女性も男性も、家族や自分の時間を大切にしながら、仕事や地域、家庭で活躍することは、誰もが生きがいを感じられる社会、男女共同参画社会につながります。
コロナ禍で新しい暮らし方が広がり、働き方も多様性を増しています。会社や事業所で働くことだけでなく、自分自身で仕事をつくり出す「創業」も、働き方の一つです。
さらには、会社やお店を持つ「創業」や、自分のライフスタイルに合わせて仕事をする「創業」もあり、「創業」のカタチもさまざまです。
羽村市では、市内で事業を始めようとする方や、始めて間もない方を支援する創業支援を行っています。今回のWeaveは、市内で創業した女性をご紹介します。
(令和4年2月19日に開催された羽村市創業支援セミナー&パネルディスカッションを取材しました)
南はる香さん(ウクレレ教室「ホヌレレ」(羽村市神明台)オーナー)
令和元年 ウクレレ教室開業、令和2年度羽村市創業支援補助金採択。
もともと音楽が好きで、20代の頃、アルバイトで働いていたお店のお客様にギター職人の方がいて、その方からウクレレをいただいたのが、ウクレレとの最初の出会いでした。お店で演奏したり、友人が加わったり、みんなで楽しく演奏するのが好きでした。
しかし、30代の初めに身体を壊し、仕事の翌日は寝込んでしまうような状況になってしまいました。ウクレレは結婚しても続けていましたが、趣味でやっているだけでした。
そんな中、夫が突然「ウクレレ教室をやったらいいよ!」と言い出しました。地方に出張に行った時に、生き生きとウクレレ教室を行っている女性を見かけ、その姿に刺激を受けたようです。
それまで、教室を開くことはイメージしていなかったのですが、人と一緒に演奏することが好きだったので、夫の言葉に乗せられ、軽い気持ちで教室を初めてみることにしました。
教室を始めたのは2年前。小遣い程度でも稼げれば…と始めたものの、なかなか生徒が集まらない状況が続きました。このまま続けて大丈夫なのか、お客さんを増やすためにホームページを作るなどした方が良いのか、悩み始めた頃、遊びに行った羽村市の産業祭で、創業支援コーディネーターの松原さんと出会いました。
産業祭では、創業支援スペース「iサロン」のブースが出店していました。
自分の事業が「創業」と言えるかわからないけれど、相談に乗ってくれるというので立ち寄り、数週間後には流されるように「創業支援」を受けるようになりました。
好きなウクレレを仕事にしたものの、個人で始めたため、資金が十分にあるわけではなく、コロナ禍で生徒も思ったように集まらず、どこにどのようにお金をかけていけばよいかわからずにいました。
「iサロン」で松原さんに相談するようになり、今後ウクレレ教室をどうしていきたいのか、売上や税金、社会保険をどうしていくのかなど、それまでなんとなくしか考えていなかったことを、具体的に考えるようになりました。
ホームページの開設や、新しいお客様の目を引くための思い切った特典、安定的に経営するための料金設定など、アイデアを膨らませたり、それを実現するためのアドバイスを受け、一つひとつクリアすることができました。市が行った電子決済のキャッシュバックキャンペーンも、メリットとデメリットを教わりながら参加しました。
東京都や市の補助金があることも知り、補助金を活用してどのようなことを行うかといった計画や、申請書類の準備も松原さんに手伝ってもらいながら進めました。
公的な支援は、一人で事業を始めた私にとっては、とても心強い存在です。事業がうまくいくか不安もある中、アイデアやアドバイスをいただくだけでなく、補助金を活用した取り組みなど、一人では考えられなかったことを実現できたと思います。
現在は、自宅でのウクレレ教室と、瑞穂町と立川市のカフェを借りたレッスンやライブイベントを行っています。自分で時間を決められるので、夫の仕事の都合や休みにも合わせやすく、家族の生活に支障はありません。ウクレレ教室を自宅で行っているので、日に日に、ウクレレグッズやハワイグッズが増えてはいますが(笑)。
今では、パートタイムで働いていた頃に比べて仕事の時間は短く、収入は増えました。いろいろな人とウクレレを演奏しながら、それが仕事にできていることが楽しいです。何よりも、そんな私を見て夫も喜んでくれていることが嬉しく、「創業」を選んでよかったと感じています。
昔から、みんなで何かをやることが好きなので、今の夢は100人でウクレレ大合奏を行うことです。
創業して「iサロン」に通うようになり、地域の創業者の方との交流もでき、「羽村で何か楽しいことをやろう」と言える知り合いが増えました。一つのつながりからいろいろなつながりに発展し、100人ウクレレ大合奏も夢ではないと思っています。
人と接することや料理を作ることが好きで、スポーツバーを開きました。
私にとって羽村市は、若い頃から遊び、成長してきた場所なので、今の若い人たちにとってもそんなまちにしたいという想いもあります。
お店に来てくださった方が地元を好きになってくれるよう、創業した当初の気持ちを持ち続けていくことが大切だと思っています。
中丸歩美さん
(CAFÉ&BAR808(羽村市五ノ神)オーナー)
産業福祉センターに、創業に関心がある方、創業して間もない方、創業や仕事に関する情報が欲しい方が無料でご利用いただけるスペースを開設しています。
パソコン作業ができるスペースなどがあり、創業支援コーディネーターの在室時は、無料で相談ができます。
一人ひとりの夢やアイデアの実現に向けて、寄り添い、一緒に考え、アドバイスを行います。気軽にお越しください。
開館時間 午前9時30分から午後9時30分(月曜日休館)
住所 羽村市緑ヶ丘2-11-1(羽村市産業福祉センター内)
創業支援コーディネーターの在室日は、「創業支援スペース iサロン」のページをご覧ください。相談は予約制です。
問合せ 産業振興課