安全で安定した水道水の供給を将来にわたり継続していくため、令和7年4月1日に水道料金の改定を行いました(平均9.27%の引き上げ)。
皆さまのご理解とご協力をお願いします。
水道事業は、地方公営企業法などの法律に基づき事業経営を行っており、水道使用者からいただく水道料金で事業経費を賄う「独立採算制」となっています。市では、平成26年4月の水道料金改定以降11年間にわたり現行料金を維持してきましたが、次のような理由から水道料金の改定が必要となりました。
令和4年5月に東京都が公表した「東京都の新たな被害想定」における立川断層帯地震発生時の水道断水率について、多摩地区の平均が14.5%なのに対し、羽村市は67.1%で都内でも最も高い割合となっています。強い揺れや地盤沈下などにより水道が断水した場合、トイレやキッチン、お風呂などさまざまな場所で水が使用できなくなるため、家庭はもちろん、企業や病院、公共施設、学校などにも大きな影響を与えかねません。
市では、このような災害への対策として、地中に埋設している硬質塩化ビニール管などを、耐震性に優れたダクタイル鋳鉄管(耐震管)に取り替える工事を計画的に実施しています。令和5年度末現在、市内の水道管路の耐震管率は7.9%で1割にも満たない状況であることから、引き続き耐震化工事を実施していく必要があると考えています。
市では、昭和36年2月に水道の供給を開始して以来、市の発展とともに急激に増加する水需要に対応するため、昭和40年から平成14年に多くの水道管を布設しました。その当時のものが現在の水道管路全体の80%以上を占めています。水道管の法定耐用年数は材質などにかかわらず一律40年とされており、令和5年度末には全体の33%が法定耐用年数を超えている状況です。また、浄水場や配水場といった水道施設内の電気設備やポンプ設備なども同じく老朽化が進み、今後更新時期を迎えるものが多くあります。
割合が大きいほど施設の老朽化が進んでいることを表す「有形固定資産減価償却率」で全国の水道事業体と比較した場合、令和4年度末の全国平均が51.5%であるのに対し羽村市は61.4%となっており、経年劣化による故障や事故を未然に防ぐため、今後も災害対策と併せて水道施設の更新や修繕を実施していかなくてはなりません。
近年の労務単価の引き上げや資材価格の高騰に加え電気料金の上昇などにより、水道事業で発生する工事費や維持管理費が増加傾向にあります。
給水収益と呼ばれる水道料金収入は水道事業の根幹となる収入で、1年間の損益に関係する収入の約9割を占めています。この給水収益が年々減少しており、令和5年度の給水収益を5年前の平成30年度と比較すると約5,000万円、5.4%も減少しています。その理由は、人口減少、節水意識の定着、節水型機器の普及などによる使用水量の減量が主な要因と捉えています。この傾向は今後も継続することが予測されており、大きな回復は見込めない状況にあります。
今後、将来を見据えた水道管路の耐震化や施設の更新を実施するに当たり、平成26年4月に改定を行った現行料金のままでは増加傾向にある費用を、減少傾向にある収入で賄うのが困難な状況となっています。料金改定を行わない場合、工事や修繕を行うための運転資金が枯渇し必要な事業が行えなくなってしまいます。
水道料金は、基本料金と従量料金の合計金額に消費税等相当額(100分の110)を乗じた額となります。
水道メーター 口径(呼び径) | 基本料金 | 従量料金 使用水量1立方メートル当たりの単価 | ||||||
1から20立方メートル | 21から40立方メートル | 41から60立方メートル | 61から 200立方メートル | 201から 400立方メートル | 401から 2,000立方メートル | 2,001立方メートル以上 | ||
13mm | 1,240円 (+200円) | 30円 (据え置き) | 135円 (+10円) | 175円 (+15円) | 220円 (+20円) | 290円 (+30円) | 370円 (+20円) | 400円 (+30円) |
20mm | 1,660円 (+200円) | |||||||
25mm | 2,060円 (+260円) | |||||||
30mm | 5,540円 (+700円) | 220円 (+20円) | 290円 (+30円) | 370円 (+20円) | 400円 (+30円) | |||
40mm | 11,000円 (+1,400円) | |||||||
50mm | 37,600円 (+4,740円) | 370円 (+20円) | 400円 (+30円) | |||||
75mm | 82,400円 (+10,580円) | |||||||
100mm | 179,000円 (+23,000円) | 400円 (+30円) | ||||||
150mm以上 | 301,000円 (+39,000円) | |||||||
公衆浴場 | 1,240円 (+200円) | 30円 (据え置き) | 110円 (+10円) |
改定前 | 改定後 | 増加額 | |
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基本料金 | 1,460円 | 1,660円 | 200円 |
従量料金 | 30円×20㎥+125円×20㎥=3,100円 | 30円×20㎥+135円×20㎥=3,300円 | 200円 |
合計 | 4,560円 | 4,960円 | 400円 |
<影響額>2か月で400円、1年で2,400円の増額になります。
改定前 | 改定後 | 増加額 | |
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基本料金 | 4,840円 | 5,540円 | 700円 |
従量料金 | 200円×100㎥=20,000円 | 220円×100㎥=22,000円 | 2,000円 |
合計 | 24,840円 | 27,540円 | 2,700円 |
<影響額>2か月で2,700円、1年で16,200円の増額になります。
改定前 | 改定後 | 増加額 | |
---|---|---|---|
基本料金 | 32,860円 | 37,600円 | 4,740円 |
従量料金 | 350円×500㎥=175,000円 | 370円×500㎥=185,000円 | 10,000円 |
合計 | 207,860円 | 222,600円 | 14,740円 |
<影響額>2か月で14,740円、1年で88,440円の増額になります。
・ご自身の使用している水道メーターの口径は、ご自宅にある青い蓋のメーターボックスの中にある水道メーターを直接ご確認いただくか、2か月に一度の検針の際に配布している検針票で確認することができます。
・実際の請求時には、消費税等相当額と下水道使用料を合わせて請求いたします。
改定日である令和7年4月1日を含む算定期間(前回の検針から今回の検針までの約2か月間)の水道料金は、下の図のとおり改定日を境に、改定前と改定後の料金で日割り計算を行います。