東京を職と住のバランスのとれたまちにするため、そして多摩地域の公共交通を一層充実させるため、多摩都市モノレールは構想されました。東京は都市部に機能が集中してきたため、通勤混雑、居住環境の悪化などさまざまな弊害が生じ、大規模な都市災害の危険も指摘されています。そのため、職と住の均衡した都市構造への転換が進められています。
また、多摩地域の公共交通は、バスや既存鉄道によって支えられてきましたが、輸送力の面などから一層の充実が求められるようになってきました。
こうした課題に対応するため、約93キロメートルに及ぶ多摩都市モノレール構想が提案されました。このうち、最も緊急度の高い、上北台~多摩センター間の16キロメートルが事業化され、上北台~立川北間が平成10年11月27日に、立川北~多摩センター間が平成12年1月10日に開業しました。
多摩地域における新しい公共交通機関の導入に際しては、中規模な交通需要に適したものであること、経済性に優れていること、地域の景観との調和が図れることなどが求められていました。
多摩都市モノレールで採用されているコザ型モノレールは、こうした要請に応えるものです。
・営業距離 16.0キロメートル
・表定速度 約27キロメートル/h
・所要時間 約36分
・最高運転速度 65キロメートル/h
・運転間隔 6分(最混雑時一時間あたり)
・運転本数 10本(最混雑時一時間あたり)
・定員 412人(一編成あたり)
平成2年12月 「多摩都市モノレールの早期建設」の要請書を都知事等に提出
平成4年12月 「多摩都市モノレールの早期建設」の要請書を都知事等に提出
平成11年2月 「多摩都市モノレール(羽村ルート)の早期整備路線化及び早期事業化」の要請書を都知事に提出
令和2年2月 「多摩都市モノレール延伸に関する連携」を八王子市長、あきる野市長、瑞穂町長に依頼
※その他、羽村市ほか都内25市3町1村で構成される「多摩地域都市モノレール等建設促進協議会」から「多摩都市モノレール延伸の促進に関する要望書」を国土交通省等に提出しています。
要請書等
昭和57年12月に東京都長期計画に多摩地域を相互に結ぶ循環路線として構想されました。
全長93キロメートルの循環路線は、既存の鉄道と接続させるなど公共交通システムのネットワーク化、循環化を実現することによって初めてその真価を発揮し、東京を職と住のバランスのとれたまちとし、交通利便性の向上、商工業の発展や環境負荷の低減などに大きく寄与する事業です。
モノレール構想路線図(昭和57年12月 東京都長期計画)
平成28年4月には、国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会から「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申がなされ、多摩都市モノレール箱根ケ崎方面の延伸については、多摩地域の主要地区間のアクセス利便性の向上に資するとされ、地方公共団体・鉄道事業者等において具体的な調整を進めるべきとされました。
平成28年4月20日交通政策審議会答申
令和2年度には、東京都で、箱根ケ崎方面のモノレール整備のため、現況調査や基本設計等の予算を設定しました。
市では引き続き、多摩都市モノレールの循環化のため、「上北台~箱根ヶ崎間」の工事の早期着手、箱根ヶ崎から八王子に至る構想路線の次期整備路線としての位置付け等を要望していきます。