現在、国では、すべての女性が輝く社会づくり本部を設置し、女性が生き方に自信と誇りを持ち、活躍できる社会づくりを進めています。
市でも、性別による固定的な役割分担意識を解消し、女性がさまざまな場面でいきいきと活躍していけるよう、羽村市男女共同参画基本計画において、「女性のチャレンジ支援」、「方針の立案や決定の場への女性の参画促進」を掲げ、さまざまな事業に取り組んでいます。
今回は、コミュニティバス「はむらん」や羽村青梅地区路線バスの乗務員として活躍している女性と、乗務員に女性の登用を進めている西東京バス株式会社の取組みを紹介します。
右から
西東京バス株式会社
青梅営業所長 牛窪健児さん
乗務員 橋本明乃さん
乗務員 高橋亜由美さん
運輸部運転担当係長 山内洋平さん
(橋本さん)
以前勤めていた会社では配達業務をしていました。車に限らず運転が好きでしたので、二輪免許や大型二種免許を取得しました。試験は難しく、何回か不合格になった時はくじけそうになりましたが、挑戦し続けました。無事合格した際に、苦労して取得した資格を生かした仕事がしたいと考え、2008年に西東京バス株式会社に入社しました。
(高橋さん)
以前勤めていた会社ではパソコン業務を担当していましたが、昔から運転が好きでしたし、正社員になりたいと考えていたので、自動車教習所に通い、大型二種免許を取得しました。そして、2010年に西東京バス株式会社に入社しました。
(高橋さん)
両親に話した際は驚かれましたが、どうしてもやりたいという気持ちを伝え、認めてもらいました。
(橋本さん)
私の家族も同じ反応でしたが、言い出したら聞かない私の性格を家族はわかっているので、最後には支えてくれました。
(牛窪所長)
最近の女性の社会進出に伴い、以前に比べると増えてきています。青梅営業所では現在、乗務員76人のうち女性は6人と、1割に近づいてきています。女性の乗務員の増加に伴い、バスの運行や安全衛生、職員の福利厚生に必要な施設、制度なども整えています。
(高橋さん)
チェーンを巻くのは重くて大変ですが、車も改善されておりハンドルやギアは無理なく操作できますし、自分自身ではあまり感じたことはありません。
(橋本さん)
身長が低いので座席位置の調整は必要ですが、それは男女差というより個人差だと思っています。運転技術に関して男女差はないと思いますし、お客様にも日ごろ男女差を感じさせないよう努めています。
(牛窪所長)
お客様からは「運転が丁寧」「車内アナウンスの声が聞き取りやすい」などの意見が寄せられています。当社では、やる気さえあれば性別に関わらずチャレンジすることが可能です。熱心で運転技術も高い2人ですから、次のステップに向かってさらに頑張って欲しいと思っています。
(橋本さん)
安全第一の仕事ですので、休日は気持ちをリフレッシュして、新たな気持ちで仕事に臨めるようにしています。昨年からカラオケを始めたので、気分転換で歌を歌うことが多いです。
(高橋さん)
休日出勤もありますが、平日の休みや有給休暇も取得できますので、プライベートでは趣味も楽しんでいます。
(高橋さん)
産前・産後休業、育児休業などを取得することになりますが、そのような制度を利用できる職場ですし、復帰しまた運転をしたいと考えています。
(橋本さん)
母も祖母も仕事を続けていたので、当たり前のように自分も働き続けたいと考えています。当社では制度なども整っていますし、出産後に復帰している先輩もいるので心強く、とても安心しています。
(牛窪所長)
バス業界全体に言えることだと思いますが、大型二種免許取得者が減少しており、人材不足ということがあります。優れた人材の確保のためにも、育児のために仕事を辞めざるを得ない状況をつくらないよう、働きやすい職場環境は重要であると考えています。
(山内係長)
当社では、男性・女性に関わらず多くの社員が育児休業を取得しています。2014年度は、対象者13人中男性6人、女性2人が育児休業を取得しました。
(高橋さん)
お客様から「ありがとう」「運転が丁寧で乗りやすかった」と言われることです。一番励みになる言葉です。
(橋本さん)
やはり、お客様とのふれあいです。顔を覚えていただいて、何げない会話や、「ありがとう」「頑張ってね」などと声を掛けていただくと、乗務員になって良かったと感じます。
(高橋さん)
これからも、お客様の笑顔のために頑張っていきたいです。
(橋本さん)
毎日、何事もなく無事に運転業務を終えることです。日々の積み重ねが大切だと思っています。当社では、20年もの間、無事故で表彰された社員もいますので、私も目標としたいです。
(牛窪所長)
自らの気持ち次第で、さまざまなチャンスが開かれています。先輩たちを見て、次の世代も成長してもらいたいと考えています。ぜひ、チャレンジしてください。
(高橋さん)
バスの運転手というと男性が多い職場ですから、初めは入社することに不安がありましたが、先輩方や事務所の方たちがとても優しく、相談にも乗ってくださるので、今では不安がまったくなく気持ちよく働いています。性別に関わらず安心して働き続けることのできる社会になってきていますし、女性だから無理だと思わずに、「やりたい」という気持ちを大切にして進んで欲しいです。
(橋本さん)
自分の進みたい道を進んで行けば、おのずと周りの人も応援してくれます。それはバスの乗務員に限ったことではないと思います。「私にだってできる」という気持ちで努力していって欲しい。人生は一回きりです。思う道でチャレンジしてください。
日々、お客様とのふれあいを大切にしているという橋本さん
「やりがいのある仕事です」と話す高橋さん