男女共同参画社会の実現に向けては、市民・事業者・行政がそれぞれの立場で、男女が区別なく仕事をしていくことのできる風土づくりに取り組むことが必要です。今回は、男女共同参画の取組みを実践している株式会社電子制御国際を紹介します。
液晶テレビや、自動車などの各種モーターなどに使われている絶縁皮膜の状態を検査する機械「インパルス巻線試験機」の製造・開発で世界トップシェアを誇る企業です。検査の信頼性に高い評価を受けています。
(高木さん)
職場内の男女比率は3対2で、ものづくり企業としては比較的女性の割合が高い会社ですが、男性も女性も同じ立場で仕事をしていて、コミュニケーションはよく取れていると思います。
社員数が少ないですから、タテのつながりもヨコのつながりも風通しが良いと感じています。
仕事を進める中でも、「男性だから」「女性だから」ということもなく、一般的に言われているような男女の差もあまり感じません。
創業者の「人が一番大切、積極的に社員に還元していくように」という言葉が受け継がれていますので、日頃から社員のモチベーションは高く、私もそのように心掛けています。
(高木さん)
社員のご家族に、より一層職場のことを理解してもらうため、平成22年に「ファミリーデー」を開催しました。
参加した子どもたちには、資料のコピーなどの庶務的なことや機械を組み立てるための部品集めなどを体験してもらいました。
(高木さん)
小さな電子部品を探す作業は、子どもたちの興味を惹いたようで、楽しんでいました。
それぞれの従業員が大切な家族に支えられて仕事に就いていることを意識するきっかけになったのではないかと思います。
また、自分たちの仕事を家族に知ってもらうことができたため、社員のモチベーションを上げることにもつながる良い取組みだったと思います。
(高木さん)
フレックスタイム制度を導入しているので、仕事や家庭の都合に合わせて出退勤時間を選択できています。
定時退社を推進していますが、比較的若い世代は、仕事に熱中していて、定時後や土曜日・日曜日も仕事に出てくる社員がいます。
(高木さん)
多くの人がそうだったと思いますが、仕事に熱中する時代と、少しずつ仕事以外の時間も大切にしたい時代があると思います。私も昔は仕事一筋でしたから。
ただ、急ぎの仕事がないときには、積極的に休みを取ってもらうように、管理職が社員に働きかけていくことが必要だと思っています。
(高木さん)
今のところ男性で育児休業を取得した社員はいません。
経営する立場では、人材を育成するのは難しいことですし、時間もかかりますので、仕事をやめずに働き続けてもらいたいです。
男性・女性に限らず、取得したいという社員がいれば取得してもらいたいと思っています。
(高木さん)
男性と女性それぞれの特性を生かせるような職場環境づくりを心掛けていますが、女性の方針の立案という点でいうと、浅川さんは、入社以来営業事務をお願いしていましたが、日ごろの仕事の進め方から、幅広い分野で仕事をしてもらいたいという期待もあり、会社の方針を考える企画部門で仕事をしてもらっています。
(浅川さん)
今の部署は、女性は私だけで、ほかの3人の男性は取締役です。
仕事内容は、内部の総合調整や会社の未来を見据えた企画立案に加え、ほかの部署の補助員としての役割もあります。
社内全部署に関わるオールマイティな仕事です。
(浅川さん)
仕事の内容が幅広く、覚えることがたくさんありますが、私は、一つの作業をずっと続けることよりも、いろいろな種類の仕事に携わっていた方がやりがいを感じられるので、その点で今の部署は向いていると思います。
(浅川さん)
私自身負けず嫌いなので、「女性だからしょうがない」「女性だからできない」とは思われたくありません。
自分ができる範囲では、なるべくほかの人に頼らないで自分で解決するように心掛けています。
社会的には、女性の社会進出や方針の立案、決定の場への参画が求められていますが、「働いていたい」と考えていれば、自然にそういう考えになっていくと思います。
何事もそうですが、まずは自分自身がしっかりと仕事に取り組むということが大切だと思います。
(浅川さん)
私たちの会社は、男性・女性に関わらず、社員が自己研鑽のための研修に参加したいと望めば、参加させてもらえます。
コミュニケーションもうまく取れているので、協力し合いながら休みも取れる職場環境だと思います。
仕事に集中して取り組んだ後は、リフレッシュする時間を持つことが、仕事へのモチベーションを高めることに繋がっていくので、そういう雰囲気が会社内にあり続けることが大切なことだと思います。
(高木さん)
私たちの会社は、最初から最後まで一人で進める仕事が多く、社長もそれぞれの部門や社員に仕事を任せてくれています。
任された仕事を自分で考えて進めていくので、考える力もついてくるし、仕事の成果も見えやすいです。
成功しても失敗しても、それが結果になるので、やりがいであったり、モチベーションを高めることに繋がっていると思います。
男性・女性関係なく、自らのやりがいを感じられ、働く意欲が湧くような職場環境を引き続き保てるように、心掛けていきたいと思っています。