市内の中学校では、次代を担う子どもたちが、性別にとらわれずに、個性と能力を発揮し、将来を見通した自己形成ができるよう、市内事業所の協力を得て、職場体験学習を行っています。
今回は、羽村第一中学校の職場体験学習の機会を通じて、仕事をする上での男女の違い、家庭のことなど、男女共同参画の視点から生徒・事業者に話を聞いてみました。
写真(左側)…左から宮川篤さん、宮川敦子さん、市川さん、石川さん、宮川さん母、宮川さん妹
写真(右側)…左から市川さん、石川さん
(石川聖也さん・市川優奈さん)
先生からは「自分の行きたいところを選びなさい」と言われて、「植物関係」や「農業」を希望したら宮川園芸になりました。希望通りだったのでよかったです。
(石川聖也さん)
園芸や農業の経験が将来何かの役に立てば良いなと思って参加しました。
(市川優奈さん)
家族が畑仕事をしていて、小さい頃に一緒に野菜を育てた経験があるので興味がありました。せっかくの職場体験なので、興味があることを選びました。
(宮川篤さん)
私は、男女一人ずつ参加して欲しいと学校に伝えています。
教室には男性と女性がいるので、参加が2人であるならば、男性と女性が参加するのが自然なことだし、それが当たり前だと思っています。
(宮川篤さん)
さわやかだなと思いました。緊張し、不安を感じていることもあっただろうけど、作業をしている時などは、いい目をしているなと感じました。
(宮川敦子さん)
生徒さんの受け答えもしっかりしているし、一生懸命取り組んでもらいました。私たちが中学生の頃、職場体験学習はなかったので、今の中学生はいろんな経験ができてうらやましいなと思います。
(石川聖也さん・市川優奈さん)
今回の職場体験学習には、男女で参加しているけれど、仕事をする上では、男性・女性の違いは特にないと思います。
(宮川篤さん)
私もないと思います。
男だから花に近寄りがたいということでもなく、女だから必ず花に向いているということでもなく、性格的なことはあるかもしれないけど、職場では「男性だから、女性だから」ということはないと思っています。大切なことはお互いに協力し合うことですね。
農業は、女性がいないとできない仕事だと思います。私は妻や妹、母と一緒に仕事をしていますが、男性・女性を意識したくないし、意識する必要はないと思っています。私ではなかなか気づけない妻の色彩の感覚などは、参考になるところがありますよ。
(宮川敦子さん)
どの向きが正面だとか、同じ花でも花の向きってあるんです。市場へ出荷する際には、印象がまったく違うので、きちんと花を前に向けることなどを意識していますが、一般的に男性はそういうところはあまり気にしないんですよね。
力仕事は、男性のほうが早いけれど、細かい部分の気配りなどは、女性のほうが行き届く部分もあると思います。どんな職業であっても仕事をする上では、男性・女性ともに協力し合うことが必要ですね。
(宮川敦子さん)
農業は、夫だけでなく家族で協力しながら仕事を行っています。私は、家族の中で役割分担ができて、お互いにカバーできれば、良いのではないかと思います。仕事をしている時間は、子どもから離れているから、子どもと過ごす時間になったときにその分かわいがれるということもあると思うし、人それぞれだと思います。
(石川聖也さん)
両親が働いているから、家に帰っても誰もいないことが多いけれど、自分でやれることは自分でやれば良いと思います。家事をやることだけが母親の役割ではないと思います。将来結婚しても奥さんには、自分の気持ちを大切にしてもらいたいと思います。
(市川優奈さん)
私も両親が働いています。友だちの家に行ってお母さんがおやつを出してくれたりしたけれど、自分の家では自分で準備をすればいいことですから。
私も将来は、自分が「やりたい」と思ったことを続けていきたいので、結婚しても仕事は続けたいですね。
(石川聖也さん)
園芸・農業の体験だったので、力仕事をイメージしていましたが、力仕事以外にも数学のように計算することや、美術のようにデザインのことも勉強できたので、とても良い経験になりました。花や野菜を栽培することが経験できてよかったです。
(市川優奈さん)
花の栽培から販売まで一連の作業を経験できたので楽しかったです。将来の職業はまだわかりませんが、自分の「個性」を大切にできる大人になろうと思います。
(宮川篤さん)
将来彼らが社会に出た時に、羽村で一緒に仕事がしたいですね。職業は違うかもしれないけれど、羽村に住んで子育てをして、仕事をして欲しいです。職場体験学習で生徒を受け入れることはそのための投資だと思っています。
生徒にとっても、せっかく備わった能力であり、財産ですから、それぞれの個性を活かして活躍して欲しいです。
「男性だから・女性だから」という固定的な観念や、大人の価値観などで、生徒の個性の芽を摘んでしまうようなことはあってはならないと思います。
男女共同参画だって当たり前のことですから、性別に関係なく、生徒たちの将来の可能性を広げていけるような社会であって欲しいし、私はそういう社会を作っていきたいですね。
今回の職場体験学習の取材を通じて、中学生には、性別による違いなどの意識はなく、誰もが平等に、自らの個性を発揮していくことができる環境にあるということ、また受入れを行う事業所でも、男性・女性がともに働くことは当たり前のことで、それぞれの能力を発揮していくことが、事業所にとってもプラスになっているということが分かりました。
男女共同参画社会を実現するためには、若い世代にとっての男女共同参画は当たり前であるという意識を世の中のあらゆる分野に浸透させ、性別にとらわれることなく、自分の能力を発揮できる社会を作っていくことが必要です。
今後も、地域・事業所・行政が連携し、男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでいきましょう。