな行政課題に対し、選択と集中の考えのもとスピード感を持って取り組んでいく必要があります。
このことを踏まえ、令和6年度予算は、財政の健全化に向けた取組を着実に進めるとともに、厳しい財政状況下にあっても、限りある財源について創意工夫を凝らし、重点的かつ効率的に配分いたしました。
令和5年度に引き続き、「子供たちへの投資」、「市民の安全・安心対策、とりわけ地域の強靭化対策への投資」、「行政のデジタル化への投資」の次代につながる「三つの投資」を中心に予算化を図りました。
その上で、魅力あるまちづくりを目指し着実に前進する「持続可能な未来につなぐ予算」として編成しております。
予算の規模でありますが、一般会計予算は、244億1千万円で、前年度当初予算額に対して、7億1千300万円、3パーセントの増となり、過去最大を更新する規模となりました。
一般会計と特別会計、公営企業会計を合わせた羽村市全体の予算規模は、417億4千232万5千円で、前年度当初予算額に対して、14億6千124万6千円、3.6パーセントの増となっております。
それでは、令和6年度に取り組む施策の大要について、第六次長期総合計画に定めた五つのコンセプトと自治体運営の方針に沿って、新規・レベルアップ事業を中心に御説明いたします。
はじめに、コンセプトの1「自分らしく生きる」では、生涯にわたり、だれもが、家庭、学校、職場、地域などで、自分らしい生き方ができるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、福祉・健康、地域コミュニティの活性化などの施策について、さまざまな取組を推進してまいります。
市では、現在、令和6年度を始期とする「第六次地域福祉計画」の策定に取り組んでおります。
「第六次地域福祉計画」では、近年の福祉行政や社会の現状と変化を踏まえ、新たな地域課題に的確に対応するため、市の今後6年間の地域福祉の方向性を示すこととしております。
地域では、個人や世帯が抱える生活課題が複雑化・複合化する中で、高齢、障害、児童等の分野ごとの支援体制では対応が困難なケースが増えております。
そのため、行政と関係機関の協働による包括的な支援を一体的に行っていく必要があります。
そこで、既存の相談支援や地域づくり支援の取組を生かし、地域住民の支援ニーズに包括的に対応する「重層的支援体制整備事業」の実施に向けた体制の構築を進めてまいります。
羽村市の高齢化率は、本年2月1日現在、27パーセントとなっており、今後も上昇していくことが見込まれています。
超高齢社会においては、生涯現役に向けた環境づくりと、地域における総合的な支援体制づくりが非常に大切であります。
高齢者保健事業の効果的かつ効率的な実施を図るため、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業」を実施してまいります。
具体的な取組としましては、糖尿病性腎症重症化予防に係る相談・指導の対象を後期高齢者まで拡大するとともに、介護予防事業について、保健師等の専門職職員の知見に基づき、組織横断的に実施してまいります。
本年1月には、認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。
市ではこれまで認知症サポーター養成講座や、羽村市世界アルツハイマー月間講演会の開催などさまざまな認知症施策を展開してまいりました。
引き続き、認知症に関する普及啓発を推進するとともに、早期診断及び適切な治療・支援につなげることを目的に作成した「物忘れでも安心ガイド」をより有効に活用するため、75歳の市民の方に対して直接送付し、セルフチェックを勧奨してまいります。
セルフチェックの結果、検査が必要な基準に達した方のうち希望者に認知症検診を実施し、検診結果に応じて、医療機関等と連携して支援を行ってまいります。
「第2期羽村市スポーツ推進計画」では、スポーツによる地域コミュニティの醸成として、新たな市民参加型のスポーツイベントを構築することとしております。
令和6年度は、市民体育祭に代わる新たなスポーツイベントとして、子供から高齢者まで障害等の有無にかかわらず誰もが参加できるイベントとなるよう実施してまいります。
また、「はむら健康フェア」と合同開催することで健康づくりの意識向上も図ってまいります。
地域コミュニティの活性化には、市民や地域団体、事業者など、多様な人々が集い活動する地域活動の拠点としての居場所づくりが重要です。
市では、今年度、東京都の「子供・長寿・居場所区市町村包括補助」の採択を受け、「公園を活用した地域との連携による居場所づくり事業」を実施しております。
本事業の実施は、令和7年度までの3か年を計画し、令和6年度は、市民が遊び、学び、育つことができ、地域団体や事業者が多様な活動を繰り広げられる居場所として、S&Dスポーツパーク富士見の子ども広場を整備してまいります。
また、公園・児童遊園の管理運営を行う指定管理者を始め、市民や地域団体等と連携・協働し、ワークショップやイベントなどを通じて、「行きたい」「過ごしたい」と思える日常の空間と、地域活動の拠点としての居場所づくりに取り組んでまいります。
コンセプトの2「成長をはぐくむ」では、子供から高齢者まで、生涯を通じて成長し、さまざまなつながりを持ち続けることができるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、子育て支援や学校教育などの施策について、さまざまな取組を推進してまいります。
日本の総人口は、平成20年の1億2千808万人をピークに急速な減少傾向にあります。
昨年の国内の出生数は75万人台となり、8年連続で過去最少を更新しました。
こうした状況を踏まえ、国は、前例のない規模で子育て政策の抜本的な強化を図るとしております。
また、東京都では、令和6年度は、最重要施策と位置付ける少子化対策への予算投入を更に強化していくとのことであります。
人口減少問題、少子化対策は我が国全体の喫緊の課題であります。
市といたしましては、国や東京都、関係機関等と連携し、誰もが安心して子供を生み育てることができ、全ての子供たちが健やかに成長することができる子育て環境の整備、切れ目のない支援に全力で取り組んでまいります。
国や東京都は、地域の実情を捉えた実効性のある政策・施策を展開し、市町村の取組をしっかりと支援していただきたいと思います。
市では、現在、令和2年度から令和6年度を計画期間とする「第2期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、さまざまな子育て支援施策を展開しております。
こうした中、こども基本法において、市町村は、こども大綱等を勘案し、市町村における
こども施策についての計画を定めるよう努めることとされました。
これに伴い、市では、令和6年度において、令和7年度を初年度とする「仮称・羽村市こども計画」を策定してまいります。
策定に当たりましては、改訂時期を迎える「子ども・子育て支援事業計画」と一体的に策定いたします。
また、小・中学生へのアンケートや、子供向けの意見公募手続きを実施するなど、計画に子供の意見を反映できるよう取り組んでまいります。
核家族化の進展や地域のつながりの希薄化などにより、妊産婦の不安感や孤立感が生じやすくなっていると言われており、産後ケアの必要性が高まっています。
全ての妊婦や子育て家庭が安心して出産・子育てができるよう、産後ケア事業のうち、デイサービス型及び宿泊型の利用期間や利用回数を拡充するとともに、利用者負担額を減免するなど、産後の心身の負担や費用負担の軽減に取り組んでまいります。
在宅で子育てを行う家庭の孤立防止や養育力の向上、育児不安の軽減などを図るため、東京都の「多様な他者との関わりの機会の創出事業」を活用し、「保護者の就労等の有無にかかわらない未就園児の定期預かり事業」を実施してまいります。
令和6年度におきましては、事前に実施を希望されている幼稚園4園、認証保育所1園で実施してまいります。
全ての子供は、いかなる状況にあっても等しく尊重され、健やかな育ちが保障されなければなりません。
市では、平成29年度に子育て世代包括支援センターを設置し、妊娠期からの切れ目のない伴走型相談支援を行っております。
また、発達が気になる子供とその保護者に対し、子育て世代包括支援センターに子供の発達に関する総合相談窓口を設置し、関係部署が横断的に連携を図るなど、乳幼児期から就学期における一貫した支援に取り組んでおります。
令和6年度は、発達が気になる子供の保護者支援として有効性が立証されているプログラム「ペアレント・トレーニング」を、令和4年度及び令和5年度の試行結果を踏まえ本格実施してまいります。
学童クラブに関しましては、現在、全ての学童クラブを学校外の施設において直営で行っておりますが、令和6年度から、富士見小学校において、民間事業者への委託による学校施設内での学童クラブを開設・運営してまいります。
学校教育の分野におきましては、コミュニティ・スクールの導入や、ICT等を活用した不登校児童・生徒支援対策等に取り組んでまいります。
コミュニティ・スクールは、地域の皆様や保護者などで構成する学校運営協議会を設置し、地域に根差した特色ある学校づくりを行っていこうとするものであります。
今年度、栄小学校と羽村第一中学校の2校で先行導入したコミュニティ・スクールについて、令和6年度は、残り8校の小・中学校への導入を進め、小・中学校全10校で運用してまいります。
全国的に不登校の児童・生徒は増加傾向にあり、羽村市でも同様の傾向が見られております。
全ての児童・生徒が誰一人取り残されず、社会的な自立に向けて、それぞれの可能性を伸ばせるよう適切な支援が求められています。
こうした中、令和6年度は、東京都教育委員会が設置する「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」を活用し、オンライン上の仮想空間での不登校児童・生徒への支援を行ってまいります。
経済的な支援としましては、小・中学校の児童・生徒の保護者の負担を軽減するため、物価高騰対策として、令和6年度において学校給食費の改定に伴う増額分を補助してまいります。
また、児童手当について、所得制限の撤廃や支給対象年齢の引き上げ、第3子以降の支給額の増額など、本年10月からの制度改正が滞りなく実施できるよう、着実に準備を進めてまいります。
快適な教育環境の整備にも、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
令和6年度は、夏季の気温上昇による教育環境への影響及び、災害時の避難所としての使用を踏まえ、冷暖房空調設備を小学校全7校の体育館へ設置してまいります。
また、羽村東小学校及び羽村西小学校のトイレの洋式化を進めるとともに、富士見小学校防音機能復旧工事や小作台小学校体育館改修工事の実施設計など、学校施設の計画的な維持保全を図ってまいります。
コンセプトの3「スマートにくらす」では、自然環境を大切にしながら、日々のくらしの中で、便利さや快適さが感じられるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、都市基盤整備、公共施設の機能充実、市民の利便性の向上、環境などの施策についてさまざまな取組を推進してまいります。
都市基盤整備につきましては、「道路整備計画」に基づき、市道の計画的な改修や維持補修に取り組んでまいります。
また、「水道管路耐震化更新計画」に基づく水道管路の耐震化や、「下水道総合計画」に基づく下水道施設の長寿命化に向けた予防保全型の維持管理を計画的に行ってまいります。
羽村駅西口地区の都市基盤整備につきましては、先般、市として決定した今後の方向性に基づき、現行の土地区画整理事業の事業計画により効率的かつ効果的に事業を進めてまいります。
事業を進めるに当たり、選択と集中の考えの下、整備効果を早期に導き出すため、優先事項として位置付けている、「仮住まいされている方々等への仮換地先の返地を優先すること」、「福生都市計画道路3・4・12号線及び駅前交通広場等の早期整備」の実現を、令和6年度からの6か年の実施計画として目指してまいります。
併せて、市有地を活用した個別の仮換地変更や事業進捗に有効な民有地の購入について検討するなどの工夫策を講じ、事業期間の短縮に努めます。
羽村駅西口地区の都市基盤整備におきましては、この6か年の実施計画を達成していくことが極めて重要となってまいりますので、権利者の皆様をはじめ、議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
公共施設につきましては、東児童館空調設備等改修工事の実施設計に着手するとともに、羽村市消防団第5分団車庫の耐震性を高めるため、外壁等改修工事の実施設計及び工事を実施するなど、老朽化した施設の更新を行ってまいります。
また、羽村市動物公園・ヒノトントンZOOが抱える経営上のさまざまな課題を幅広い視点から調査・研究するなど、施設の今後の在り方について、庁内に設置する検討会により抜本的な検討を進めてまいります。
検討に当たりましては、現状分析や課題の整理、今後の経営予測、経営手法の検討などを行い、令和6年度中に今後の在り方に関する基本方針を策定してまいります。
市民の利便性を向上するには、行政サービスのデジタル化は有効な手段となります。
昨年3月に策定した「羽村市DX推進基本方針」に基づき、令和6年度は、児童手当の制度改正に合わせた認定申請のオンライン化や、LINEを活用した行政サービスの充実、住所異動に伴う各種届出書や申請書の自動作成を行う「転入届等受付自動システム」の導入によるいわゆる「書かない窓口」の推進など、デジタル化による市民の利便性の向上を積極的に図ってまいります。
環境の分野では、令和6年度は、現在改訂を進めている「第二次環境とみどりの基本計画」の初年度となります。
「第二次環境とみどりの基本計画」では、第一次計画の基本理念や基本目標を継承しつつ、環境を取り巻く社会情勢の動向に的確に対応した内容となるよう見直しを図りました。
市では、「第六次長期総合計画」及び、「第二次環境とみどりの基本計画」など環境分野の個別計画に基づき、自然環境の保全や創省エネルギー、地球温暖化対策など、脱炭素社会の実現を目指してまいります。
なお、市のこうした姿勢をより明確に示していくため、「第二次環境とみどりの基本計画」のスタートに併せ、2050年に二酸化炭素を実質ゼロにすることを目指す「羽村市ゼロカーボンシティ宣言」を行うとともに、令和6年度から、組織名称を「環境保全課」から「環境政策課」に改め、環境施策に総合的に取り組んでまいります。
コンセプトの4「にぎわいを創る」では、市内経済活動の基盤強化や市内産業の活性化を図り、羽村市を訪れる人との交流の輪を広げることで、にぎわいがあふれるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、産業振興、にぎわいの創出などの施策について、さまざまな取組を推進してまいります。
産業は、市民生活の基盤を支え、まちに活力とにぎわいを創出する重要な役割を担うものであります。
市では、市の経済活動を支える工業・商業・農業・観光業が、それぞれの事業者の個性を大切にしながら相乗的に発展していけるよう、さまざまな支援施策を展開しており、引き続き、市内事業者の成長発展に向け、企業支援の充実を図ってまいります。
令和6年度は、新たな取組として、労働環境の整備やDXの推進等を実施する中小企業事業者を支援する「経営基盤強化助成金」の交付や、企業支援セミナーを開催するなど、支援の充実を図ってまいります。
企業誘致につきましては、引き続き、企業誘致促進制度の運用を図る中で、「雇用促進奨励金」を拡充してまいります。
創業支援につきましては、支援機関とのネットワークを強化するため、連携機関を拡充するほか、「創業支援補助金」の特別枠として、新たに移住・定住枠を設けるなど充実を図ってまいります。
アライグマ・ハクビシンが農作物や生態系に与える被害が都内において広域的な課題となっております。
市内におきましても、農作物の被害に関する相談が増加傾向にあることから、今年度から実施している一般住宅を対象とした防除事業に加え、農地における防除事業を実施してまいります。
今年度、「産業祭」に「はむら夏まつり」の要素を取り入れた新たな市民まつりとして、「はむら市民と産業のまつり2023」を開催いたしました。
さまざまな検討を経て、気候が比較的安定している秋に開催することといたしました。
開催した二日間とも晴天に恵まれ、市民を始め多くの皆様に御来場いただき、この新たなイベントを楽しんでいただくことができました。
令和6年度は、「はむら市民と産業のまつり」が、持続可能な、そして市民の皆様から愛されるイベントとして今後も発展していけるよう、内容の充実を図ってまいります。
コンセプトの5「くらしを守る」では、災害や犯罪などから、自助・共助・公助により、市民の皆様のくらしを守ることができるまちを目指すこととしております。
その実現に向けて、防災、感染症対策などの施策について、さまざまな取組を推進してまいります。
災害等から市民の生命と財産を守ることは、行政に課せられた最も重要な役割であります。
「令和6年能登半島地震」の甚大な被害を我が事として捉え、地域の防災・減災力の一層の強化に力を尽くす必要があることから、災害・危機管理対応力の強化を図ってまいります。
具体的には、洪水ハザードマップの洪水浸水想定区域内において、浸水した場合に想定される深さを示す「想定浸水深標示板」いわゆる「まるごとまちごとハザードマップ」を設置するほか、災害用備蓄物資や災害対策用備品の充実を図ってまいります。
また、防災・危機管理に関する高度な知識や経験を有する専門人材を一般職の任期付き職員として任用してまいります。
消防団や自主防災組織は、地域防災力の要として、市民の皆様の安全と安心の確保のため、大変重要な役割を担っていただいております。
消防団活動を支援するため、消防団員や担当職員の災害発生から出動までの時間短縮を図ることを目的とした「消防団員参集メール配信等システム」を導入していまいります。
また、消防団員確保に向けた取組として、家族の介護や育児などを行う場合等において、団員の身分を保持したまま団員としての活動を一定期間休止できるよう、「消防団員休団制度」を導入してまいります。
地球温暖化の影響等に伴い、台風や豪雨などの風水害のリスクは年々高まっています。
こうした中、既存の施設の能力を評価・活用した効率的な施設整備を計画的に進めることを目的とした「雨水管理総合計画」の策定に向け、浸水リスクの高いエリアを重点化するため、
大雨が降った際に浸水が予想される区域や浸水の深さを示した内水浸水想定区域図を作成してまいります。
地震や気象災害、火災の発生などによる被害を最小限に抑えるためには、インフラなどのハード整備が重要であります。
ハード整備につきましては、都市防災機能の強化や、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観を創出するため、羽村駅前から産業道路までの市道第2002号線・通称「羽村駅前中央通り」の無電柱化事業を着実に進めてまいります。
本事業は、東京都の「無電柱化チャレンジ支援事業」を活用して実施しており、令和6年度は、羽村駅からゆとろぎ通りまでの1工区における電線共同溝の詳細設計を実施する計画としております。
新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行から約10か月が経過しました。
ワクチン接種につきましては、国の方針を受け、昨年9月から、追加接種可能な全ての年齢を対象とした公費負担による「特例臨時接種」を、集団接種及び市内医療機関での個別接種により実施しております。
国は、「特例臨時接種」を今年度末で終了し、令和6年度からは、65歳以上の方及び基礎疾患を有する60歳から64歳までの方を対象に、重症化予防を目的とした「定期接種」として実施する方向性を示しております。
これを受け、市では現在、令和6年度からの定期接種化を見据え、接種体制を円滑に個別医療機関へ移行できるよう、羽村市医師会と調整を行っているところであります。
令和6年度からの接種体制等につきましては、市民の皆様が混乱することのないよう、決定次第、広報はむらや市公式サイト等で広く周知してまいります。
「第六次長期総合計画」に定めた「自治体運営の方針」では、市が保有する経営資源を最大限に活用し、新たな時代に順応した行政サービスの提供や、健全な財政運営を行い、効率的で質の高い行政サービスを提供していくこととしております。
市では、今年度、使用料等審議会を開催し、公共施設の使用料等の適正化について、各施設のコストや受益者負担割合、利用状況、近隣自治体の使用料などを基に慎重に議論をいただいてまいりました。
使用料等審議会からの答申を踏まえ、市において受益者負担の適正化を検討した結果、公共施設使用料や手数料の改定を行うことといたしました。
市としましては、可能な限りコストを抑えた無駄のない施設運営や魅力的なサービスを提供できるよう努めてまいりますので、御理解をいただきますようお願いいたします。
「羽村市DX推進基本方針」で掲げた取組の方向性の三つの柱のうち、「行政の業務の効率化」につきましても、引き続き積極的に取り組んでまいります。
市では、今年度から、学童クラブの入所申請業務や市民税特別徴収異動業務、市民税納付書発送業務等において、申請書等の画像から文字データを検出するAI-OCRツールや、情報を自動的にシステムに取り込むRPAツールを導入し、事務の効率化を図っております。
令和6年度は、対象業務を催告効率化一括納付書発行等の納税業務や、事業所課税入力等の課税業務、転入届等受付処理業務へ拡充してまいります。
近年、さまざまな分野において生成AIの利用が急速に進んでおり、行政の分野におきましても活用が図られてきております。
市では今年度、デジタル化により事務の効率性を高めるツールの一つである生成AIについて、職員が適切に利用するに当たり遵守すべき事項をまとめた「生成AI利用方針」を定め、業務における生成AIの活用を開始いたしました。
令和6年度におきましては、より利便性の高い生成AIを導入し活用の幅を広げるとともに、職員研修を通じてより効果的な活用が図られるよう取り組んでまいります。
多様化・複雑化する市民ニーズや、急速に変化する社会経済情勢等に的確に対応していくためには、機能的かつ弾力的な行政運営を推進していく必要があります。
業務上のさまざまなリスクを回避するための取組をより一層強化し、業務の適正な執行を確保していくため、市では今年度、「羽村市版の内部統制制度」の導入について、庁内で検討を行ってまいりました。
検討の結果、今年度中に、市としての取組の方向性を示す「内部統制取組方針」を定めることとし、この取組方針のもと、令和6年度からリスク評価を全庁的に実施していくことといたします。
また、内部管理を所管する部署が連携し、資料作成や会議のルール、データの保存方法など、事務の効率化を図るための「庁内共通事務の標準ルール」の作成に取り組んでまいります。
内部統制制度の運用に当たりましては、内部統制の有効性を確保するため、監査委員と情報共有・意見交換等を適宜行い、効果的な運用に努めてまいります。
限られた人員で質の高い行政サービスを安定的に提供していくためには、組織力の強化が欠かせません。
そのため、長期的かつ総合的な視点から人材の確保・育成を図るとともに、人事異動や昇任・昇格等を効果的に機能させることで、職員の能力や意欲の向上を図ってまいります。
令和6年度は、新たに技術職職員の通年募集を実施するほか、国が昨年12月に示した「人材育成・確保基本方針策定指針」に基づき、市の人材育成基本方針の改定などに取り組んでまいります。
人口減少や市民ニーズの変化に対応し、計画的に公共施設の総量抑制を図るため、令和6年度からは、現在、改定を進めている「羽村市公共施設等総合管理計画」に基づき、整理統合や集約化、複合化に向けた具体的な検討を進めてまいります。
以上、新年度に向けた施策の方針等について申し述べました。
私は、市長に就任以来、「市民の皆様の幸せ」のため、職員と共に全力で市政運営に取り組んでまいりました。
令和6年度におきましても、実施計画に掲げた新規・レベルアップ事業、経常事業いずれも着実に取り組む中で、市民の皆様が市の将来に希望を抱き、幸せを実感していただけるよう、全庁一丸となって全力を尽くしてまいります。
改めまして、議員各位並びに市民の皆様、市内事業者の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
なお、今次定例会には、当初予算案件7件、条例案件21件、補正予算案件7件、規約の変更案件1件、合わせて36件の議案を御提案申し上げております。
よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げ、私の発言といたします。
御清聴ありがとうございました。