脳は、私たちのほとんどあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなります。
認知症とは、何らかの原因で脳の働きが悪くなり、記憶力や判断力が低下するなど、日常で生活する上でさまざまな支障がおおよそ6か月以上出ている状態を言います。老化による物忘れとは違い、物忘れの自覚がないこと、体験のすべてを忘れてしまうこと等が特徴的です。
認知症には種類があり、原因となる病気によって分類されています。半数以上はアルツハイマー型認知症で、記憶障害が著しく、特に最近の記憶(短期記憶)が不得意になります。うつ状態がみられることもあります。そのほかにも、脳の血管障害が原因で発症する脳血管性認知症、幻視を認めることがあるレビー小体認知症などがあります。
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状を「中核症状」と呼びます。記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などがこれにあたります。現在の医学では完治は難しいと言われています。主に次のような症状があります。
・覚えられない
・時間や場所の感覚が分からない
・考えるのに時間がかかる
・一度にいろいろなことができない
本人の性格、環境、人間関係などの要因がからみ合って、精神症状や日常生活における行動上の問題が起きてくることがあり、「行動・心理症状」と呼ばれます。環境や人間関係の調整によって改善できる場合があります。主に次のような症状があります。
・道に迷って家に帰れない
・トイレで失敗する
・イライラして、大声を出したり、暴れたりする
認知症の早期発見、早期受診・診断、早期対応はとても重要です。
進行予防の薬がある病気もあり、「認知症はどうせ治らない」とあきらめず、気づいたときに行動することで、その後の生活の質が大きく変わります。そのことは認知症を患う方だけでなく、本人をとりまく周囲にも影響していきます。
受診はまずかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医につないでもらいましょう。かかりつけ医のない人は、認知症の相談窓口等に相談しましょう。
診断の際には画像検査、血液検査、問診、心理検査などを行い、原因となる病気を見つけていきます。問診時には、医師に既往歴、今飲んでいるお薬、今の症状、生活の上で困っていることなどを簡潔に伝えられるとスムーズです。
65歳未満で発症した認知症のことを「若年性認知症」といいます。
働き盛りや家庭での大きな役割を担う世代の人に発症し、社会生活・家庭生活・就労・経済面への影響が大きく、高齢者の認知症と比べ、社会的な認知度もまだまだ低く、本人や周囲の病気の受け入れの困難さ、社会資源の不足、ダブルケアやヤングケアラーなど、多様な支援が必要とされています。就労中の診断であるかどうかが制度利用に影響することもあり、早期発見、早期対応が重要です。
最近覚えることや思い出すことが苦手になってきて、「ひょっとして認知症かな?」と気になったら、このガイドをご覧ください。
羽村市では「物忘れでも安心ガイド」を作成し、相談窓口のご案内や認知症の進行状況に応じたサービスのご案内をしています。
「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」は、ご本人だけでなく、ご家族や身近な方がチェックすることもできます。チェックリストを行い、ご心配のある方は、羽村市地域包括支援センターにご相談ください。
「物忘れでも安心ガイド」
とうきょう認知症ナビは、「認知症になっても認知症の人と家族が地域で安心して暮らせるまちづくり」の推進を目的とする東京都の公式サイトです。若年性認知症に関する相談窓口も掲載されています。
羽村市福祉健康部高齢福祉介護課
電話: 042-555-1111 (高齢福祉係)内線175 (介護予防・地域支援係)内線195 (介護保険係)内線142 (介護認定係)内線145
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